視察2日目/水素タウン/水素エネルギー社会

140903九大

夕べのうちに福岡市へ移動し、けさ、糸島市の「スマートハウス in 福岡水素タウン」の現地へ行きました。

おとずれたのは、「西部ガスエネルギー株式会社 福岡水素タウン 前原(まえばる)事務所」。

福岡県が推進する「福岡水素戦略」に基づく社会実証事業として、市内の団地150世帯にLPガス仕様の家庭用燃料電池(エネファーム)を集中設置しています。

加えて、太陽光発電、蓄電池などを設置した環境対応モデルタウンです。

08年から区長説明会・住民説明会・モニター説明会を重ね、09年には150世帯が決まり、「タウン」が完成した、とのこと。「水素」を使って「エコ」な暮らしを、というのも当初はなかなか理解を得るのも難しかったようです。

140903水素タウン1

視察は、各地からのガス会社が多いらしく、議会や行政からはめずらしい、とのこと。

午後は、九州大学水素エネルギー国際研究センター。

こちらの視察は、昨年度はおよそ290件、約6,500人だったそうで、ほぼ毎日の対応だそうです。

140903水素St

「燃料電池を核にした水素エネルギー社会実現へ」、移転工事真っ最中のキャンパス内の約1万3,000㎡の実験研究エリアに約300人の研究者が、燃料電池・水素エネルギー関連研究に従事しています。

県からの出向者もいて、「福岡水素戦略」のとりくみについて説明を受けました。

140903水素タウン3

構内には、燃料電池自動車用の水素ステーションも設置されており、その現場も視察。今年度中に東京、愛知、大阪、福岡やこれらを結ぶ地域中心に今年中には100か所の先行整備を民間主導でめざしているそうですが、まだ17か所。コストやスペースの「壁」が高いようです。

視察初日/ハウステンボスの裏舞台

140902ハウステンボス1

きょうから3日間、県議会企画環境常任委員会の県外視察です。

朝7時過ぎに家を出発し、9時前には福島空港、9時40分に伊丹空港へ向かい、飛行機を乗り継いで午後1時前には長崎空港へ。

そこから最初の視察地である佐世保市のハウステンボスへ向かいました。

ハウステンボスでは、その「裏舞台」の環境保全のとりくみについて、下水処理場、コ・ジェネレーションシステム、共同溝の視察です。

毎日出る生活排水は、そのまま海に流すことはせず、3次処理までしたうえに、細い糸のなかにトンネルの穴がある「中空糸」による高度処理を施し、中水[ちゅうすい]=リサイクル水として、ハウステンボス内の花や木への散水、トイレの洗浄水、冷却水として使っています。

140902ハウステンボス下水処理場

使用するエネルギーも、天然ガスからガスタービン発電で電気をつくり、その廃熱も活用して175度の蒸気をつくって暖房用に使うとともに、蒸気を蒸気吸収式冷凍機の熱源にして7度の冷水にし、冷房にも使います。

140902ハウステンボス共同溝

地下に3.2kmの総延長で張りめぐらされている「共同溝」のトンネルには、上下水道、電気、エネルギー、通信、光ファイバーが通っています。

こうした設備の見学用に、小学生用のパンフレットも用意されていました。

予算要望/原発事故対応の施策・暴走政治ストップ

140827要望聴取

おとといに続き、来年度へ向け、県内各団体の「予算要望をお聞きする会」の2日目でした。

140827聴覚障害

午前中は、県JA青年連盟、県内林業関係の9団体で構成する県林業会議、県聴覚障害者協会、県難病団体連絡協議会、県社会福祉協議会、県JA五連から様ざまな要望を受けました。

原発事故を受けた放射能対策はいっそうの充実と継続が求められ、かてて加えて、安倍政権暴走政治のもとでの各施策を後退させず、充実を求める声がいっそう強まっています。各団体が「安倍暴走」とはもちろん言いませんが、私としてはまさに暴走をストップさせることといったいの要望と受け止めました。

午後も、日本民主青年同盟県委員会、ふくしま復興共同センター・子どもチーム、福島に公立夜間中学をつくる会、県学童児童クラブ連絡協議会、県教職員組合からそれぞれの分野の切実な要望を受けました。

県漁業協同組合からは予算要望書とともに、軽油取引税の免税措置恒久化を国へ求める請願書を受けました。

140827施設管理課

昼休みには、市町村除染対策支援事業510億円が中心の9月補正予算551億8,100万円の概要、また、県庁北庁舎整備工事・県警本部庁舎基本設計の概要について執行部から説明を受けました。

140827資料説明

これらの合間にも、資料を求めていた農林企画課、環境保全農業課、原子力安全対策課、義務教育課から説明を受けました。

なかなかあわただしい1日となりました。

知事申入れ/地域の実情に即し/予算要望を聞く会

140825知事申入れ

9月定例県議会へ向けた「知事申し入れ」をしました。

「原発事故責任の明確化と事故収束対応」7項目、「除染の推進」7項目、「原子力損害賠償」6項目、「被災者支援」6項目、「子育て・教育、医療・福祉の充実」9項目、「産業支援・雇用拡大、再生可能エネルギー普及促進」5項目、「災害対策」4項目の計44項目を申し入れました。

