首都圏の積雪ニュース/いわきは1日雨/体重58kg台/皮下注射/参院予算委で小池副委員長/「日本の科学者」

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早朝のニュースは、首都圏で未明からの降雪と積雪の様子。その影響のことなど一日中のニュースでした。

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【2016.01.18 朝食】

病室から見るいわきの天候はずっと雨模様。雪景色になることはまったくなさそうです。

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月曜日なので、体重計に乗ってみると58.2kg。まぁ、1週間前より100g増ですが、入れたり出したりして上下しながらの数字なので、着実に増えていると思います。

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CHOP療法から1日置いたきょうからは、また白血球を減少させないための皮下注射開始です。3度目の幹細胞採取予定の29日まで連続する予定です。

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午前11時前には、参院予算委で、共産党の小池晃副委員長の質問でした。

日本社会の中で現実に広がる貧困問題に対する安倍首相の認識を含め、消費税増税中止と現実から出発した現実的施策を求める質問でした。

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【2016.01.18 昼食[みかん1個追加です]】

アベの頭には、GDPを人口で割った数字や、お友だちの富裕層・大企業役員の顔しか浮かばないのか、現実を正面から受け止めようとする真剣な態度が見られないことが重大問題です。

小池さんは種々の資料も示していたので、追って紹介する機会も作りたいと思います。

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たまたまきょうは、小池さんの質問とも大いに関係する『日本の科学者』2月号の特集「貧困問題と社会福祉の役割」を読んでいました。

生活保護、介護保険、知的障害者家族、児童養護の現場、特集以外でも、母子世帯、医療ソーシャルワーカーの役割などの論考です。

社会保障のあらゆる分野で顕在化する貧困問題の背景に、ほぼ確実に非正規労働などの不安定就労や生活問題があることが浮き彫りにされているように思います。

日本の憲法は、こうした問題にメスを入れ、人間の尊厳にふさわしい労働と生活を実質化することをめざしているはずです。アベはその憲法破壊を自覚的に実行する恐るべき反立憲主義者です。

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【2016.01.18 夕食】

阪神・淡路大震災21年/「人間の復興」は?/定期外治療時処方薬/「脱原発で地元経済は破綻しない」/「脱原発基本法案」

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きょう、1月17日は、阪神・淡路大震災(1995年)から21年目。

発生時刻の午前5時46分、被災地では黙とうがささげられ、「花は咲く」の合唱の様子がテレビ中継されていました。

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当時、私は全日本民主医療機関連合会(民医連)の事務局に務め、月刊誌『民医連医療』の編集にたずさわっていました。

当日には現地と電話連絡が取れず、何があってどうなっているのかもわからず、緊張と不安な空気が職場をおおっていたことを思い出します。

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【2016.01.17 朝食】

そして今、「20年が期限」と退去を迫られる借り上げ復興公営住宅入居者がいたり、減っているとはいえなくならない復興公営住宅での独居死者。「人間の復興」が成しとげられているのでしょうか? 時を経て「復興災害」が広がってはいないでしょうか?

さて、けさ飲む薬。治療前後に定期以外に処方された薬については、看護師の点検が必ず入ります。

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化学療法の治療日から5日間、朝、昼、夕と飲むプレドニンは、「CHOP」の大事な一員ですが、要するにステロイド剤(合成副腎皮質ホルモン剤)です。

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化学療法による副作用、過敏症を予防・緩和する効果とともに、リンパ球を破壊する働きがあることから、悪性リンパ腫の治療にも用いられる、と説明されています。

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きょうは『脱原発で地元経済は破綻しない』(朴勝俊[パク・スンジュン]著、高文研)を読みました。2013年5月に書き上げ、7月発行の本です。

当時、すぐに読もうと思って購入したことを覚えていますが、なにかにまぎれて「積ん読」状態になってしまいました。

そのほぼ半年前には2012年末総選挙があって、安倍晋三首相が誕生していました。

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【2016.01.17 昼食】

「彼らは福島事故から何ら教訓を得ていない」。「原発に依存しない未来を描いていくこと、その前提として原発地元が自立できる経済と財政のあり方を描くことが、早急に求められています」。

