生ききる

『生ききる。』(瀬戸内寂聴・梅原猛著、角川oneテーマ21)を読みました。

86歳の梅原さんが、89歳の寂聴さんのご自宅を訪れて、4回にわたってじっくり語り合った対談です。

テーマは、東日本大震災と人災である原発事故から、日本の歴史や文化を考察し、これからの日本人の生き方、自然の恩恵に感謝する文明の創造です。

「私たちは死を前にしている。他に恐ろしいものはない。それで言うべきことははっきり言い、すべきことはさりげなく笑ってしよう」が対談の締め。

合わせて175歳の2人が、大震災という難局を乗り越え、希望を見出すために、迫力すら感じる、勇気が染み出てくるような本です。

電力は足りる

『原発がなくても電力は足りる!』(飯田哲也監修、宝島社)を読みました。

原発の「安全神話」が完全崩壊したと思ったら、今度は「原発がなければ電力不足で日本はダメになる」とばかりに「電力不足キャンペーン」が始まりました。

「安全神話」によって、電源は原発しかないかのように刷り込まれてきた心には、このキャンペーンはたいへんに親和的です。「安全神話」と「電力不足キャンペーン」は表裏一体です。

本書では、「節電要請&電力使用制限」「原発がないと電気料金が月1000円上がる」「原発ゼロで企業が海外逃亡する」「原発は最も安い発電方式」「自然エネルギーは高コスト」の5つのウソを検証しています。

そして、原発に依存し続けると、日本のエネルギー需給はむしろ危機に瀕することを示します。