140825知事申入れ2

私からは、県復興計画に位置づけている「日本一安心して子どもを生み、育てやすい」県づくり、「全国に誇れる健康長寿県」へ向け、子ども・子育て支援新制度、医療・介護総合法のもと、各市町村と地域の実情に即した事業計画策定への支援、医療構想策定を強く求めました。

140825知事申入れ3

なお、全文は県議団ホームページに掲載しますのでぜひご覧ください。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

またきょうは、来年度へ向け、県議団として、県内各団体からの「予算要望をお聞きする会」を他会派とともに開きました。

県腎臓病協議会、県農業会議、県私学団体総連合会から要望書に基づきくわしく説明を受けました。

また、県市長会、県町村会・町村議会議長会、県水道協会から要望書を受けました。

一日おいて、あさっても「お聞きする会」を行ないます。

東電を呼んでの全協/不誠実/「収束よりもうけ」

140820全協

おとといの政府機関に続き、きょうは東京電力を呼び、県議会の全員協議会がありました。

相次ぐトラブルへの対応、汚染水対策、作業員の作業環境・就労環境改善、賠償、県内原発全基廃炉など、原発事故に伴う現状と課題をただしました。

先日と同じく、自民党16分、民主・県民連合13分、共産党と未来ネットがそれぞれ11分、公明党とみどりの風がそれぞれ6分の持ち時間の質疑でした。

140820全協・宮本

共産党からは宮本しづえ県議が質疑に立ちました。

事故責任の認識、福島第二原発廃炉と柏崎刈羽原発再稼働の断念、汚染水対策やガレキ撤去時の放射性物質飛散防止、作業員・技術者育成、賠償についてただしました。

自らが原因者であることを言葉では言いますが、「国のエネルギー政策」を理由に廃炉も再稼働断念も考えている様子はなく、賠償に至っては、浪江町町民に対するADR和解案を受け入れない姿勢をあらためて示しました。

ADR和解案の遵守については、他会派の複数の議員も繰り返し求めましたが、被災者に寄りそわない不誠実な姿勢が浮き彫りです。

「事故収束よりも、自分のもうけが上、ということだな」と私に声をかける自民議員もいました。

政調会/人材の育成・確保の課題

140819政調会2

9月定例県議会(9月12日~10月1日予定)へ向け、県の各部局が提案する予定の補正予算や議案やその考え方、おもな事業などのとりくみ状況などを聞く政調会でした。

補正予算は市町村の除染推進、避難者支援、復興・再生への緊急に対応する経費などで全体で500億円台半ばになるようです。

説明を受けたのは、午前中に商工労働部・観光交流局、総務部、企画調整部・避難地域復興局・文化スポーツ局。

午後は、農林水産部、企業局、生活環境部・原子力損害対策担当、保健福祉部・子育て支援担当、土木部、教育庁、警察本部でした。

140819政調会

条例は、法制定や法改定を受けてのものがほとんどですが、教育委員会からは、来年(2015年)4月に広野町に開校する「福島県立ふたば未来学園高等学校」を規定する県立高校条例改定が予定されています。

復興事業が多いことはもちろん、医療・福祉・介護、ものづくり産業などを支える人材育成・確保にとりくむ課題が強調されていることも特徴だと思います。

全協/加害者責任を受け止めない国

140818全協1

県議会全員協議会でした。

きょうは政府機関に対し、原発事故対応に伴う原子力災害対応の現状と課題について。

前半が汚染水処理対策、事故収束・廃炉へのとりくみなど事故対応の現状と課題、および除染や中間貯蔵施設など、後半が原子力損害賠償、避難者支援や福島復興・再生にむけたとりくみ。

私は前半の質疑で、汚染水対策、県内全基廃炉、原発再稼働と規制委員会、除染、中間貯蔵施設について関係省庁に聞きました。

140818全協2

国は、「汚染水を漏らさない」ことを汚染水対策の柱の一つとしていますが、地下水バイパス計画、トレンチ内汚染水対策、汚染された地下下部透水層を例にただしましたが、どこが「漏らさない」と言えるのか、疑問が広がる質疑応答でした。

福島第二原発の廃炉を国が判断すべきことを重ねて求めましたが、およそ、加害者責任を自覚した答弁でなく、「東電の判断」と繰り返しました。

140818全協3

規制委員会について、その設置法第一条に「原子力利用における安全の確保を…一元的につかさどる…職権」を持つ機関として設置された以上、技術的・工学的な側面の規制基準だけでなく、避難計画や最終処分を含め、現在の不条理を打開するイニシアをとることを求めましたが、一元的につかさどる機関としての答弁とは言えません。

