官房機密費

官房機密費について、鳩山首相は野党・民主党の前の代表時代、「必要性はなくなった」(01年2月5日)、公表し削減する(01年5月9日)と主張する代表質問をしていました。

ところが政権交代があっても、15億円弱の予算はそのまんま、使い道も秘密のまんま、事業仕分けの対象にすらあげません。

そんななか、小渕内閣で官房長官を務めた自民党の元幹事長・野中広務さんが4月19日にTBSニュース番組で国会での野党対策のほかに複数の政治評論家に配っていたことを証言し、その後もいくつかのマスメディアインタビューに同様の話をしています。

評論家に機密費を渡すとはつまり、政府による世論操作が意図されていることは明らかではないでしょうか。そして受け取ったジャーナリストは権力監視どころか権力すりよりです。

野中さんの証言内容が事実なのかどうか、出した側も受けた側もあいまいにすることは許されないし、政府がその実態を明らかにしようとしないなら、政府による世論操作に対する現政権の姿勢が問われます。

強い雨/医療充実を求める会/訪米報告/核のない世界

けさはちょっと強い雨でした。月曜朝はわが家からいちばん近い定時定点の街宣。

旗持ちに出てきてくれるのは、その場所から歩いて1~2分の後援会のかたたち。私は車で3分。私がいちばん遠いのですが、みなさんは傘をさして待っていてくれました。

参院選公示まであと一か月です。きのうは鳩山首相が、アメリカにもの言えぬ姿勢を露呈し、自公政権へ回帰した「辺野古案」を表明。ここまで来ると、民主党政権はなんのためだったのか、根本的に問われます。マイクをもつ私の手も怒りにふるえます。

午前中は「市立病院といわきの医療の充実を求める会」の役員会がありました。あらためて、いわきの医療や救急医療の実情、行政の責任について認識を共有する必要性が語られました。

午後は自宅のパソコンで、21日に共産党本部で行なわれた志位委員長による「アメリカ訪問報告会」を視聴。便利になりました。

このページの右下をたどっていくと「《JCPムービー》アメリカ訪問報告会(前半)(後半)」があります。クリックすると誰でも見ることができます。

5月3日のNPT再検討会議の開会冒頭、カバクチュラン議長が「昨日、私は市民社会が集めた署名を受け取りました。彼らの熱意はたいへん大きなものがあります。私たちはこの熱意に応えなければなりません」と演説したことが印象深く報告されました。

「市民社会が集めた署名」というのは、私も集めた日本からの691万人もの署名のことなのです。まさに、世界諸国民の世論と運動こそが「核のない世界」への推進力です。

いわきの医師数/絶対数不足と勤務医不足

医師数を公けの数字として知るには、2年に一度、厚生労働省が行なう「医師・歯科医師・薬剤師調査」の結果によるほかありません。最新の数字は2008年のものです。

いわき市では、前回(06年)とくらべ、病院勤務医が24人減り、診療所勤務が4人増え、全体としては20人の医師が減っています。

人口10万人あたりの医師数では全国平均より50人近く少なく、実数でみると170人近くも足りません。そのうえ、病院勤務医と診療所医師との比率は、いわき市は52:48、福島県全体では61:39、いわき市を除くと63:37です。

この63:37が全国の病院勤務医と診療所勤務の医師数の比率に近いのではないでしょうか。

つまりいわき市では、医師の絶対数が全国平均よりも170人不足しているうえ、病院勤務医が少ないのです。35万人都市にあって、救急車が病院にたどり着くのに救急隊が難儀する市になってしまっているのです。

広域市であるいわき市は、それぞれの地域に目配りしながら、適宜市立病院を配置して、民間病院や診療所と連携し、市民の医療を守り、安心して暮らせる市をつくるべきところ、3つあった市立病院をついに一つにしてしまいました。

