来年度政府予算案で、医療機関に支払われる診療報酬は、来年4月から「0.004%」引き上げ、とされています。
厚労相と財務相との合意文書では「0.00%」改定と表現されており、小数点以下3ケタまで数字を示した前例はないそうです。
ところがこの数字には、特許が切れて後発品がある先発品の薬価引き下げ0.9%(約250億円)が含まれていないので、これを入れると実質マイナスです。
じつは前回(2010年度)も民主党は同じ手を使い、この薬価引き下げ分600億円(0.16%)を入れずに、改定幅は0.19%のプラスだと言い張ったのです。実質は0.03%(100億円)にすぎませんでした。
だから「毎日新聞」は当時、「診療報酬増を『偽装』」(2010年1月31日)と1面で報じたのです。
今回は、マイナスをプラスに偽装です。
前回総選挙時の民主党マニフェストには、「累次の診療報酬マイナス改定が地域医療の崩壊に拍車をかけました。総医療費対GDP(国内総生産)比を経済協力開発機構(OECD)加盟国平均まで今後引き上げていきます」とあります。そして09年9月9日の「連立政権樹立に当たっての政策合意」には「医療費(GDP比)の先進国(OECD)並みの確保を目指す」とあります。
自公政治による「累次の診療報酬マイナス改定」の影響は約2.4兆円、OECD平均に追いつくにはこれに加えて約4.5兆円なので、6.9兆円の「今後引き上げ」が約束でした。
「マニフェスト」=「公約破り」の民主党政治の代名詞は、また補強・拡充されました。八ッ場ダムがダメ押しかと思ったら大間違いです。