警察捜査の正体

『警察捜査の正体』(原田宏二著、講談社現代新書)を読みました。警察捜査著者は、1957年に北海道警察に採用され、1995年に釧路方面本部長を最後に退官しました。ノンキャリアとして、階級的には最高のポストまで就きました。2004年2月には、道警の裏金問題について「告白」会見したその人です。

05年には『警察内部告発者』(講談社)を出版、私はその本を読み、福島県警から資料も取り寄せ、北海道警警務部長を経験した当時の県警本部長に、県警での裏金づくり疑惑を追及していました(2005年9月議会一般質問)。

本書では、警察官として半生を過ごし、警察の現場で犯罪捜査を体験した著者が、犯罪捜査の実態を明らかにします。警察捜査オビ裏最近の犯罪捜査は、とくに監視カメラ映像や、DNA鑑定の利用など、デジタル化が顕著ですが、実は、そうした犯罪捜査の法的な整備は怠ったまま定着させ、広げようとし、令状主義を逸脱した事実上の強制捜査といった「グレーゾーン捜査」も当然のように行われている、と指摘します。

その背景には、一部のキャリアが支配する現状、根拠の薄いノルマによる業務管理、経験不足の警察官の増加、幹部枠拡大による幹部の資質の低下といった組織的問題もあります。警察捜査著者

こうしたなか、警察国家への道を加速させる特定秘密保護法制定、さらには安全保障関連法、共謀罪制定や憲法改定の動きに警鐘を鳴らします。