検証・根拠なく原発推進/あいた口/学習会/不破パンフ

3月11日の大地震・大津波後、翌日からの新聞を処分する間もなく、きょうやっと、点検・処分しました。が、とても消化しきれる情報量ではありません。

最新情報は、きのうのOECD(経済開発協力機構)50周年記念行事での菅首相スピーチ。

福島原発事故の検証は現段階でまったくされていないのに、「今回の事故を教訓に『最高度の原子力安全』を実現していきます」と、根拠もなく原発推進を継続する空文句を語ったのでした。「あいた口がふさがらない」とはこういうときに使うもんだと、あきれざるを得ません。

5月5日の「朝日新聞」では、元東電副社長で、昨年まで自民党参院議員を2期務めた加納時男氏がインタビューに答えていました。「低線量(の放射線)は体にいい、ということすら世の中では言えない。これだけでも申し上げたくて取材に応じた」というわけです。言っていることは、「原子力の選択肢を放棄すべきでない。福島第一原発第5、6号機も捨てずに生かす選択肢はある」「原子力を選択したことは間違っていなかった。地元の強い要望で原発ができ、地域の雇用や所得が上がった」。また、私はあいた口がふさがりません。

もちろん、両方とも「そのとおり」というご意見をもつかたがいることは承知しています。政治家を選ぶ有権者の選択の問題になるわけです。

きょうは小名浜生協病院付属せいきょうクリニックの待合室で、浜通り医療生協理事長の伊東達也さんを講師に、原発と放射能の学習会がありました。私も、職員と組合員のみなさんと聴講です。

 

党地区委員会にも寄って、きょう発売の、不破さんによる『「科学の目」で原発災害を考える』(150円のパンフレット)を購入し、さっそく読みました。

漁業団体に義捐金/漁に出てこそ/切迫した思い

党のいわき・双葉地区委員会として、いわき市内の漁業団体に、党中央からの義捐金をお渡ししました。

たずねたのは、福島県漁業協同組合連合会、いわき市漁業協同組合、中之作(なかのさく)漁協、江名(えな)漁協、小名浜機船底曳網漁協。

県漁連と市漁協には党県書記長の町田和史さんも同行しました。

共通して出される話は、「漁港の復旧」「原発事故の早期収束」「原発事故による全面賠償」「漁業者は漁に出てこそ生き生きする」ということです。

「漁師が陸(おか)でスコップをもっていてもイライラが募るばかり」「地震と津波による被害は猟師はみんな承知している。問題は原発」「今すぐにでも漁に出られる猟師はいるのに」「原発は絶対安全だと聞かされていたのに」「絶対安全な原発なら、東京湾につくればいい」と、率直な意見が次つぎと出されます。

漁協によっては、建物内部の被害が大きいところもあり、専務理事さんが出かける用事がある直前にうかがったのにもかかわらず、津波被害当日や地震被害の様子を細かく説明していただいたりしました。

漁民の日々の生活にかかわるだけに、ほんとうに切迫した思いが切々と感じられた訪問でした。

ジャーナリズム/憲法の精神/言葉として具体的に

『ジャーナリズムニ生きて』(原寿雄著、岩波現代文庫)を読みました。

今年2月中旬の発行で、08年12月の岩波市民セミナーで話した内容がベースです。発刊直後に手にした記憶がありますが、大震災に直後に襲われ、ずいぶんと間をおきながらの読書でした。

副題が「ジグザグの自分史85年」。共同通信社の社会部記者から始まって、外信部長、編集局長、専務理事・編集主幹、1986年からは6年間、社長をつとめました。

本書の最後に「私のジャーナリズム哲学」が21項目にまとめられていますが、ずしりと響く言葉が満載のように私は感じます。

「言論表現の自由はすべての基本的人権を支える基盤的自由である」「自由とは少数派、異端の自由を保障するものである」「少数意見の報道は賛否のバランスのためではない。真実追求に不可欠なものである」「ジャーナリズムの基本は、オピニオンよりオピニオンの基となる事実の報道である」「二分割思考のテレビ報道は世論形成をゆがめる」などなど…

まったくそのとおり、と思うことばかりで、原さんのこの「哲学」の根底に、日本国憲法の精神が流れているように思えるのです。ところが、「憲法」という言葉は出てきません。