地域の医療を安心できるものにし、医師がこの地域で生きがいをもって働きたいと思える地域をつくる最大の力はけっきょくは市民の意思であり、そして行政の姿勢です。

共産党はこのことをもっとも自覚的にとりくんでいる政党だと思います。

訪問/犬の散歩・コーヒー友だち/逆走押しつけ

午前、午後と、後援会のかたとご近所のお知り合い宅を訪問して歩きました。

犬の散歩友だちや、町内喫茶店でのコーヒー友だちもいたりして、楽しい訪問でした。

鳩山首相が迷走のうえの逆走の結果を沖縄に押しつける話を沖縄県知事と会ってしていたこともあり、あきれ果てるかた、怒りをぶつけるかたもいらっしゃいました。

新党が続々生まれてどうしたものやら、と思っている人も、どこも消費税は上げるとか「構造改革」は進めるとかばっかり言っていて、出自がみんな自民党であることは承知のうえでの「悩み」であることが少なくありません。

直接対話して初めて共産党の主張と姿を知っていただくことが多いのです。

消費者の権利

『[新版]消費者の権利』(正田彬著、岩波新書)を読みました。

1972年に刊行された前著の新版で、全面的に書き下ろしたものです。著者は昨年、本書出版の最終作業中、80歳で亡くなりました。

非食用の輸入事故米穀が食用として流通していた事件、輸入冷凍餃子の中毒事件など、消費者をめぐる食の問題ひとつとっても、消費者の権利を守ることが重要な課題になっている、と強烈な問題意識から書かれていることがわかります。

人間の権利の尊重は、現代社会の基本原則だから、行政がその権利の確立を考えた対応のしくみをつくる責任は言うに及ばず、そのためにも、人間の権利と事業者の権利をどう調整するかの発想ではなく、事業者による事業活動は人間の権利の尊重を前提として成り立つものでなければならない、と明快です。

消費者行政の基本は、消費者の四つの権利(①消費生活における安心・安全・自由の権利、②商品・サービスを正確に認識することができる表示をさせる権利、③価格の決定などの取引条件の決定に参加する権利、④情報化社会において消費者が必要とする情報の提供を受ける権利)を確保することにあることを、消費者の立場で、具体的に説得的に述べられています。

いわき9条の会/もうひとつの平和/12条/NPT

いわき市9条の会連絡会主催によるいわき9条の会5周年記念のつどいがありました。

メインは安斎育郎さんによる講演。テーマは「だまし博士が語る『もうひとつの平和への道』 ~国家が国民をだますとき」。

1940年生まれの安斎さんは東大原子力工学科を出た工学博士で、東大医学部助手を経て立命館大学経済学部教授・国際関係学部教授を務め、今は世界初の大学立の「立命館大学国際平和ミュージアム」の名誉館長です。

安斎総理大臣が生まれれば、「憲法で守る」安全保障政策を10の柱で進め、これを実現するためにも、「おカミ」や「ヒーロー」が最後はめでたく問題を解決することに安住してしまう「水戸黄門症候群」「鉄腕アトム症候群」を脱却し、国民の主体的な「不断の努力」を促す憲法12条の重要性を訴えられました。

講演に先立ち、ニューヨークでのNPT(核不拡散条約)再検討会議へ「核兵器のない世界を」求める署名を届け、要請行動のためにいわき代表として参加した高橋美樹さんの感動的な参加報告がありました。

樋口陽一さん/「政治主導」/「国民の意思」

「朝日新聞」(5月19日付け社会面13版)に、憲法学者の樋口陽一さんのインタビュー記事が載っていました。

樋口さんは、先月亡くなった井上ひさしさんと高校時代からの友人。井上さんの1981年のベストセラー「吉里吉里人」に憲法の考えが反映されていることに触れつつ、「人々が国家をつくり、権力を預ける。しかし勝手なことをさせないように憲法で縛る。それが近代憲法の考え」「政治主導とはつまり、選挙での多数派がすべてを決めて良いという考えです。そうあってはならぬというのが人類社会の知恵です」。

そしたら翌日の地元紙の投書欄にこんな意見がありました。

「大多数の国民が投票した政権が沖縄の負担軽減のために、一部負担をお願いしたいとしている以上…住民の意思とかかわりなく強行すべき…国民の意思が住民によって無視されるなら、民主国家でない」。

樋口さんの考えと対極にあると受け止めましたがしかし、こうした考えは、長年の自民党政治のもとで、「おカミのすることだから」「けっきょく何も変わらない」といったバリエーションがあっても、国民のなかに「定着」してはいないでしょうか?

