14~16日と自宅外泊/「フィガロの結婚」/文化

けさ5時40分の採血の結果、血液の状態は元に戻っており、当初のもくろみ通り、あした(14日)午後から日曜日16日の午後まで、2泊3日の自宅外泊許可が出ました。161013%e3%83%95%e3%82%a3%e3%82%ac%e3%83%ad1きょうはモーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」をDVDで観ました。2006年2月、ロンドンのコヴェント・ガーデン王立歌劇場でのライブ収録です。161013%e3%83%95%e3%82%a3%e3%82%ac%e3%83%ad2その時点で「今日最も理想的と言えるキャストを配し、豪華な衣装と装置も嬉しい至福の《フィガロ》」とうたわれています。

AIDA(158分)、「魔笛」(176分)、そしてフィガロが184分。いずれも生まれて初めて、DVDとはいえ、観る機会に恵まれました。これらもまた、この入院を機に友人が貸してくれたものです。

ともかく、日本の古典芸能にも触れたことのないまま今に至っているものもあり、入院という事態で「時間の扱い方」が違うからとはいえ、やはり「文化」に接しようとする姿勢・構えの問題かと…

9日間のイレギュラー抗生剤点滴終了/DVD「鍵泥棒のメソッド」/小澤征爾・ミュンヒンガー

10月1・2日の「緊急事態」に対応したイレギュラーな抗生剤点滴もいちおう、きょうで終了。午前、午後と1日2回、9日間続きました。

あす早朝の採血で血液の様子を観察し、とくに問題がなければあさってからは2泊3日の外泊が可能となり、17日から3日間、2度目の化学療法予定です。

きょうの癒しタイムはDVD1枚とCD3枚。161012%e9%8d%b5%e6%b3%a5%e6%a3%92%e3%81%ae%e3%83%a1%e3%82%bd%e3%83%83%e3%83%89DVDは義姉が持ち込んでくれた1枚で、「鍵泥棒のメソッド」。「貧乏役者の桜井(堺雅人)は、出来心から銭湯で転倒した男(香川照之)とロッカーのカギをすり替え、男になりすます。しかし実はその男は“伝説の殺し屋・コンドウ”だった!」…あらすじだけ見ると、おどろおどろしい話の展開になりそうですが、あにはからんや、最初の銭湯での転倒シーンからして、コメディです。女性編集長・水島香苗(広末涼子)を加えて主な出演者は3人。婚活中のこの編集長もまじめすぎてヘン!161012%e5%b0%8f%e6%be%a4%e5%be%81%e7%88%be2CDはいずれも今回の入院を機に友人が貸してくれたもの。小澤征爾さんの2枚組「Seiji Ozawa BEST OF BEST」は小澤征爾版オムニバス。1枚に13曲、全部で26曲で、1曲1曲、曲名も確認しながら聞いてみました。161012%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%b3%e3%83%92%e3%83%b3%e3%82%ac%e3%83%bc%e3%83%bb%e3%83%90%e3%83%ad%e3%83%83%e3%82%afもう1枚は、カール・ミュンヒンガー指揮、シュトゥットガルト室内管弦楽団による「バロック・コンサート」。「演奏者について」の解説によれば、そもそもこの室内管弦楽団は、ミュンヒンガーが第二次世界大戦後、バロック音楽を専門に演奏するための楽団として創設、バロック・ブームのきっかけを作ったのもミュンヒンガーなんだそうです。161012%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%b3%e3%83%92%e3%83%b3%e3%82%ac%e3%83%bcもともと私は、バロックはせいぜいブラス・アンサンブルによる演奏ぐらいにしか興味がなく、オムニバス形式のCDも自らは手にしないので、いろいろと貴重な体験で癒されています。

マーラー、愛の物語/BEST CLASSICS 100

早朝、というか未明、友人から借りているCD、ベルナルト・ハイティンク指揮、王立アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団、「アダージョ~マーラー、愛の物語」を聴きました。161011%e3%83%9e%e3%83%bc%e3%83%a9%e3%83%bcマーラーと言えば、私にとっては交響曲第一番「巨人」で、この曲から始まってマーラーを知ろう、などと高校時代に思って以来です。161011%e3%83%9e%e3%83%bc%e3%83%a9%e3%83%bc2マーラーは、<君のために生き、君のために死ぬ>と最後に楽譜に書き込んで亡くなったらしいですが、彼の音楽のテーマはひとことで「愛」と言われる音楽家です。161011%e3%83%99%e3%82%b9%e3%83%88100夕刻には東芝EMIのCD「BEST CLASSICS 100」を聴き終えました。発売時期は細かな字のところに書いてあるのかどうか、よくわかりません。

