公約ではなかった?/暴挙/アメリカいいなりの異常にメスを

鳩山首相は、“普天間基地を国外、最低でも県外へ移設”、と言ったのは民主党の代表としての言葉で、民主党の公約ではない、と言い出しました。

沖縄県民の思いを聞きたい、と言って4日には首相就任後初めて沖縄を訪問しましたが、要するに「沖縄のみなさんにも徳之島のみなさんにもご負担、ご協力願いないか」と伝えに行ったようです。

【徳之島移設反対1万人集会】

4月18日には徳之島で「徳之島移設反対1万人集会」が1万5000人の参加で行なわれ、25日には沖縄県内で9万人が参加した沖縄県民大会がありました。

【沖縄県民大会】

普天間基地の閉鎖・撤去を求める「思い」が明白に示された直後の首相の言動です。県民の意思を踏みにじる暴挙というほかありません。

いま日本の首相が取るべき道は、普天間基地を無条件でアメリカに引き取ってもらう対米交渉をすることです。アメリカ軍基地の行き先は、日本の首相が悩むことではなく、オバマ大統領に考えてもらうことです。

もっとも、民主党政権初の今年度予算では、米軍再編経費・米軍「思いやり」予算・沖縄に関する特別行動委員会(SACO)関係経費の合計額が過去最高の3369億円です。事業仕分けなど関係なし。

アメリカいいなりの異常な政治にメスを入れなければ政治は変わらないことが証明されたと思います。

写真とグラフはいずれも「しんぶん赤旗」のホームページから。

欠陥「国民投票法」

『欠陥「国民投票法」はなぜ危ないのか』(隅野隆徳著、アスキー新書)を読みました。

「国民投票法」というのは、「日本国憲法の改正手続きに関する法律」、要するに「改憲手続法」のことで、今月18日から施行されます。

07年5月、自民・公明だけで強行採決したもので、当時の安部晋三首相が「憲法改正を5年以内に行う」とするスケジュールにあわせたものでした。

ところがこの法律は、法案に不備があるときにしばしば行われる附帯決議が18項目も付くほど欠陥だらけです。

最低投票率が規定されていないので、たとえば投票率が40%とすると、無効票がまったくなかったとしても有権者の21%の賛成があれば改憲です。

「国民投票における過半数」が「賛成票と反対票の合計の過半数」とされるため、白票などは無効票とされるので、理論上はもっと少ない賛成で改憲実現です。

公務員や教育者の「地位利用」規制の問題もあります。テレビ、ラジオでの有料コマーシャル放送を投票期日2週間前までは自由です。資金力に物を言わせて世論誘導が可能、ということです。

附帯決議で必要とされた検討もされず、ほかにもいろいろ問題点が未検討のままで、施行されても運用できる状態ではありません。

私は「この国の主権者である国民一人ひとりが、九条を持つ日本国憲法を、時分の物として選び直し、日々行使していく」(04年6月10日「九条の会」アピール)ことこそ、今いちばん大事なことと思います。

ちなみに著者は、「憲法改悪阻止各界連絡会議」の代表委員で、今年1月の日本共産党大会で来賓あいさつされたお一人です。