本書の最後の方で、12年末総選挙直前国会の会期末に民主党・共産党を除く100人以上の超党派の議員によって「脱原発基本法案」が提出され、廃案になったことに触れられています。

共産党の見解・考え方は別途記事参照していただくとして、この法案に大きな期待を抱いていたと思われる著者としては、法案はあくまで「議論の一つの出発点の提示」であり、「今後…脱原発のための政策や法案が検討される際には、原発地元の経済や雇用が置き去りにされるようなことはない」ところに問題意識があります。この点、異論はありません。

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【2016.01.17 夕食】

 

知人から3冊の本/「言葉の練り上げ」/テレビ三昧

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気分転換を目的とした2泊3日の自宅外泊もあっという間におしまい、といった感じです。

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帰った初日には、知人から3冊の本が届けられていました。Gちゃん、ありがとうございます。

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そのうちの1冊が『「赤旗」は、言葉をどう練り上げているか』(河邑哲也著、新日本出版社)。ペラペラめくっていたら、私と使い方が違うと思って数年前にメールで問い合わせていた言葉も入っていました。

一般論として、「言葉は時代とともに変わる生き物」であることを踏まえると同時に、「赤旗」は、「真実を伝え、政治と社会の行き詰まりを打ち破る展望を示し、希望を運ぶ」新聞なので、政府の言い分をその具体的内容がわかる言葉に置き換えるところなどに「言葉の練り上げ」の苦労があるんだと思います。

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そんなことに思いをはせつつ、きょうはテレビ三昧。

すべて再放送で、午前中はNHK「鶴瓶の家族に乾杯」。

正午からBS朝日の昼ドラ「新科捜研の女スペシャル」。

これが終わるや午後2時からBS-TBS「弁護士高見沢響子」。

途中で切り上げ、午後4時前には病室着です。

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【2016.01.11 夕食】

未明に目覚めなかった!/雑煮/『ひとりでいいんです』/「女性のひろば」2月号/ペロとじゃれあう

きょうもゆっくりと…

けさ起きたのは午前6時半でしたが、なんと! 夕べから起きるまで未明に目が覚めませんでした! 入院以来あまり記憶がありません。

そういえば、幹細胞採取数日前に熱が出始めてからは、朝のテレビ体操以外の体操はパスしていましたが、きょうは目覚めた時間の関係でもテレビ体操もパスです。

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しかも朝食は今年初めて、「まっとうに」雑煮です。娘に病室に持ってきてもらって口にした時も感動でしたが、やっぱりこうしてテーブルに乗るといっそう感動! 人間が単純にできていてよかったと思います。

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あとわずかだけ読み残していた『ひとりでいいんです』(凡人会・加藤周一、講談社)は読み切りました。

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前も書いたように、この本は「対話と雑談」が中心です。それを、「戦争と憲法」「歴史」「文学と宗教」「芸術」「現代社会」と区分けしていますが、例えば芸術に関しては、映画、絵画がきわめて具体的に目の前に展開しているかのように、目の前に置いてあるかのように話が進むので、その映画も絵画も見たこともない私としてはまずついていけない部分です。

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『女性のひろば』2月号の「もういちど戦争法①『殺し、殺される』迫る2つの危険」、「ミカン畑で語ったこの国の未来 渡部直美×春名なおあき」。

そして「しんぶん赤旗」の1面を題材に、ちょっとだけ勉強。

ネットで「しんぶん赤旗」をさかのぼり、「思いやり予算」「在日米軍関係経費」の図表類の検索。使わせていただきたいと思います。

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ペロとじゃれあうのも外泊時をおいてほかにありません。もっとも、ものの本によれば、化学療法を受ける患者にとって、「ペットとの接触は要注意」は自宅での療養の際の注意点のひとつです。

