責任ほおかむり/消費増税大合唱

「国民が聞く耳をもたなくなった」といって鳩山さんが首相を辞任し、菅首相は「普天間と『政治とカネ』の…二つの重荷を、鳩山首相自ら辞めることということで取り除いていただいた」と、副総理・財務相として政権を支えてきた共同責任にはほおかむり。

それでいて普天間の「日米の合意を踏まえ」るとし、鳩山さんと小沢さんの「政治とカネ」問題は真相にフタをしたままにして「クリーン」を強弁。

そして新閣僚たちからは消費税増税の大合唱。

政権交代前に、自民・公明政権のもとで、2002年以降、庶民には年間13兆円を超える負担を押しつける一方で、消費税を5%に引き上げた1998年以降、大企業・大資産家には年間8兆円を超える減税をしたしくみはそのままにしての話です。

献金をもらえる財界にはモノが言えない自民党政権時代と何も変わらない姿がいよいよ鮮明なのですが、その姿が庶民に伝わっているのでしょうか? 責任の所在はどこなのでしょうか?

そんな思いでけさの定時定点街宣を終えると、「きょうはいつもより力がこもっていたわね」と。きょうの写真ではありませんが、ちょっと前の同じ時間・同じ場所です。

内部留保

『内部留保の経営分析』(小栗崇資[おぐり・たかし]・谷江武士[たにえ・たけし]編著、学習の友社)を読みました。

専門書ではなく、「誰もが内部留保分析ができるようになることをめざし」て、やさしく書かれた本です。

第1部で会計や財務諸表の仕組み、経営分析について書かれていますが、内部留保分析に必要な点にしぼって解説されていて、90年代末から導入され始めた新しい会計基準の概要を知ることもできます。

内部留保が企業の発展にとって重要であることはいうまでもありませんが、本書では「内部留保は自由に使えるものではない」との見解に根拠がなく、運用可能な部分を社会的に有効に活用すべきことを提言しています。

ちなみに163ページに掲載されている図は、資本金100億円以上の企業の真実実効税率(つねにいちばん下にある折れ線、2007年度は18%)、日本の企業全体の真実実効税率(真ん中に位置する薄い折れ線)、法定税率(いちばん上の折れ線)の推移を表しています。

大企業から税金を徴収しない課税構造であることが一目瞭然です。それでいて財界は、「法人税率をもっと下げて、消費税率をもっと上げろ」と民主党政権に迫っているわけです。

ちなみに、資本金100億円以上の日本の企業は1300社余りで、法人数258万社余りの0.05%を占めるにすぎません。