世界的に、社会的・歴史的に築かれたはずの日本国憲法の意義を、ジャーナリズムの世界に言葉として、もっと具体的に表現して活かすべきだと私は思うのです。

地震で目覚め/震災の教訓/中村哲さん

けさの5寺36分、市内の震度3~5弱の地震でまた起こされました。この時間ではまた寝るわけにもいきません。6寺25分からは日課のテレビ体操。

きょうは内郷・好間のいっせい行動に参加。20人を超える党後援会員・党員が、チラシまき隊・「しんぶん赤旗」普及隊・宣伝隊に分かれて行動しました。

私は3人の宣伝隊。7か所の街頭から、お見舞いとお悔やみ、そして原発に頼るエネルギー政策からの転換と、原発ゼロにする期限を決めたプログラムを政府が責任をもって作成すべきこと、防災と福祉を柱としたまちづくりを住民が主人公を貫いて進めることが、震災からくみ取る教訓であることを強調して歩きました。

庭で聞いてくれていたかたが、「前知事が原発にどういう態度だったかも知らないし関心もなかったが、今の知事がプルサーマルにサインしたときはなにか違うんじゃないかと思った。話を聞いて、原発の問題を整理できた思いだ」と。ものすごく感動的でした。

自転車で通りかかったかたや、車で通りかかったかたが最後まで聞いてくれて拍手してくれたり、工事作業中のかた、鉄道作業中のかたが声援を送ってくれたり。ほんとうにありがとうございます。

夕刻には、ペシャワール会現地代表で医師の中村哲さんによる「いわき支援緊急講演会」。ご本人は、「支援とか激励とかではなく、アフガンの実情と会の実際の活動から、震災にあわれたみなさんの参考に少しでもなれば」とのお話でした。

私が印象に残った言葉。

「人間が自然を完全にコントロールすることはできない」

「自然といかに同居するかを考えることが大事」

「人間と人間の関係、人間と自然との関係を、歴史をさかのぼって見直すとき」

「1万年も監視し続けなければならないものはつくらない」

国会議員定数削減/「身を削る」は方便

『国会議員定数削減と私たちの選択』(坂本修・小沢隆一・上脇博之著、新日本出版社)を読みました。

「ムダを省く」「自ら身を削る」ことは、議員定数削減とはまったく別問題です。国会議員一人当たりに要する年間費用は、議員歳費・文書通信交通滞在費・立法事務費・秘書人件費を含めて、衆議院が約7142万円、参議院が約6710万円だそうです。

民主党のマニフェストでは衆議院80人、参議院40人削減です。あわせると84億円あまり。

一方、口をつぐんですまして手にしている政党助成金は、共産党を除く政党を合わせて年間約320億円。民主党が言うとおりに議員数を減らしても、その4倍近く。これが政党にばらまかれているわけです。そして政党・政治家を堕落させているわけです。ムダの極致ではないですか?

議員を減らすその先は、足元から早くも揺らいだ「二大政党制」を立て直して少数意見は徹底して切り捨てる単純小選挙区制であり、憲法9条や25条は投げ捨てる「壊憲」国家・強権国家への国家改造です。

今月18日には、この大震災復興に全力をあげるときに、民主・自民・公明・みんな・国民新・たちあがれが、参院本会議で、改憲手続法に基づき改憲原案の審査権限を持つ憲法審査会の規定を賛成多数で可決しました。

これで、改憲の国会発議に必要なしくみが衆参両院でできあがったことになります。

本書は、「定数削減」が、まったくの方便であることを見抜き、誰もが納得する選挙制度を提案しています。

小名浜の定時定点/本/振興局

けさの定時定点は小名浜。

福島原発事故で明らかになった、原発技術が本質的に未完成で危険なこと、安全神話が事故対策をまったく考えない原因だったこと、事故はまったくの人災であること、原発をゼロにする期限を決めてエネルギー政策を転換すること、といったことを中心に、住み続けられるまちづくりの基本的柱は福祉と防災にあり、憲法を活かす政治と行政に変えることを話しています。

きょうは放射能汚染の記事掲載の週刊誌、その臨時増刊号、放射能汚染の基礎知識、食卓の放射能汚染、原発にかかわる本を買い求めました。

午後は県のいわき地方振興局へ行き、被災した介護事業所の事業の対応を聞いたり、局長さんと懇談したり。

市長へ第二次要望/市の実情/愚庵の漢詩碑

けさは自宅近くで朝の「定時定点」の街頭から。

午後は、4月28日に続き、いわき市長あてに、党のいわき双葉地区委員会として第二次の要望書を提出しました。 学校給食、校庭・園庭の表土の入れ替え、児童生徒のストレスに向き合うカウンセラーの配置など教育環境の整備、原発事故の被害補償を求めること、地域コミュニティに配慮した被災者の入居先決定など被災者支援・住宅提供、小規模水道復旧や民有団地での排水溝を含めた生活機能維持のための助成など、18項目を要望しました。