私は、現行憲法を国民的規模で選び直す作業によって、こうした考えを乗り越える時期に入っていると思います。

あたたかい声援/「いい話」/若いお母さん/「あきれてる」

金曜日朝は、三方向からの車が交差するバイパスの昇降口での定時定点の街宣。

連日、それぞれの地域の後援会員が旗持ちに出てきてくれ、ほんとうにありがたいばかりです。通勤されるみなさんからの声援もあたたかい。

午前中は小名浜地域の8か所の街頭から訴え。3か所の公園にはゲートボールをしたり、子ども連れで遊びに来ていたり。みなさんに聞いていただきました。

ある場所では最初から最後まで聞きに出てきてくれるかた。「いい話だった、応援してるよ」と声を毛ていただきました。

午後も小名浜地域3か所で。ある公園では聞いていただいていた10人ほどのみなさんと対話。「福祉では共産党がいちばんだと思っている」という高齢者、「安心してあずけられる保育と安心して子育てできる政治にして」と若いお母さんたち。

別の公園では、お孫さんと遊ぶおばあさんが両手を振っての声援、また別なかたが話し終えると拍手。宣伝カーを5~6人の子どもたちが取り囲み、話し終えると握手攻めにあいました。

ある子は、「お母さんが、今の首相にはあきれてる、と言ってるよ」と教えてくれました。

森と海

『森が消えれば海も死ぬ[第2版]』(松永勝彦著、講談社ブルーバックス)を読みました。

1993年の初版で明らかにした森林の役割の考え方が全国に広がり、漁民が森を育てる活動の科学的根拠ともされている、とのこと。

それから15年以上が過ぎ、多くの研究成果を取り入れた改訂版です。

日本の沿岸域が、およそ1000kmにわたって海藻も育たない不毛の砂漠となった原因は、森林伐採が進み、残された森林も適切な間伐がなされていないこと、と指摘します。

そして、ダム、高速道路、新幹線などの建設により、多くの森林を伐採してきた公共事業の質を変え、太陽光発電、太陽熱、バイオマスエネルギー、雨水の利用、間伐、植林などの事業で雇用を確保する方向への転換を提起しています。

新聞配達/定時定点/メタボ健診/長生き小太り

朝4時半に起きて「しんぶん赤旗」日刊紙を配達し、きょうは8時前に終える「定時定点」の街宣。雨降りでしたが、地元の後援会員はレインコートを着込んで旗持ちに出てきてくれました。

車の助手席から腕がはちきれんばかりに手を振っていただくかた、ほんとうにありがとうございます。

きょうは自宅の都市ガス警報装置リース更新契約と、私の自動車運転免許証更新手続き。後日、更新時講習を受けることになります。

話変わって「メタボ健診」。内臓脂肪症候群対策に特化した「特定健診・特定保健指導」が始まって3年目に入っています。

健診の目的を住民の健康増進から医療費削減にした「小泉医療構造改革」によるものが続いているのです。

国基準の検査項目が減らされたので、自治体によりますが、検査項目が減り、受診率も低迷です。

いろいろ問題がありすぎますが、メタボ健診の第一の振り分けの基準のひとつがBMI(体格指数=体重kg÷身長m÷身長m)25以上という数値。

東海大学の大櫛陽一教授が神奈川県伊勢原市の40歳以上の住民2万2000人を平均7年間追跡調査したところ、BMIが25~26.9の人の死亡率がもっとも低く、18.5未満(やせ)がもっとも死亡率が高い、という結果でした。

大櫛さんは、「欧米ではBMI25~29.5は正常高値、30以上を肥満といいます。30少し手前の小太りがもっとも長生きというのが常識なのです」(「しんぶん赤旗」4月20日)と話していますが、このことを耳にしている人はけっこう多いのではないでしょうか。

科学的根拠に基づき、早期発見・早期診断・早期治療のための健診にもどすべきではないでしょうか。医療費削減のための「健診」など、もってのほかだと思います。