介護報酬/公費削減が前提

きのう、各紙が報じたように、今年4月からの介護報酬案が決まりました。

「在宅支援強化」を看板に、「24時間巡回型訪問」の創設が目玉で、報酬全体は前回改定と比べ、1.2%増だと言っています。

ところが、これまで介護報酬とは別に国費として支出していた介護労働者の賃金引き上げ分は介護報酬に組み込んだ、というものの、この国費分を差し引くと、実質0.8%のマイナス改定です。

まして、「24時間巡回」できる体制をつくれる事業所が、都会以外の地方でどれだけあるのでしょうか? ほとんどないと思います。今でさえ、夜間対応の職員体制をつくれないのです。

だいたい、在宅強化と言いながら、民主党政権のもとでの昨年6月30日の「政府・与党社会保障改革検討本部決定」の「社会保障・税一体改革成案」では、「介護予防・重度化予防」「介護施設の重点化(在宅への移行)」で公費の1800億円削減を見込んでいるのです。

自民党政権時代からの「重点化・効率化」と称した福祉切り捨ての構造改革政治そのものです。

浜通り医療生協の介護の責任者に話を聞きに行ったら、単純に当てはめ計算すると、年間収入は今年度比マイナスです。

医療もそうなのですが、「報酬改定」のたびに、どこでどうしたら収益を上げられるか、の対応を迫られ、患者や利用者のための最善の医療・介護はこうして遠ざけられていくのです。

そして、この事実は、医療・介護に本人・家族がかかわらない限り、多くの国民が気づかされないまま、どんどんと「改悪」され続けているのです。

自民、民主と続くこうした政治をいつまでも許し続けられますか?