歴史と学問と現代の一面/刺激的/書名

『歴史・科学・現代』(加藤周一対談集、ちくま学芸文庫)を読みました。

1973年に平凡社から刊行された本が今月、文庫化されて発売されました。本屋さんに行ったら、手に取ってしまい、半ば衝動買いです。

対談している時期は1966年~72年で、私が小学生から中学生になる頃です。時代的には70年安保、沖縄返還、ベトナム戦争反対運動、「建国記念日」、大学紛争、東京・大阪での革新知事誕生、アメリカ大統領訪中などがありました。

対談の相手は丸山真男、湯川秀樹、久野収、サルトルなど8人。加藤さんを含め、大半が故人です。

だいたい、この本を衝動買いした要因は湯川秀樹が入っているからですが、彼との対談は二つ収められていて、一つは江戸時代に30代で亡くなった富永仲基に関してで、もう一つが科学と芸術の関係について。

ともかく、当時の編集担当をされた鷲巣力氏が「解説 対談集の愉悦」を書いているのですが、当時はそれほどの売れ行きにはならなかったそうです。

その理由の一つに「対談集にしては内容が濃く、昨今の対談集ほどには気軽に読めないことである」をあげていて、「今読めば内容の濃さに驚く読者もいるに違いない」と言うのですが、確かに。

じっくりと、問題意識をもって読めばこのうえない刺激的対談だと思います。

加藤さんの「あとがき」では、この対談集が「歴史と学問と現代の一面に触れたもの」とあります。編集担当者は「加藤の関心が、一方で『歴史』に向かい、もう一方で『現代』に迫り、たえずそのあいだの往復運動をし」、「その往復運動をつなぐのは科学的な思考と方法である」と考えて、書名にしたそうです。

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