「どうなるの?」/放射線量の発表

訪問して歩く先で、顔をあわせるなり「どうなるの?」がほぼ間違いない第一声です。

原発事故や放射能汚染のことです。

最近になって、「1年間に1ミリシーベルト」が一般の人たちの線量限度であることが「正しく」言われ始めました。一方で原子力安全委員会が5日、「20ミリシーベルトに引き上げるべきか検討を始めた」という話が出てきました。

これまでは、各地の環境放射線測定値が発表されると、「目安として、1回の胃のエックス線検査で受ける放射線量は600マイクロシーベルトです」といったことや、「現在の数値はただちに健康に影響はない」とよく聞かされました。

けっきょく、はっきりしていることは、今回のような原発事故はぜったい起こらないので、そのときの対策は考えない、というこれまでの国策です。

ともかく、被ばくする放射線量について、「いっぺんに被ばくした場合なのか、累積した被ばく線量なのか」、「空気中からの外部被ばくだけの線量なのか、水や食料や吸引を通した体の内部からの被ばくも含まれる線量なのか」、「その数字が出た場合に私たちはどんな行動が必要なのか」、こういうことがわからないデータ公表は、「まだ大丈夫、まだ大丈夫」と言っているだけに聞こえて、「じゃ、あしたはどうなるの? けっきょくどうしたらいいの?」の不安をかきたてるばかりです。