南朝研究の最前線

日本史史料研究会・監修/呉座勇一・編『南朝研究の最前線』(洋泉社・歴史新書y)を読みました。副題は「ここまでわかった『建武政権』から後南朝まで」。南朝は、1336~92年の60年近く続いた南北朝時代、後醍醐天皇が吉野に樹立した朝廷です。

網野善彦さんの「異形の王権」が示した当時の知見が、どう継承されているかを知りたく、「南北朝、最新、新書」でネット検索したら出てきた本です。昨年(2016年)7月刊。そうすると、南朝の諸政策が鎌倉後期の「公家徳政」の延長にあること、南朝は武士たちに積極的に恩賞を与えていたこと、室町幕府か南朝の訴訟制度・恩賞政策に学んだ形跡があること、後醍醐天皇の信仰は、鎌倉後期の歴代天皇のそれをおおむね引き継いでいてその「異形」性には限界があること、人材面でも、鎌倉幕府-建武政権-室町幕府の三者の間でスタッフの連続性が明らかになり、南朝がけっして“歴史のあだ花”ではないことが、16人の気鋭の研究者によって解説されます。

歴史そのものも、時代や研究の進展によって徐々に明らかにされる面白さがあります。


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