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「触ったあとは必ず手を洗う」「ペットとのキス、顔をなめさせるのはNG」です。

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自宅でのんびり/「平和憲法の深層」

午前中、仕事があった妻が、午後2時前には病室へ迎えに来てくれ、自宅へ外泊のために戻りました。

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【2016.01.09 朝食】

先月(12月)22日~24日、治療スケジュールが血液の状況によって、主治医の思惑通りにいかなかったことで、急きょ、予定が変更になって外泊して以来です。

よく考えてみなくとも、ここ自宅と今入院している病院とは、歩いて行き来できない距離でもなく、自家用車だと片道10分ほどです。

病室を抜け出して自宅で少し時間を過ごしてその日のうちに病室へもどるのも可能です。さすがにその気はありませんが…

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【2016.01.09 昼食】

そんなわけできょうは、昼食まで病室で過ごし、午後は自宅でのんびりです。

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まあ、未明にはまた目を覚ましたので、『平和憲法の深層』(小関彰一著、ちくま新書)を読み切りました。

『新憲法の誕生』(1989年。私が読んだのは95年の中公文庫版。その後、新版として09年に岩波現代文庫版『日本国憲法の誕生』)の著者の本でもあるからと、昨年発行された本書も読もうと買っていたのでした。

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「本書は、憲法制定過程を扱っているが…従来まったく論じられてこなかった論点が多い。いままでの書物の『常識』が本書では『非常識』となっているため、驚かれる読者も多いと思われる…できる限り事実の正確さに努めた…読者諸氏にとって、日本国憲法の誕生や戦後の成り立ちを考える契機に」してほしい、というものです。

それで「深層」なのでしょうが(しかも、「平和」にかかわって、です)、いまだ、「過程」も未解明なことを知ることができます。

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【2016.01.09 自宅で夕食・蕎麦】

午前1時半から/ブログ・日記・読書/「すごい家電」/「3の日行動」/作家・文芸評論家の「赤旗」紙上新春対談

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さすがにきのうは一日、‘寝過ぎ’でした。きょうは午前1時半にはパッチリと目が覚めてしまいました。

おかげでその時間から、きのうの分のブログ更新、日記書き、読書。『すごい家電』(西田宗千佳著、講談社ブルーバックス)は午前中に読み終えました。

160104朝_R【2016.01.04 朝食】

去年の年末に発行された本で、すでに入院中だったので、広告だけを見て娘に購入をお願いしていました。「IT機器を除く家電全17製品をジャンル分けし、それぞれが稼働する原理やしくみ、発展の歴史を解説」していますが、私としては、中高生ぐらいを対象に、もう少し簡潔明瞭で解説も短いものを期待していました。

160104ニュース_R仕事始めの日のきょうが国会開会日でもあります。そんなことも意識したのか、共産党提唱の国民連合政府にかかわるようなニュースも。

160104体重56届かず_R体重の56kg超えを期待して体重計に乗りましたが、まだです。先週あたり、食後に乗ると56kg超えもあったのですが…

160104入浴2_Rきょうの午前中は入浴日でもありました。

160104ハタ・3日アベ政治を許さない_R「しんぶん赤旗」日刊紙1面では、きのう3日、「アベ政治を許さない」ポスターを掲げる国会前行動の様子の写真が掲載されています。毎月3日午後1時にとりくもうと、作家の澤地久枝さんが提案した行動です(「3の日行動」)。

160104昼_R【2016.01.04 昼食】

4面には全国各地の行動が紹介されています。

160104ハタ・新春対談_Rまた、きょうの「赤旗」の「新春対談」には、作家の高橋源一郎さんと文芸評論家の斎藤美奈子さん。

国民無視のアベ政治に対する国民の世論・運動の昨年来の広がりに当事者として触れながら、民主主義をキーワードに語り合っています。

160104夕_R【2016.01.04 夕食】

12月後半のベッド読書

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今年もきょうでおしまいです。12月後半に入院中に読んだ本の記録です。

