被爆医師/96歳の肥田さん

130806肥田舜太郎

『被爆医師のヒロシマ』(肥田舜太郎著、新日本出版社)を読みました。

著者は1917年生まれの96歳の医師。全日本民医連創設や綱領策定にかかわったかたであり、私も19年前、全日本民医連事務局で月刊『民医連医療』を担当していた時に、2時間を超えるインタビューに応じていただいていました。当時だって77歳でしたが、民医連のめざす医療、被爆者援護を語る姿はエネルギッシュでした。

本書も、著者の1945年8月6日とその後の医師体験を縦横に語ってもらった録音記録を、「21世紀を生きる君たちに」の副題にふさわしく編集したように思いました。

ともかく、68年前のきょう、広島であった地獄を医師として体験した現実、そしてその後の被爆者支援にとりくみ続け、被爆者に寄り添うことの本質を教えてもらえる思いです。

低線量放射線被ばく・内部被ばくをめぐっては、科学的根拠として誰もが納得できる証拠や証明がなく、私たちの判断を混迷させる一因ではありますが、肥田さんの医師としての原体験の証言として、貴重な読み物です。

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