新聞切抜き・処分/冷温停止/言葉のトリック

昨年11月の県議選直後ぐらいからの新聞3紙がたまってしまい、切り抜きと処分をしました。

毎回、1日がかりなので、新聞の読みかた・処分法は課題なのですが、改まらないまま今に至っています。

原発の「冷温停止状態」の件です。もともとこの言葉は専門用語で、運転していた原発を停止したあと、原子炉圧力容器内の水温が100度以下に保たれていることを言います。要するに、健全な原発で正常に運転を停止するさいの状態をさしていました。

ところが今回、炉心溶融という異常事態の原発にあてはめて、圧力容器底部の温度が100度以下で、放射性物質の放出が抑えられていることを基準としたのです。

圧力容器底部にどれだけの燃料が残っているのかもわからず、汚染水を通してどれだけの放射性物質が放出されているかもわからないのに、です。

核燃料化学が専門の元中央大学教授の舘野淳さんは、「『収束』は言葉のトリック」と「しんぶん赤旗」のインタビューで断じています。

原発利益共同体/補償・賠償・除染の責任と義務

『原発にしがみつく人びとの群れ』(小松公生著、新日本出版社)を読みました。

著者は日本共産党政策委員会の政治・外交委員。副題が「原発利益共同体の秘密に迫る」。

あの震災後、「『こころ』はだれにも見えないけれど、『こころづかい』は見える」のコマーシャルがテレビを席巻しました。スポンサーである企業がのきなみ自社CMを自粛したことがその理由であることはよくわかります。

このCMは「ACジャパン」によるものでしたが、正会員リストを見ると、日本経団連、経済同友会、日本商工会議所の財界御三家はじめ、日本の主要な経済・業界団体が名を連ね、“大企業の、大企業による、大企業のための広告機関”であることがわかります。

そして本書では、財界・政界・官界・学界・マスメディアの「原子力村のペンタゴン(五角形)」、別名「鉄の五角形」の奇怪で醜悪な利権構造をえぐり出します。

これらの共同体には、原発事故に伴ういっさいの補償・賠償・除染のための費用を負担すべき責任と義務があります。