「ここまで変わった日本史教科書」

『ここまで変わった日本史教科書』(高橋秀樹・三谷芳幸・村瀬信一著、吉川弘文館)を読みました。160916%e6%97%a5%e6%9c%ac%e5%8f%b2

今月発行の本で、「数十年前の日本史教科書と現在の日本史教科書とでは記述内容や視点にどれだけ大きな違いがあり、またそれが主として日本史研究の進展にともなう学説状況の変化に裏づけられたものであることを伝えるというのが本書のねらい」です。160916%e6%97%a5%e6%9c%ac%e5%8f%b2%e3%83%bb%e3%82%ab%e3%83%90%e3%83%bc「2000年以降、証拠とされた石器の発掘が捏造であったことが確認され、すべての遺跡名が教科書から消えることになった」のは当然としても、「変容する『聖徳太子』」、「更新される一揆のイメージ」、「『士農工商』で語れない身分制度」、「高度成長期への新たな視点」などなど、なるほど、と思わされることがたくさんです。160916%e6%97%a5%e6%9c%ac%e5%8f%b2%e3%83%bb%e3%82%aa%e3%83%93具体的にはたとえば、「1980年代の教科書では、高度成長の要因として、技術革新、貿易の自由化、エネルギー革命(石炭から石油への転換)などを挙げるに止まっていた」ものを、終身雇用、年功賃金、企業別組合を特徴とする日本的経営がその視点として取りあげられるようになったことなどです。

なお本書は検定など現行の教科書制度が前提で、その解説もあります。

故加藤元幹事長への山崎元副総裁の弔辞/「赤旗」に登場した加藤氏/思い出した討論

きのう、どこかの報道番組だったかニュースだったかで、加藤紘一元自民党幹事長の葬儀の様子が流されました。画面は参列していた志位和夫・共産党委員長の姿も映しだしていましたが、注目したのは山崎拓元自民党副総裁の弔辞の場面。160916%e6%9c%9d%e6%97%a5%e3%83%bb%e5%8a%a0%e8%97%a4%e8%91%ac%e5%84%80

「朝日新聞」

山崎氏が加藤氏に「憲法9条改正に反対なのか」と聞くと「うん」と答え、「一言一句もか」とまた聞くと「そうだよ、9条が日本の平和を守っているんだよ」と答えた、とのこと。160916%e3%83%8f%e3%82%bf%e3%83%bb%e5%8a%a0%e8%97%a4%e8%91%ac%e5%84%80

「しんぶん赤旗」

山崎さんのような人が(?)、こういう場でこういうことを話すんだ、とびっくりしたと同時に、感激しました。けさの購読紙のうち、「朝日新聞」と「しんぶん赤旗」がこれに触れていました。

なお、加藤氏は、2年前の2014年、「しんぶん赤旗」日曜版5月18日付に登場し、集団的自衛権行使容認に明確に反対する意思を表明し、私はこれも引用して当時、2014年6月議会の最終日(7月2日)の討論に立っていたことを思い出しました。県議会の録画映像では討論は31分40秒ぐらい~49分50秒ぐらい。原稿もご参照を。集団的自衛権行使容認の閣議決定の翌日のことでした。