国会議員定数削減/「身を削る」は方便

『国会議員定数削減と私たちの選択』(坂本修・小沢隆一・上脇博之著、新日本出版社)を読みました。

「ムダを省く」「自ら身を削る」ことは、議員定数削減とはまったく別問題です。国会議員一人当たりに要する年間費用は、議員歳費・文書通信交通滞在費・立法事務費・秘書人件費を含めて、衆議院が約7142万円、参議院が約6710万円だそうです。

民主党のマニフェストでは衆議院80人、参議院40人削減です。あわせると84億円あまり。

一方、口をつぐんですまして手にしている政党助成金は、共産党を除く政党を合わせて年間約320億円。民主党が言うとおりに議員数を減らしても、その4倍近く。これが政党にばらまかれているわけです。そして政党・政治家を堕落させているわけです。ムダの極致ではないですか?

議員を減らすその先は、足元から早くも揺らいだ「二大政党制」を立て直して少数意見は徹底して切り捨てる単純小選挙区制であり、憲法9条や25条は投げ捨てる「壊憲」国家・強権国家への国家改造です。

今月18日には、この大震災復興に全力をあげるときに、民主・自民・公明・みんな・国民新・たちあがれが、参院本会議で、改憲手続法に基づき改憲原案の審査権限を持つ憲法審査会の規定を賛成多数で可決しました。

これで、改憲の国会発議に必要なしくみが衆参両院でできあがったことになります。

本書は、「定数削減」が、まったくの方便であることを見抜き、誰もが納得する選挙制度を提案しています。

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