対応してくれたのは前回に続き鈴木英司副市長。

副市長からは、給食センターが調理ができない状況があること、原発事故の影響で遅れていたガレキ処理が、その後も環境省から放射線量測定値基準を示すまで「待った」をかけられている実態、津波被災地の復興へ向けて部局横断的に地区のみなさんの声を聞くことに心がけていること、被災にかかわる行政としてのさまざまな実務に全国自治体からの支援を受けざるを得ないこと、などなど、実情を聞かせていただきました。 きょうも国会で議論はしていますが、政府の対応は、被災自治体の立場に立った迅速なものとはとてもいえません。

午前中、いわき新舞子ハイツのあと、以前にご先祖さまのお墓が倒れてしまった、と聞いていた瑞光寺(ずいこうじ)にも寄ったのですが、ここに、天田愚庵の漢詩碑があることは、恥ずかしながら、きょう初めて知りました。

いわき新舞子ハイツ/流木/絵画は無事

いわき新舞子ハイツをたずねました。

支配人の渡辺善男さんからお話をうかがいました。3月11日は老人会や社協のかたがたが企画された歌謡ショーの最中でしたが、津波が来る前に宿泊客を含めてすべてのかたがバスなどで避難することができたそうです。

建物への津波は、すぐ隣りを流れる滑津(なめつ)川から襲ってきたようです。流木が建物のガラスを割り、そこから流入した海水が大半かもしれない、とのこと。

フロアと同じ高さだった支配人室は、地盤の陥没で斜めになってしまい、いまは修繕して、フロアよりは十数センチは低くなっています。

建物内に入った海水は1階フロアの20~30cmぐらいで、床は全部張り替えてあります。壁の絵画類は無事です。

温泉設備などの復旧がこれからで、当面、住宅などの建設関係者の宿泊施設として使ってもらうようです。全面的な営業再開は秋口になろうかと思いますが、ホームページでお知らせはあると思います。

大震災と原発事故を語りあう/関心が高い放射能

渡辺ひろゆき市議が住む赤井地域の集会所で、「大震災と原発事故を語りあう」つどいがありました。党の平北部後援会の主催です。

渡辺市議、伊東達也さんとともに参加し、お話ししました。

3月11日から市内を歩き、とりわけ原発事故後に寄せられた原発事故への不安や怒りの声、原発事故の影響で売上が落ち込む事業者のみなさんの訴え、事業所閉鎖で解雇されたかたの声など、ありのままに報告しました。

あわせてこの原発事故が、共産党や市民団体、学者などの指摘や警告をまったく無視し続けた結果であり、人災であることを明確にさせ、事故がなかったならばあったはずの収入を全面的に補償することがあたりまえであることを認めさせよう、と強調しました。

みなさんの関心はやはり放射能の影響です。「週刊誌の新聞広告を見ていたら、発表される環境放射線量値が過小なんじゃないかと不安になった」、「野菜を栽培していて、きょうも雨を期待して苗を植えたが、心配ないだろうか」、「広いいわき市で、1か所の測定値だけを代表させて問題ない、というのは問題じゃないか」などなど。

こうして網の目で語りあう機会をもち、放射能問題・原発問題について市民レベルで考え、理解を深めることの大切さを強く感じます。と同時に、市民のこうした不安に応えないばかりか、不安を助長するばかりの日本政府の言動って、なんなの? 2年前まで原発推進で政権を担ってきた自民党は責任を果たす行動をしているのでしょうか? 国会議員も福島県議会議員も。あきれてばかりいられないのですが、毎日、そう思っています。

中村哲さん/「いわきの皆さんを応援」/緊急講演会

「いわき市九条の会連絡会」主催による緊急講演会が開催されます。

今度の水曜日、25日のことなので、お知らせも緊急です。

もともと今年は、福島県九条の会が5月22日のきょう、いわき市の「アリオス」を会場に中村哲さんをむかえて講演会を予定していました。が、大震災と大規模余震の影響で会場が使用不可状態となり、中止となっていました。

講師を予定していた中村さんから、「ぜひ、被災されたいわき市の皆さんを応援したい」との連絡があり、緊急の講演会企画となりました。

会場はいわき駅前「ラトプ」6階会議室1、時間は午後6時半からです。講演前に「アフガンにおけるペシャワール会の活動」の上映もあります。

九条の会連絡会緊急講演会110525