新しい政治の探求(「かけはし」7月号)

   参議院議員選挙でみなさんにご支援いただきながら、日本共産党は、比例代表では改選4議席から3議席に後退し、東京選挙区で小池あきら候補の議席を得られませんでした。残念でなりません。

 多くのみなさんからのご支援を、議席と得票に結びつけられなかった共産党の力不足はおわびするほかにありません。

  それにしても、今回ほど、有権者のみなさんが悩みに悩み、模索するなかでの選挙はなかったのではないか、と思います。

 街頭や商店街などで対話をすればするほどその思いを強くしました。

 「ウソつき政治をされては、選挙そのものに疑問を持つ人も出てくる。有権者の質も試される時代に入った」

「今度は民主党にぜったい投票しない。かといって、新党もボコボコ生まれ、どこに投票したらいいのかわからない」。

 消費税増税が「唐突」に菅総理から出されたあとは、「民主党も庶民の暮らしをまったく知らない。信用ならない」

「自営業だが、消費税をお客さんに負担してはもらえない。5%でもたいへんな思いをしている」

「志位さんが、消費税が大企業減税の穴埋めでしかないと言っていた。それが真実じゃないか」

 普天間基地の問題では「アメリカとちゃんと向き合って交渉すべき。沖縄の人たちが気の毒だ」

 「共産党が言っていることがいちばんまともだと思う」

「共産党以外の党が話を聞きに来たり、街頭で訴える姿を見ることがない。それなのに、なぜ自民か民主か、なのか」

「自民にもどることはないが、民主はもっとひどい。選挙には行くまいとも思ったが、話を聞いてそういうわけにはいかなくなった」

  自民党政治に代わる新しい政治を、みなさんといっしょに探求したいと思います。

力強い励まし/生協病院/平和レストラン/小名浜港

けさの定時定点はバイパスと県道が交差するところ。

参院選公示前とくらべて、どこの場所でもしっかりと手を振っていただくかたがいて、「応援してるからしっかりがんばれ!」と力強く励まされるようです。ほんとうにありがたく思います。

きょうは小名浜生協病院に寄り、職員のみなさんにごあいさつ。ちょうど「平和レストラン」の日でした。職員の「平和委員会」の呼びかけで、毎月、各職場持ち回りで「営業」しています。収益は原水爆禁止世界大会への職員派遣費用などにあてられます。生協病院に固く根づく「伝統行事」のひとつです。

ちょっと小名浜港にも立ち寄ると、ちょうど遊覧船「ふぇにっくすJr.」が出航の時間でした。

定時定点/本とのつき合い/心の糧

けさも定時定点に立ちました。

地元の後援会員お二人が出てきていただけるので、欠かすわけにはいきません。

朝8時には営業開始の事業所のまん前なので、その5分前には終えるようにしています。

近所の事業所からの廃棄物収集を朝からしている車からの声援、毎回、身を乗り出して手を振ってくださるかた、クラクションを鳴らしていったくださるかた、いつもほんとうに励まされます。

ところでみなさんは、「本」とのおつき合いはどうされているでしょうか? 私の場合、「この本は必ずすぐに読むぞ」と決めた本を購入し、なるべくすぐに読むようにしています。

かつては、「これは読みたいなぁ」と思った本を買い続けていたのですが、これはダメです。なにがなんでも読んで自分の心の糧にしたい、とかたく思う本でないと、けっきょく「つんどく」ばかりです。家計的にもよくありません。

病院赤字、医師は疲れ果て/受診は社会保障

『なぜ、病院が大赤字になり、医師たちは疲れ果ててしまうのか!?』(「日本の医療を守る市民の会」編・本田宏監修、合同出版)を読みました。

執筆陣は、医療関係者だけでなく、患者の立場・子どもの親・医療事故の当事者の立場にある人びとをふくめ25人。それぞれの立場から「医療をつくり変える33の方法」を提言しています。

病院勤務医不足に象徴される現在の「医療崩壊」の実情、医療保険制度のしくみと医療崩壊の関係、医療費への税金投入の少なさ、医療事故・紛争の実情と患者と医療者との関係のありかた、医療制度と地域医療を守る市民のありかた、など、日本の今の医療現実の全体像がわかるのではないでしょうか。

注目したのは、神奈川県の医師、歯科医師が中心になって07年1月に始められた「窓口負担をゼロにする運動」。「受診時に経済的なことを心配せず、病気という理由でのみ受診できる社会」「ヨーロッパ諸国のように受診時の負担を原則ゼロとする」ことは、健康保険法の趣旨を取り戻すことでもある、とのこと。

受診することが商品を買うことと同等と思わされている患者と医師。社会保障は国民の権利であり国の義務。この矛盾は政治が解決すべきだと私は思っています。

運転席の窓を開け/政治報道のありよう

けさは福島高専近くの街道沿いの定時定点。

その場所に近づくと、運転席の窓を開けて手を振っていただくかた。「あっ、おはようございます」とごあいさつしますが、ほんとうに力づけられます。

参院選挙結果を受け、党内でも率直な感想、意見を出し合い、次にどうつなげるか、とかんかんがくがくと議論しています。

「消費税増税にきっぱり反対の姿勢は共産党だけだが、有権者の多くは今の暮らし、とりわけ不安定雇用の問題に共産党がどう応えてくれるのか、伝えきれなかった」、「共産党の言うことがいちばん正しいが、党名のイメージが、と言う声に答えるには時間が必要だった」、「共産党が選択肢の埒外だった人たちから、日本に共産党の存在は不可欠だ、と聞かされた」、「増税の前にやることがある、というワンフレーズは、そのうち増税する、と言っているに等しいが、有権者にはかなり受けた」、「選挙結果はけっきょく、マスコミの事前予想のとおりで、そのマスコミはいったいどんな働きを政治的にしているのか」、などなど。

マスコミの政治報道のありようは、有権者の投票行動を強く規定することは間違いなく、そこに政治的意図が介在するなら、権力はマスコミがつくりあげ、マスコミが支える構図になりかねません。

担任の先生/お疲れさん会/アイナメ刺身

けさは小名浜の定時定点の街頭から訴え。医療生協の職員後援会員がいっしょでした。

手を振っていってくださるなかに、高校時代の担任の先生が!

