社会保障国民会議/参院選で誰が語りましたか

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各紙が報じているように、きのう5日、政府の社会保障国民会議が保育、医療、介護、年金の全分野で社会保障「改革」の報告書をまとめました。

私は、社会保障制度改革推進法と合わせ、安倍内閣のもとでなにが検討されているかも、「しんぶん赤旗」の報道や、読んだ本を参考に告発し続けましたが、見事なまでにそのまんまの報告です。要するに「改悪」ズラリです。

甘利明・社会保障・税一体改革担当相は「法制上の措置の策定作業に入り、8月21日までにまとめたい」と、この報告の具体化推進をする姿勢です。

参院選前から検討されていた中身であり、参院選で当選した自民・公明の与党議員は有権者のみなさんに語ったのでしょうか。

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私は、検討されている中身を語り、自民・公明への一票は「70~74歳の医療費窓口負担倍増」「介護保険給付から要支援を除外」「年金支給年齢の引き上げ」の一票になる、と訴え続けて歩きました。

こうして選挙が終わると、反国民的施策の具体化が示され、これを追認する国会の多数の与党議員によって具体化実施、という構図を終わらせないとなりません。

棄権した有権者のみなさんを含め、参院選で自民・公明候補に投票したみなさんは、こんなことを承知していたのでしょうか?

そんなはずはない、と私は確信しますが…

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被爆医師/96歳の肥田さん

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『被爆医師のヒロシマ』(肥田舜太郎著、新日本出版社)を読みました。

著者は1917年生まれの96歳の医師。全日本民医連創設や綱領策定にかかわったかたであり、私も19年前、全日本民医連事務局で月刊『民医連医療』を担当していた時に、2時間を超えるインタビューに応じていただいていました。当時だって77歳でしたが、民医連のめざす医療、被爆者援護を語る姿はエネルギッシュでした。

本書も、著者の1945年8月6日とその後の医師体験を縦横に語ってもらった録音記録を、「21世紀を生きる君たちに」の副題にふさわしく編集したように思いました。

ともかく、68年前のきょう、広島であった地獄を医師として体験した現実、そしてその後の被爆者支援にとりくみ続け、被爆者に寄り添うことの本質を教えてもらえる思いです。

低線量放射線被ばく・内部被ばくをめぐっては、科学的根拠として誰もが納得できる証拠や証明がなく、私たちの判断を混迷させる一因ではありますが、肥田さんの医師としての原体験の証言として、貴重な読み物です。