6枚組の100曲で、時間を図ったわけではありませんが、仮に1曲5分として500分、8時間強、といったところでしょうか。

クラシックのこうしたオムニバスを自ら手にすることはないので、これも友人のおかげで聴くことができる貴重な機会です。

曲目もさることながら、その「解説」。「人間誰しも気持ちをぐいっと持ち上げて元気をカラダに充満させなければならない時がある。なのに心の中はそよとも風の吹かない状態。そんな時に威力を発揮する音楽」…

「交通手段や携帯電話やインターネットの発達は便利でいいけれど、おかげで地球はますます狭くなり、時間とストレスに揉まれ続ける毎日。だからこそ、心を心地よく包んでくれる安らぎの音楽」…

「時にはシャンデリアのごとく豪華絢爛に、時には夜のしじまに差し込む月明かりのように。ここには光きらめく音の海原が広がっています」…

いやっ、感心しきりです。

「日本会議」史観の乗り越え方/抑制的な主張に即してこそ

『「日本会議」史観の乗り越え方』(松竹伸幸著、かもがわ出版)を読みました。%e6%97%a5%e6%9c%ac%e4%bc%9a%e8%ad%b0%e5%8f%b2%e8%a6%b3まずは、日本会議の主張が抑制的になったところが侮れない、という視点が強調されます。組織の結束力を維持して、国民の支持のもとに、当面で言えば改憲を本気で達成しようとするわけですから、当たり前かもしれません。

そのうえで、とりわけても日本の近現代史について「光と影を統一的に捉える見地」に立つことを提起。%e6%97%a5%e6%9c%ac%e4%bc%9a%e8%ad%b0%e5%8f%b2%e8%a6%b3%e3%82%aa%e3%83%93%e7%9b%ae%e6%ac%a1以下、そのまま引用すれば、「日本の植民地支配をめぐる問題…と、日本が植民地として支配されず、独立を保ったこととの関係をどう捉えるかという問題」、

「日本の戦争が侵略だったのか自衛だったのかという問題」、

「現在の東南アジア地域における日本の戦争の問題」、

「『先の大戦』に対する裁きの問題…東京裁判(極東軍事裁判)の評価をめぐる問題」、

最後に、「若者に歴史の何を受け継いでいくのか」、「戦争で亡くなった兵士に何を言うべきなのか」を考察します。

いずれにせよ、歴史観こそが日本会議を日本会議たらしめており、日本会議の実際の主張に即した批判を通してこそ、巨大な影響力を持ちつつある日本会議を乗り越えることができる、と著者は考えています。著者は安倍晋三と同い年。

脱毛/カットして整えたばかりだったなぁ…

そういえば4~5日前から、化学療法の特徴でもある(?)脱毛が始まっています。161011%e8%84%b1%e6%af%9bオリエンテーション用ペーパーには、「薬剤の種類によっては脱毛がない場合もあります」とはありますが、主治医からは最初から「今回も脱毛しますよ」と聞いていました。161011%e6%9e%95%e3%81%ae%e9%ab%aa治療が終われば脱毛もなくなって普通に生えるので、私の頭もすっかりそうなりかけて、美容師の息子にカットして整えてもらったばかりなのに…

歌劇「魔笛」/子どもに最初のオペラとして見せる作品

きょうはまた久しぶりにDVDでモーツァルトの歌劇「魔笛」鑑賞。161010%e9%ad%94%e7%ac%9b1このDVDは、10年前、モーツァルト生誕250年を記念し、生地ザルツブルクで22の舞台作品全曲上演した際のシリーズです。161010%e9%ad%94%e7%ac%9b2ということは、今年は生誕260年なんですね。日本語字幕入り。

当然ライブなので、上演後の客席と舞台と一体感はやはり胸躍る感じです。161010%e9%ad%94%e7%ac%9b4161010%e9%ad%94%e7%ac%9b5先日のAIDA同様、初めて観ました。

解説を見ていると、この歌劇、ヨーロッパでは子どもにまず最初のオペラとして見せる作品という位置づけなんだそうです。それだけこの作品は、老若男女を問わず親しまれているようです。

穏やかに…/次回治療予定・外泊予定/夕焼け

ここのところ、入院生活も穏やかな日々。161007%e5%8d%97%e3%81%ae%e6%9c%9dけさも日曜ではありましたが、主治医が日直だったこともあって血液検査があり、少なくとも白血球の回復は順調で、白血球を減らさないための皮下注射はきのうの分で終了。161007%e9%ab%98%e5%9d%82%e5%b0%8f10月1・2日に「発生」した「緊急事態」への抗生剤点滴対応もまもなく終了と思われます。

次回の治療を来週月曜日17日からの3日間を展望し、14~16日の間の外泊が可能になるかもしれません。161009%e8%a5%bf%e5%81%b41きょうの夕焼けが見事でした。

