配達中止/井戸水をトイレ用に/被災予防/安全神話

【永崎・大平川橋決壊】

【江名・江の浦】

けさの一般紙2紙の折り込みチラシは新聞店による配達中止のお知らせ。

社員・配達員の被災・避難、原発災害による健康被害防止、ガソリン枯渇が理由です。いますべての事業所、住民がこうした事態に直面しています。

近くの小学校に、津波で家を流された医療生協職員家族が避難してきている、と聞き、見舞いに行きました。私も2日前にまったく家がなくなっている現場をシカと目に焼きつけていた職員です。

いっしょに仕事をしていた人であり、家族全員がぶじで、ほんとうによかった!

妻の実家に寄り、畑用の井戸水をもらってきました。トイレ用です。とにかく水道復旧の見込みがなく、そのうえ原発震災で外に出ることは控えなければなりませんから、もうたいへんです。

【小名浜四倉線・沼の内】

それにしてもいわき市に住んでいる以上、少なくとも被災を軽減・予防する知恵を活かすためにも、今回の災害を後世に残さねば、という気持ちが先走るので、海岸沿いの平沼ノ内・豊間、江名・永崎と見てまわりました。

【波打つ小名浜四倉線・沼の内】

【平豊間兎渡路】

国際競争力だとか自己責任だとか、こうした事態のもとで言っていられますか? 住民の福祉こそ政治と行政の最優先の課題だ、ということこそはっきりしているのではないですか?

原発震災では、事業者から「事象はありましたが心配ありません」「安全です」「健全性は保たれています」と聞かされるばかり。政府も「事業者から問題ないと報告を受けています」。

何があっても安全だ、という「安全神話」が崩壊している事態に至っても、住民の福祉よりも神話に縛られているというほかないと思います。

大地震の日から5日間、水がないために風呂にも入れず、頭も洗えず、節水の極限です。

放射能から身を守るには

原子炉から放射能が放出されてしまったら、私たち自身が自分で身を守らなければならなくなります。とくに子どもと妊婦(胎児)を放射線被ばくから最優先に保護しなければなりません。年齢が低くなればなるほど放射線被ばくの影響が大きくなるからです。

被ばくを軽減するための一般的な注意

放射能雲は、ガス状のものと1000分の1ミリ程度の超微粒子で成り立っています。超微粒子は触れるものすべてに付着するので、呼吸で吸い込んだ場合はすべて肺に残ると考えなければなりません。したがって、自分の住居が放射能雲の通路に当たると考えられる場合は、緊急避難が必要な場合も、そうでない場合も、次の措置が肝要です。

①窓を閉め、すき間を目張りして家屋を気密にする。ビルなどの空調は止める。日本様式の家屋は気密性が悪いので、その場合はできるだけ気密のよい家屋に避難させてもらう。

②市役所が保管しているヨウ素剤を指示に従って服用する。

③放射能雲に巻き込まれている間とその後しばらくは、屋内でも何枚も重ねた濡れタオルをマスクにして、直接空気を吸わないようにする。また、できるだけ家屋の奥、つまり外部とひとつでも多くの壁で隔てられているような場所がよい。2階よりも1階、1階よりも地下室があればもっとよい。窓のそばに長くいるのは禁物である。

④ありとあらゆる容器に飲料水をためる。風呂桶を洗って水で満タンにする。すべてにフタをきちんとする。これらは当座の飲料水である。保存食をできるだけ確保する。

⑤放射能雲に巻き込まれている間は外出を控える。もしどうしても外出する必要が生じたときは、帰宅後、衣服を着替え、脱いだものは屋外に廃棄する。

⑥放射能雲が到着したあとは、井戸水はもちろん水道水も飲まないほうがよい。

⑦雨や雪が降っている場合は特別な注意が必要である。浮遊している放射能超微粒子は雨や雪に付きやすく、雨粒や雪には上空から地上までの広い範囲の放射能が濃縮されているからである。雪が積もった場合は、それがとけるまで放射能はそのままの状態で固定されているが、雨の場合も雪の場合も、降らない場合にくらべて数十倍も地面汚染が強いと考えておかなければならない。衣服についた雪は払うこと、水たまりには近づかないことなどの注意が必要である。