立憲主義宣言/「この国を良くしたい」共通の願いと違いの認識

130727自民党憲法改正案

『自民党憲法草案にダメ出し食らわす!』(小林節+伊藤真著、合同出版)を読みました。

慶応大学教授で64歳の小林さんは、35歳の助教授時代から公然と改憲を主張してきた学者です。

かたや伊藤さんは、「立憲主義という近代憲法の存在理由をふまえ、国民が十分に議論を尽くして行なった改正であれば、それは主権者である国民の選択として尊重されるべき」とする「『護憲』でも『改憲』でもない『立憲』の立場」です。

この立憲主義に関して伊藤さんは、「護憲派のみなさんは、この本(日本国憲法が公布された際、文部省が教科書として配布した『あたらしい憲法のはなし』)をテキストにして勉強したりしていますけど、この本には立憲主義がまったく出てこないんです。『国民が憲法を守る』なんて話をしている。結局、戦後の出発点から、この国では立憲主義の教育は皆無だった」と評しています。

そして、小林さんとは「立憲主義に関してはピタリと一致」です。

その小林さんは、「主権者の一人として、専門家として、自民党の改憲草案を読み返しているうちに、これは反憲法的なものであると確信し、声を上げざるを得なくなってしまった」「今回、図らずも明らかになったように…権力は、やはり、濫用されやすい」と、自民党草案を断罪です。

まぁ、ともかく、この日本を「より悪くしたい」と願う人がいるはずもなく、まして、政治家は「この国を少しでも良くしていこう」と思っていることは間違いないのです。

そこは共通点です。ここを認識し、どうして違いが出てきたか、共通の土俵で議論するうえでいろんな示唆をもらえる本です。

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