いのちの山河/ポレポレ映画祭

大沢豊監督映画・日本の青空Ⅱ「いのちの山河」試写会に参加しました。

映画は、岩手県旧沢内村で1957(昭和32)年から食道がんで亡くなる1965年まで村長を務めた深沢晟雄(まさお)の村政を描いています。

幸福のみなもとである健康、「いのち」に格差があってはならない、という信念のもと、村民の「豪雪・病気・貧困をなくしたい強い思い」を村民との「行脚と対話」でつかみとり、憲法25条を村民といっしょに実践する物語です。

同時に私は、「公務とは」「公務労働とは」「公務員とは」をきびしく問いかける映画だと思います。税金で働く公務員を減らせばいい、と言っている場合ではありません。住民に寄り添う大多数の公務員と、保身に走る「高級官僚」をいっしょくたにした「公務員バッシング」は大間違いだと思います。

この映画、いわき市内唯一の映画館「ポレポレいわき」が初企画した「ポレポレ映画祭」で上映されます。

期間は2月12~18日。期間中は「ZERO:9/11の虚構」、「シングルマン」、「終着駅 トルストイ最後の旅」も上映されます。

前売券大人1000円(当日券1500円)、小中学生800円(前売券なし)で、映画祭対象作品4本が鑑賞できるそうです。

お問い合わせは浜通り医療生協組織部(0246-92-3099)、ポレポレいわき(0246-22-3394)。

高齢者医療

『長寿を喜べる高齢者医療制度を!』(寺越博之著、日本医療福祉生協連合会「虹のブックレット」No.95)を読みました。

厚生労働大臣主宰の「高齢者医療制度改革会議」が昨年8月20日にとりまとめた「高齢者のための新たな医療制度等について」(中間とりまとめ)に基づいて、その内容と問題点を明らかにするのが本書の目的です。

「改革会議」は昨年12月20日に「最終とりまとめ」を公表していますが、基本は「中間とりまとめ」となんら変わりません。

民主党が09年の総選挙で「廃止」を公約し、政権交代後も「年齢でもって差別する信じられない制度」(鳩山前首相)と言っていた後期高齢者医療制度はいまだに続いています。国民との約束を守れないことがほんとうに信じられない政権です。

その「信じられない制度」は医療費を削減する目的で自公政権時代につくられたわけですが、その手段とされたのが「医療給付と負担のリンク化」。要するに「高齢者の医療費がふくらんだら、高齢者自身が負担せよ。負担がいやなら医療にかかるのは我慢せよ」というしくみです。

「社会保障は負担能力に応じて負担し、必要に応じて給付するもの」という国自身が言っていることを否定し、憲法25条が国に命じる「社会保障の向上と増進」に真っ向から反するしくみです。

ところが民主党政権は、後期高齢者医療制度の最大のこの問題点を「一定の利点」と評価して、「新しい制度」の骨格にすえる姿勢です。

しかもこれをテコに、保険税(料)の大幅アップ、市町村独自の減免制度が後退させられかねない「国民健康保険の広域化」へ進めようというねらいです。

政治理念を持たない民主党政権は、政局が危ういどころでなく、国民生活を自民党時代以上に危うくする可能性大です。