平和のつどい/戦争と憲法/はだしのゲン1

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第10回いわき平和のつどい「戦争と憲法を考える」がありました。

あしたもいわき市文化センターを会場に、午前9時から午後4時半まで開催されています。

きょうは午前10時からアニメ映画「はだしのゲン」パート1の上映と、展示会です。

あしたは午前10時から「はだしのゲン」パート2の上映、午後1時半から「中国山西省残留日本兵(蟻の兵隊)」の証言を静岡県在住の山下正男さんがします。3時から三多摩青年合唱団による被災地支援コンサートがあります。

130803平和のつどい

展示コーナーではきょうに続き「戦争と憲法」「原発被災地写真展」「教育の問題」です。

「はだしのゲン」を見ながらいろんな思いがめぐりました。私は21年前の1992年8月、全日本民医連事務局で「民医連新聞」記者をしていた時に、広島県の福島生協病院に入院していた、当時65歳の被爆者から「あれ以来、だれにも話せなかった」という話を聞きました。

「原爆投下直後の燃えさかる火のなかで、おばを助けられなかったのは私。私の責任でおばは死んだ」と言ったのです。私にとっては衝撃的な証言でした。「なぜ、あなたの責任なのか?」とは聞けませんでした。

ゲンも、生まれたばかりの妹を助けられなかった、と、やはり火のなかで亡くなっていった父親、姉、弟に叫んでいました。「ゲン、お前の責任じゃない!」

1994年には月刊誌『民医連医療』の記者として、肥田舜太郎さんに2時間にわたるインタビューをし、7月号に掲載していました。テーマは「被爆者、患者から学んだ半世紀」でしたが、あの日の広島市内にいたご自身の被爆体験を聞いた話は、まさに地獄でした。

これもまた「はだしのゲン」とまったく重なって思い出されました。

130803平和のつどい展示

戦争の火種は根こそぎなくさなければなりません。「ナチスの手口に学べ」とか「国防軍創設」とか、彼らが権力を再び担った今、権力の乱用をぜったいに許さない私たち主権者の出番です。

会場を出たら、私の感覚としては、今年初めてセミの声をまじかに聞きました。

立憲主義宣言/「この国を良くしたい」共通の願いと違いの認識

130727自民党憲法改正案

『自民党憲法草案にダメ出し食らわす!』(小林節+伊藤真著、合同出版)を読みました。

慶応大学教授で64歳の小林さんは、35歳の助教授時代から公然と改憲を主張してきた学者です。

かたや伊藤さんは、「立憲主義という近代憲法の存在理由をふまえ、国民が十分に議論を尽くして行なった改正であれば、それは主権者である国民の選択として尊重されるべき」とする「『護憲』でも『改憲』でもない『立憲』の立場」です。

この立憲主義に関して伊藤さんは、「護憲派のみなさんは、この本(日本国憲法が公布された際、文部省が教科書として配布した『あたらしい憲法のはなし』)をテキストにして勉強したりしていますけど、この本には立憲主義がまったく出てこないんです。『国民が憲法を守る』なんて話をしている。結局、戦後の出発点から、この国では立憲主義の教育は皆無だった」と評しています。

そして、小林さんとは「立憲主義に関してはピタリと一致」です。

その小林さんは、「主権者の一人として、専門家として、自民党の改憲草案を読み返しているうちに、これは反憲法的なものであると確信し、声を上げざるを得なくなってしまった」「今回、図らずも明らかになったように…権力は、やはり、濫用されやすい」と、自民党草案を断罪です。

まぁ、ともかく、この日本を「より悪くしたい」と願う人がいるはずもなく、まして、政治家は「この国を少しでも良くしていこう」と思っていることは間違いないのです。

そこは共通点です。ここを認識し、どうして違いが出てきたか、共通の土俵で議論するうえでいろんな示唆をもらえる本です。

シカの行動/「ヌタ場」/広域実態把握と対策の責任

130802シカセンサー

朝7市半過ぎには尾瀬の山小屋を出発し、きのうきた木道を引き返し、沼山峠から御池(みいけ)へもどり、御池田代のセンサーカメラ設置個所へ行って、尾瀬地域のシカの行動に関する調査ついて、県の職員から説明を受けながら、現地調査しました。

130802ヌタ場

ここにもやはり、シカによって掘り起こされた「ヌタ場」があります。

長年の植生が、同じ自然界の野生動物であるシカによって乱されてしまう現場です。

尾瀬へこの時期にやってくるシカは、栃木県日光あたりから群馬県を通ってのルートで、また冬にはもどっていくことまではわかっているらしいですが、野性だけに、頭数把握も難しく、捕獲するにも様ざまな事情があり、尾瀬に限って言えばその環境保全と、これを乱すとされる野生動物の保護と、たいへん難しい問題が突きつけられている思いをしました。

先月の北海道釧路総合振興局でのエゾシカなどの有害鳥獣対策もそうですが、国としての広域にわたる実態把握と抜本的対策が求められる事態だと思います。それでも自治体の責任と言うならば、権限を大幅に自治体にゆだねることと、人員体制や施設・設備を自治体独自にできる財源保障のしくみが不可欠です。

先月29日以来、自宅にもどりました。

JR只見線/会津川口-只見間のめど立たず/尾瀬のシカ食害

130801柳津町ダム災害を考える会

県議会の企画環境常任委員会で、一昨年7月の新潟・福島豪雨によるJR只見線被害の現況について昨年5月以来の調査、ならびに尾瀬地域のニホンジカの食害について現況調査をしました。

金山町役場へ向かう途中、「道の駅 会津柳津(あいづやないづ)」に寄り、その場で、「柳津町ダム災害を考える会」のみなさんから要望を受けました。

130801金山町・只見町・JR

金山町役場では、押部源二郎・金山町副町長と目黒吉久・只見町長からあいさつと要望も受け、JR東日本から只見線の被災状況と復旧へ向けた現況を聞き、質疑しました。

130801第8只見川橋梁

 【第8橋梁】

被災後、一昨年の8月から昨年の10月にかけ、徐々に運転再開されているものの、両町にとって重要な会津川口駅と只見駅間が今のところめどが立たない状況。

130801第5只見川橋梁

 【第5橋梁】

この区間は、橋りょうそのものが流失した第5~第7橋りょうがあり、第8橋りょうも流木堆積・盛土崩壊・土砂堆積に加え、河川内に流出した橋りょうの撤去そのものもできていない状況です。

130801第6只見川橋梁

 【第6橋梁】

130801第7只見川橋梁

【第7橋梁】

JRではその復旧費用を見積もったものの、県にはその資料がまだ示されておらず、今後の災害にも耐えうる「公共鉄道」として、どうとりくもうとするのか、必ずしも明らかでないことが、その場のやり取りでも垣間見えました。

130801シカ現地

その後、尾瀬へ移動し、沼山峠から尾瀬沼まで歩きながら、シカ食害の現場などの説明を受け、山小屋での夕食後、県職員から「ニッコウキスゲ食害防止対策事業」の概況を聞き、夜8時過ぎ、大江湿原シカ対策の現場を視察です。

シカがニッコウキスゲなどを食べてしまっている様子、湿原を掘り起こしている「ヌタ場」が確認できます。

夜行性のシカで、ここへ来る夕刻までは見かけませんでしたが、シカは確かに大江湿原の植物を食しています。