住宅敷地内で放射線測定/「復興の光」も収入なし

津波の直撃を受け、家を流された薄磯(うすいそ)や豊間(とよま)地域から入居されている家族もある住宅をたずねました。

もともとここに住んでいるかたから先月電話があり、また、実家が薄磯で、親族がこの住宅に入居できた、というかたからこの日誌にコメントを寄せていただいていました。

子どもたちがこの敷地にある公園内で遊んでいるが、放射線量を測定しているわけではなく、ほんとうに大丈夫なのか、確認するすべはないだろうか、ということでした。

電話をいただいていたかたに連絡を入れたうえ、いっしょに測定してみました。

住宅入口の地上1mでセンサーを前面にすると0.18μ㏜毎時、入ってすぐのゴミ置き場前にある小さな側溝で下向きで計ると0.17。砂場の地上10cmで下向きで計ると0.19。滑り台やブランコの地上10cmで計ると0.19~0.24。

公園周辺の敷地内の草むらを計って歩くと、0.3~0.55の間。震災前後で草刈したところもあればしていないところもあるのですが、いずれにせよ、子どもたちが遊ぶことはないであろう草むらの値がちょっと高いようです。

ともかく、このように、近接した場所でも値が違い、まして、機器によっても値がさまざまらしいので、きめ細かく、継続的に測定してその地域の住民のみなさんに知らせることは行政の責任です。

その後、ちょっとした縁があって割烹料理屋さんをたずねました。大震災翌日の3月12日に私が撮った写真に看板が写っていたのです。

やはり原発事故の影響は深刻です。地震と津波による被害は修繕し、同業者や観光業者が再開できないなか、ウチが営業を再開していいものか、と悩みながら、「復興のひとすじの光にでもなれば」と営業再開。

しかし現実はきびしい。ほとんど収入はなし。きょうもお客さんは数人。従業員を解雇せず、暮らしを守らなければと、休業補償に独自に上乗せしているが、いつまでもつかが心配。

原発事故の影響は、原発からの距離や放射線量によらないのだから、その被害は全面的に補償してほしい、と。ほんとうに切実であり、あたりまえなのです。