介護保険料/合併住民の負担増/自治体分割

県内市町村の今年度から3年間の介護保険料月額基準額が、先月末に明らかになりました。

各市町村「まかせ」が介護保険制度の基本なので、県平均はあまり意味がないかもしれませんが、県平均は4,705円。この制度が始まった当初(2000~2002年)は2,378円でしたから、1.98倍、ほぼ2倍です。

5,000円を超えたのが、福島市(5,100円)、白河市(5,100円)、磐梯町(5,093円)、西郷村(5,495円)、飯館村(5,703円)の5市町村です。

福島県は、介護保険開始時は90市町村でしたが、「平成の大合併」により今は59市町村です。

たとえぱ今の福島市は福島市と飯野町が合併しましたが、介護保険料は旧福島市住民にとっては00年に対してほぼ2倍、旧飯野町住民はほぼ2.5倍です。

また白河市は、白河市・表郷村・東村・大信村が合併しましたが、旧白河市は2.1倍、旧表郷村は2.3倍、旧東村は2.6倍、旧大信村は2.9倍です。

合併で広域化して市になって、旧町村住民は負担がより増えてしまいました。

住民に身近な自治体の存在こそが大事なのではないでしょうか。これからは、住民にとってなんの益もない合併を見直し、自治体分割こそ必要なのではないでしょうか。

医療保障/現行制度の消極面・弱点の克服

『誰でも安心できる医療保障へ』(二宮厚美・福祉国家構想研究会著、大月書店)を読みました。

副題に「皆保険50年目の岐路」とあります。

私は今回の震災ほど、医療が住民にとってなくてはならないものであることを如実に示したことはない、ぐらいに思っています。

本書の「序」が言うように、「医療はそれ自体が防災機能を有するわけではなく、緊急対策時において中心舞台の役割を果たすわけではない。だが、被災直後の地域・住民にとって医療はどこでも生存権保障の最前衛部隊をになった。同時に、無事生き延びた人々全員にとって、医療はラスト・リゾート(最後の拠り所)であった。避難先には、いつでもどこでも医療のスタッフ・設備が不可欠であった」。

自然災害と原発人災が重なったことで、医療のこうした面が浮き彫りに見えましたが、実は「医療は人生のあらゆる時間と場所、一日二四時間のいついかなるときにも、人間の生存に必需」なのです。

こうした医療が憲法25条に基づいて、福祉国家型医療保障として、現制度の消極面・弱点を克服するにはどうするか、その展望をはっきりと示してくれます。

もちろん、国民による「たたかい」なくしてその実現はありえません。