実はこの1年間に2度ご自宅におじゃましていて、「朝、あそこで話している姿を見てるぞ」と言われていたのでした。今回初めてお顔を確認! ありがとうございます。

平地域のある党支部で、昼食をはさんだ「参院選お疲れさん会」がありました。敗戦前後の体験話、敗戦後の日本がたどった歴史をもっと学びたい、といった話、手作り料理の食材や料理法をめぐる話などに花が咲きました。

ところで夕べのわが家の食卓にはアイナメの刺身が並びました。妻が実家に野菜の調達に行ったところ、つれたばかりのアイナメをいただきました。

この魚の刺身を食するのは私はたぶん生まれて初めて。至高の食感と味。

きのう「梅雨明け」/訪問/真夏日/「がんばってね」と

東北地方はきのう「梅雨明けしたとみられる」と仙台管区気象台が発表しましたが、ここいわきは、きのうに引き続き、朝から日差しが強い一日でした。

きょうもお昼をはさみ、地元の後援会員のお知り合い宅をたずねて歩きました。平地域北部の農村部や、山を切り拓いた住宅地でしたが、緑が多い地域でもあり、さわやかな風がささやかに吹いてくれるものの、汗がにじみ出てくる暑さに違いはありません。

車で移動しましたが、車外気温の車内の表示は36度。まさかそこまでは、とは思いますが、30度を超えた真夏日であったようです。

「応援してますよ」、「がんばってね」と励まされる訪問でした。

日米核密約/条約上の権利

『日米核密約 歴史と真実』(不破哲三著、新日本出版社)を読みました。

2000年春、機密が解除されたアメリカ公文書から「核密約」本体と関連文書を見つけ出した著者は、その文書群を政府にすべて示し、党首討論という国会の場で、真相解明を求めました。

当時の政府はこれを無視することを決め込み、「政府としてこれを責任をもって論じうるものではない」(小渕首相)とし、「核持ち込みは事前協議の対象だ、軍艦や飛行機での持ち込みも例外ではない」との答弁を繰り返しました。

いまや、日本政府自身が、「核密約」の本体である「討論記録」を「不公表とすることとして両政府間で作成された合意文書」と認めるに至りました(志位和夫委員長の「質問主意書」[2010年3月17日]にたいする政府の「答弁書」[3月30日])。

こうして民主党政権は、文書の存在を認めたものの、それを「核密約」とは認めず、もはや過去の問題で「核密約」は廃棄しない、つまり存在を黙認し続ける態度をとっています。

民主党が「核密約」を認めようとしない根拠が、「有識者委員会」の「報告書」(3月9日発表)でした。「報告書」では、「核密約」の交渉経過にきわめて一面的な解釈を加えて、「討論記録」は「核密約」ではないと断定したのです。

この見解がまったく誤っていることは、当時の米外交文書(1958年10月4日付および59年6月20日付のマッカーサー駐日大使の手紙)が証明してくれています。

「核密約」とは、日本政府が、アメリカにたいして、核兵器を積載した艦船および飛行機を、事前協議なしに日本に出入りさせる権利を、条約上の権利として認めたものです。

訪問/意外な出会い/個性的な家屋や庭

地元の後援会員と「しんぶん赤旗」読者やサークル仲間などのお知り合いを訪問しました。

息子どうしが中学校時代の部活仲間だったり、親が医療生協のショートステイを利用されたかただったり、以前にまったく別なことでお会いしていたかただったり、私の高校同級生が隣組だったり、意外な出会いがあって楽しい訪問でした。

3連休で、首都圏からお子さん家族が帰省されているお宅もあれば、新聞がポストに入ったままでお留守のお宅も。

家屋の形も庭の様子も個性的な住宅街で、歩いているだけでも楽しく癒される思いでした。

ただ、日照りが強く、家にもどると汗びっしょりで、全部着替え。この時期はいつもこんな感じ。

障害者総合福祉法/前政権路線推進への懸念

『どうつくる? 障害者総合福祉法』(障害者生活支援システム研究会編、かもがわ出版)を読みました。

今年1月7日、新年早々でしたが、障害者自立支援法違憲訴訟の原告と長妻厚生労働大臣との間で、裁判の和解のための「基本合意文書」が結ばれました。

新たな障害者施策を検討するための起点となった合意であり、自立支援法に変わる法律の策定を明記している点で、画期的です。

本書では17人の執筆陣が、障害者の権利保障を基点に据え、障害者の就労・所得・医療保障など、サービス給付にとどまらない福祉サービスの関連領域にも目配りし、なおかつ、介護保険や保育制度などとの関連も視野に障害者施策の将来像を論じています。

民主党政権が、自公政権の路線を変えるどころか引き継いで、むしろ推進している姿勢への懸念は、具体的だけにきわめて重要だと思います。