軍事依存経済/現実を憲法に近づける希望

『軍事依存経済』(しんぶん赤旗経済部、新日本出版社)を読みました。161009%e8%bb%8d%e4%ba%8b%e4%be%9d%e5%ad%98アベ政治が、経済成長の一環として、原発だけでなく武器輸出を位置づけていることを見るだけでも、経済と軍事の一体不可分は露骨です。161009%e8%bb%8d%e4%ba%8b%e4%be%9d%e5%ad%98105%e3%8c%bbそもそも安倍首相の認識からして、「経済を成長させ、そしてGDPを増やしていく‥‥当然、防衛費をしっかり増やしていくこともできます」(2015年4月、「笹川平和財団米国」主催シンポジウムでの講演後の質疑応答で)。161009%e8%bb%8d%e4%ba%8b%e4%be%9d%e5%ad%98%e3%82%aa%e3%83%93%e7%9b%ae%e6%ac%a1ともかく、首相は、軍事産業の育成・強化を政策目的に掲げる防衛装備庁などという行政組織まで設置して見せましたが、「戦争のための再軍備を可能とする産業は許されない」(ポツダム宣言第11項・1945年7月26日)に違反することは明白です。

日本の右傾化の現実を、憲法が示す理想に近づけることが、いまを生きる私たちの大いなる希望であり仕事です。まだ間に合います。

6日の小池書記局長質疑

2日前、6日の参議院予算委員会で、共産党の小池晃・書記局長が質疑に立ち、閣僚の「白紙領収書」、「働き方改革」、年金積立金の巨額損失、負担増・給付削減オンパレードの社会保障改革工程表、製薬企業言いなり高薬価を取り上げました。161007%e3%83%8f%e3%82%bf%e3%83%bb%e5%b0%8f%e6%b1%a0%e3%83%bb%e9%a0%98%e5%8f%8e%e6%9b%b8161007%e3%83%8f%e3%82%bf%e3%83%bb%e5%b0%8f%e6%b1%a0%e3%83%bb%e5%83%8d%e3%81%8d%e6%96%b9161007%e3%83%8f%e3%82%bf%e3%83%bb%e5%b0%8f%e6%b1%a0%e3%83%bb%e5%85%ac%e7%9a%84%e3%83%9e%e3%83%8d%e3%83%bc示したパネルは、いずれも、アベ政治の金銭感覚マヒ、1%への言いなりで99%に耳貸さず、独裁・強権の手法が見事に示されているのではないでしょうか。161007%e3%83%8f%e3%82%bf%e3%83%bb%e5%b0%8f%e6%b1%a0%e3%83%bb%e7%a4%be%e4%bf%9d%e5%b7%a5%e7%a8%8b161007%e3%83%8f%e3%82%bf%e3%83%bb%e5%b0%8f%e6%b1%a0%e3%83%bb%e3%82%aa%e3%83%97%e3%82%b8%e3%83%bc%e3%83%9cこのさかさま・ハチャメチャ政治の転換が必要なのです。

質疑全体については「しんぶん赤旗」記事をご参照ください。「3閣僚  白紙領収書認める」、「国民欺く社会保障改悪」、「だまし討ちの暴挙許されない」。

武器輸出大国ニッポンでいいのか

『武器輸出大国ニッポンでいいのか』(池内了・古賀茂明・杉原浩司・望月衣塑子著、あけび書房)を読みました。161007%e6%ad%a6%e5%99%a8%e8%bc%b8%e5%87%ba杉原さんが本書企画のきっかけをつくった「武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)」の代表。

池内さんは、もともと宇宙物理学者で私も一ファン。現在は「科学・技術・社会論」で大活躍中。先月(9月)25日、「九条の会」の12人の新たな世話人に選任されました。161007%e6%ad%a6%e5%99%a8%e8%bc%b8%e5%87%ba%e3%82%aa%e3%83%93%e8%a3%8f古賀さんは2011年9月まで経産省官僚。昨年(2015年)3月には、3年間務めた「報道ステーションコメンテーター」を何らかの事情で降板。

望月さんは東京新聞記者。

「国是」とされてきた武器輸出三原則が、安倍政権のもと、2014年4月1日のエイプリルフールにあっけなく撤廃されましたが、その日本の「死の商人国家」に向かう危険な流れを明らかにしたうえで、これに抗する論理と人びとの現時点での姿を浮き彫りにすることが本書のねらいです。161007%e6%ad%a6%e5%99%a8%e8%bc%b8%e5%87%ba%e3%82%ab%e3%83%90%e3%83%bc%e8%a3%8fなんにせよ、私はつくづく感じますが、「9条」を持つ日本国憲法を選び直す国民的大運動のときです。