『炭鉱に「強制連行」された朝鮮人』(龍田光司著、いわき革新懇ブックレット3)を読みました。副題は「いわきから韓国を訪ねる」。
いわき市はかつて、出炭量が402万トン(1952年)を記録するほど石炭で栄えた地です。この産業を支えた鉱夫の中に、戦時中は2万人を超える朝鮮人がいました。戦時労働動員=「強制連行」された人びとです。
「設備の不完全な職場に昼夜なく酷使し、ついに惜しむべき青春を若死にさせた」(市内の性源[しょうげん]寺の「朝鮮人労務犠牲者の碑」)若者を含め、その犠牲者は少なくとも298人にのぼり、帰国した生存者たちのなかには今も後遺症に苦しむ人がいます。
いわき市は、「戦争の時代に、多くの朝鮮人の悲哀をもとに、『栄えた』炭鉱の町」(あとがき)と言えるかもしれません。
著者たちは、サークル「平和を語る集い」で25年前から「平和のための戦争展」を企画し続け、5年前からアジア諸国への日本の「加害責任」を考えるようになった、とのこと。
聞き取り調査は、韓国での生存者や遺族に及び、すでに韓国訪問は5回を数えています。
「韓国・朝鮮」をはじめとするアジアの人びととの交流と連帯をの輪を広げるにはなにが必要か、深く考えさせられます。
頒価500円。ブックレットのお問い合わせは、くらしと平和を守るいわき革新懇話会(いわき革新懇℡0246-23-0488伊東)まで。