被災地にネコ・ツバメ・マスコット/被災体験を口に

きのうに続き、医療生協組合員宅を訪問しました。

午前中は、東京民医連の事業所職員と浜通り医療生協職員との3人で豊間(とよま)地域。津波の直撃を受け、家屋が流失したり、「解体承諾」の張り紙をしているお宅が大半でした。

豊間地域災害対策本部に寄ると、市内に避難されているみなさんは十数か所の避難所に分散されている、とのこと。

全壊家屋内にすわる猫、解体予定家屋にはツバメの巣、全壊の保育所前にはどなたかがマスコットを並べていました。

午後も同じメンバーで江名(えな)地域へ。津波で床上浸水の被害を受けたお宅では、入口がいまだに流されてきた2台の車や家屋ガレキにふさがれ、お隣りの家の敷地を通っての出入りでした。

ほかのお宅は海岸から離れていたり、やや高台で津波の直接の被害はありませんでしたが、敷地内に亀裂が入り、一方が地盤沈下し、「立入禁止」とされた家屋があります。

そのすぐ近所には築80年のお宅に92歳と90歳のご夫妻。家屋への目立った被害もなく、「足腰が不自由で避難所へ行くわけにもいかないし、原発事故で避難もしない。ここがいちばん落ち着く。近所のみなさんなどが水や食料などを持ってきてくれ、ほんとうに助けられた」と。

高台の自宅で津波が襲ってくる様子を目の当たりにしたかた、大地震の直後に庭に飛び出して身動きできなかったと恐怖を語るかた、原発事故後の避難生活のつらさや不安を語るかた、ともかくこの間の体験をとにかく口に出しておきたい、というみなさんの心のうちを見る思いです。