いわき9条の会/もうひとつの平和/12条/NPT

いわき市9条の会連絡会主催によるいわき9条の会5周年記念のつどいがありました。

メインは安斎育郎さんによる講演。テーマは「だまし博士が語る『もうひとつの平和への道』 ~国家が国民をだますとき」。

1940年生まれの安斎さんは東大原子力工学科を出た工学博士で、東大医学部助手を経て立命館大学経済学部教授・国際関係学部教授を務め、今は世界初の大学立の「立命館大学国際平和ミュージアム」の名誉館長です。

安斎総理大臣が生まれれば、「憲法で守る」安全保障政策を10の柱で進め、これを実現するためにも、「おカミ」や「ヒーロー」が最後はめでたく問題を解決することに安住してしまう「水戸黄門症候群」「鉄腕アトム症候群」を脱却し、国民の主体的な「不断の努力」を促す憲法12条の重要性を訴えられました。

講演に先立ち、ニューヨークでのNPT(核不拡散条約)再検討会議へ「核兵器のない世界を」求める署名を届け、要請行動のためにいわき代表として参加した高橋美樹さんの感動的な参加報告がありました。

樋口陽一さん/「政治主導」/「国民の意思」

「朝日新聞」(5月19日付け社会面13版)に、憲法学者の樋口陽一さんのインタビュー記事が載っていました。

樋口さんは、先月亡くなった井上ひさしさんと高校時代からの友人。井上さんの1981年のベストセラー「吉里吉里人」に憲法の考えが反映されていることに触れつつ、「人々が国家をつくり、権力を預ける。しかし勝手なことをさせないように憲法で縛る。それが近代憲法の考え」「政治主導とはつまり、選挙での多数派がすべてを決めて良いという考えです。そうあってはならぬというのが人類社会の知恵です」。

そしたら翌日の地元紙の投書欄にこんな意見がありました。

「大多数の国民が投票した政権が沖縄の負担軽減のために、一部負担をお願いしたいとしている以上…住民の意思とかかわりなく強行すべき…国民の意思が住民によって無視されるなら、民主国家でない」。

樋口さんの考えと対極にあると受け止めましたがしかし、こうした考えは、長年の自民党政治のもとで、「おカミのすることだから」「けっきょく何も変わらない」といったバリエーションがあっても、国民のなかに「定着」してはいないでしょうか?

私は、現行憲法を国民的規模で選び直す作業によって、こうした考えを乗り越える時期に入っていると思います。