毎日激励/民意削減/政党助成金廃止こそ

けさも、福島高専近くの街道沿いで「定時定点」の街宣。

通勤するみなさんが信号待ちで停止する場面がしばしばの場所なのですが、冷房中であろう車の運転席の窓を開け、顔を出して声をかけてくださるかたも。手を振ってくださるかたも少なからず、毎日、激励される日々です。

参院選後に気になるのが、「国会議員定数を削減すると各党が約束したんだから、やるべきだ」と、報道番組のキャスターやコメンテーターがいかにもこれだけが正論であるかのように言い出していること。

たとえば民主党が言っているのは、「衆院比例80削減」です。

国民の暮らしを守るために仕事をしない議員を選出しなければいい問題を、「議員削減」すればいい、とすりかえることで、そもそも人口当たりで少なすぎる国会議員数の問題を隠し、多様な国民の意見を反映させる比例代表を削ることは、本質的には「民意の削減」です。

要するに、「消費税増税に頼ることなく、大企業・大資産家への大盤振る舞いの減税策をやめ、年間5兆円にのぼる軍事費を縮減し、年間320億円の政党助成金はただちに撤廃」といった声は国会に届かなくていいという考え。

国会議員80人削減で56億円削減できるから、それをしてから消費税増税を、というわけですが、年間320億円にのぼる政党助成金を廃止することこそ、ただちにすべきことではないですか?

歴史と学問と現代の一面/刺激的/書名

『歴史・科学・現代』(加藤周一対談集、ちくま学芸文庫)を読みました。

1973年に平凡社から刊行された本が今月、文庫化されて発売されました。本屋さんに行ったら、手に取ってしまい、半ば衝動買いです。

対談している時期は1966年~72年で、私が小学生から中学生になる頃です。時代的には70年安保、沖縄返還、ベトナム戦争反対運動、「建国記念日」、大学紛争、東京・大阪での革新知事誕生、アメリカ大統領訪中などがありました。

対談の相手は丸山真男、湯川秀樹、久野収、サルトルなど8人。加藤さんを含め、大半が故人です。

だいたい、この本を衝動買いした要因は湯川秀樹が入っているからですが、彼との対談は二つ収められていて、一つは江戸時代に30代で亡くなった富永仲基に関してで、もう一つが科学と芸術の関係について。

ともかく、当時の編集担当をされた鷲巣力氏が「解説 対談集の愉悦」を書いているのですが、当時はそれほどの売れ行きにはならなかったそうです。

その理由の一つに「対談集にしては内容が濃く、昨今の対談集ほどには気軽に読めないことである」をあげていて、「今読めば内容の濃さに驚く読者もいるに違いない」と言うのですが、確かに。

じっくりと、問題意識をもって読めばこのうえない刺激的対談だと思います。

加藤さんの「あとがき」では、この対談集が「歴史と学問と現代の一面に触れたもの」とあります。編集担当者は「加藤の関心が、一方で『歴史』に向かい、もう一方で『現代』に迫り、たえずそのあいだの往復運動をし」、「その往復運動をつなぐのは科学的な思考と方法である」と考えて、書名にしたそうです。