質問者の後ろの自民党席からは、ずいぶんと同調の声が聞こえました。

質疑の最後にも私は強調しましたが、最大の問題は国が加害者責任を受け止めていないことだ、と思わざるを得ませんでした。

子ども総合医療・療育センター/学力・体力、キャリア教育

140807医療・療養1

視察最終日3日目です。

午前中は札幌市手稲区にある北海道立子ども総合医療・療養センター。

ここは、07年に開設された施設で、1977年から診療を開始していた道立病院・小児センターと、1952年に設置された北海道整肢学院(62年に道立札幌整肢学院、72年に札幌肢体不自由総合療育センター)とを、出生前から一貫した医療・療育センターを確保するため、全道域を対象に一体的に整備しました。

140807医療・療養3

医療部門が105床、療育部門が140床。

常勤医は39人ですが、産科の常勤医がおらず、最大の課題は医師確保、とのことです。

在宅支援・地域支援、施設内の子どもと家族にやさしい生活空間づくりの工夫など、従事者のみなさんの努力は大変なものだと思います。

こうした施設は全国に必要ですし、広い北海道に一つというのもかなりきびしいのではないか、といった印象です。

140807道教委1

午後は北海道庁道議会委員会室で、道教育委員会から「ほっかいどう学力・体力向上運動」、「キャリア教育の推進」のそれぞれについて担当部署から説明を受けました。

いずれも国の音頭のもとで全都道府県がとりくんでいることであり、これらをめぐる現状、実態、その受け止め、対応や対策の立て方などが、さまざまにあることを知ることができます。

共通する課題も見えてきます。

140807道教委3

旭川市・乳幼児とのふれあい/子ども条例/相談室/北大・子ども発達臨床研究センター

140806旭川1
【私の隣りは自民党福島県連の杉山純一幹事長】

視察2日目は、午前中は旭川市、午後は札幌市に移動しました。

旭川市では市の子育て支援部子育て支援課から「乳幼児と中学生のふれあい事業」について、市教育委員会の社会教育部社会教育課から「市家庭教育支援プロジェクト」  について説明を受け、質疑しました。

140806旭川2

乳幼児ふれあい事業を始めるにあたっては、市内で10代の若年妊婦の出産、出産間際に届け出る傾向、子育てをイメージできずに出産などの現実を前に、命の尊さ、親としての責任や役割、子育て・命を育むことを理解するための事業として、まずは2012年に中学校1校、13年に4校で実施しました。

市としては、今後もメニューの多様化、参加職種の拡充、小学校や高校へも対象を広げることを検討しています。

2,000グラムほどの胎児や数か月の胎児の人形にも触れながら、助産師の話、地域の子育て中の親子からの話は、たいへんに有意義ではないでしょうか。

また、2012年に制定した「旭川市子ども条例」には、08年からの資料収集や他市訪問調査から始まり、さまざまに分野の人たちの意見を聞き、「児童の権利に関する条約」の理念や、子どもたちが自由に意見を表明するなどの参加する権利が盛り込まれています。

社会教育課・家庭教育相談室では、教員経験者、臨床心理士、「傾聴療法士」など4人のスタッフが、年間300件の相談を、電話(7割ほど)、面接、メール、訪問で対応しつつ、他部署との連携も図る努力をしながら相談にのっています。直接子どもたちからのメールもあり、ただちに対応しなければならない事例もあります。

140806北大1

札幌市では北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究センターをたずね、センターの沿革を含め、子ども臨床研究部門や子ども発達支援研究部門などの研究内容など、地域支援についてもとりくみを聞きました。

140806北大2

岩見沢市学校・地域元気アップ支援事業/学校ボランティア

140805岩見沢1

きょうから3日間、県議会子どもの未来創造対策特別委員会による県外視察です。

午前中に福島空港から新千歳空港へ飛び、空港ビル内で昼食をとってから、1時間強ほどバスに乗って岩見沢市へ移動。

岩見沢市は人口8万6,000人強で、小学校は10数人から400人強まで規模はさまざまですが15校、中学校も同様に10数人から600人強まで10校あります。

08年度から文部科学省事業として、学校支援地域本部事業を5つのブロックに分けてスタートさせ、それぞれの地域本部と5人のコーディネーターも配置していましたが、11年度からは事業の名称を「岩見沢市学校・地域元気アップ支援事業」として5ブロックを一つに統合し、コーディネーターも常駐で1人として、学校とボランティアそれぞれにきめ細かな対応をするようにした、とのこと。

140805岩見沢2

具体的には、地域での様ざまな才能や経験を学校に呼び込んで「子どもたちの教育をよりよいものへ」、つねに学び続ける大人を活かす「生涯学習社会の実現」、学校から期待され、学校とかかわることで、この地域に住んでいてよかったと思える「地域の教育力の向上」を主眼とした事業です。

学校ボランティアには保護者、地域住民、大学生、NPOなど200人を超えて登録され、登下校時の安全指導、夏休み・冬休みの学習支援、水泳やスキーの学習支援、柔道など武道授業、裁縫や料理実習など家庭科授業、農業体験、環境整備活動など、広範です。

その推進のためのボランティア登録呼びかけの広報、事業の報告の広報などにも力を入れており、全国どこにでも普及できるとりくみです。

きょうのうちに旭川へ移動しましたが、途中、トイレ休憩で寄った砂川ハイウェイオアシス館で、いわきから北海道へ旅していたかたとばったり。