『Q&A知っておきたい天皇のいま・むかし』(歴史教育者協議会編、学習の友社)。07年発行で、読む間もなく時が過ぎました。清盛、頼朝、尊氏、義満、信長、秀吉、家康や江戸幕府と天皇との関係なども歴史事実としてあれこれ書かれていて、「へ~!?」と驚きつつ、もう少し押さえておきたい気持ち。

『栄養データはこう読む!』(佐々木敏著、女子栄養大学出版部)。栄養疫学研究をベースにした人間栄養学を身近なものとして知ってもらおうとする著者の意図が感じられます。娘の上司からのお薦めでした。

『山野河海の列島史』(森浩一著、朝日新聞社)。「日本列島をたんねんに歩いて、山野河海に息づく人びとの声に耳を澄ませば、地域に根ざした歴史が浮かび上がってきた」との本書内容紹介にひかれました。

『領土問題をどう解決するか 尖閣、竹島、千島』(志位和夫、新日本出版社)。2010年11月に日ロ領土交渉方針の根本的再検討を求める提言、12年9月に「尖閣」問題での提言をそれぞれ民主党政府相手に発表し、千島、尖閣に限らず、竹島を含め、領土問題への見解をまとめて同年12月発行。政策の明快さを知ってください。

『日本の医療格差は9倍 医師不足の真実』(上昌広著、光文社新書)。医学部の西高東低偏在が医師の西高東低偏在の要因で、その原因は幕末・維新時代にさかのぼる話は初めて聞きました。ともかく、著者による医師不足解消へ向けた提言を正面から受け止めるべきです。

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『Q&A火山噴火127の疑問』(日本火山学会編、講談社ブルーバックス)。日本を取り巻く自然の巨大なエネルギーについて、私たちはもっと謙虚に知り、共存を図るために知恵を発揮すべきだとつくづく思います。

『3・11と憲法』(森英樹・白藤博行・愛敬浩二編著、日本評論社)。2012年3月11日発行で、まさに「3・11」を憲法にかかわる人びとがどう受け止め、解決方向を探ったかを知る改めての機会となりました。

『ドイツは脱原発を選んだ』(ミランダ・A・シュラーズ著、岩波ブックレット)。著者は、2011年3月からドイツ政府原発問題倫理委員会委員を務め、この委員会が11年5月30日、10年以内に全原発を停止という提案答申をメルケル首相に提出しました。本書は11年6月3日、日本での緊急講演会「ドイツは脱原発に舵を切ったーFukushima のインパクト」の講演がもとになっています。

『地域再生の戦略-「交通まちづくり」というアプローチ』(宇都宮浄人著、ちくま新書)。「足」の問題が単に「移動」にとどまらず、歩いて出られなかった人が出歩いて買い物したりすることで、街の売り上げ、つまり自治体の税収が増えたり、健康な人が増えて医療給付・介護給付が減ったり、その他もろもろの効果で住みやすいまちづくりが進められたり、「交通」と「まちづくり」の切っても切れない関係を万人の認識に高めないとならないと思います。

『血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫』(飛内賢正監修、講談社)。「イラスト版」だけにイラストや表の多用で見やすくわかりやすいので、なんとなく全体像が把握できたような気になりました。

『基準値のからくり』(村上道夫・永井孝志・小野恭子・岸本充生著、講談社ブルーバックス)。「基準値は私たちが安全に暮らしていくための重要な基盤であるにもかかわらず、基準値をどのように設定すべきかについての科学は確立しているとは言いがたい」。科学で得られる知見と、政治・行政による規制・調整・政策判断などとの間を埋める「レギュラトリーサイエンス」確立の提唱ともいえます。

『日本酒の科学』(和田美代子著・高橋俊成監修、講談社ブルーバックス)。酒の原材料、麹(こうじ)と酵母(こうぼ)、伝統技など、酒造りにかかわることはもちろん、日本酒と健康との関係の疫学的研究成果も含め、科学面からも日本酒に興味を持てます。

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12月前半のベッ読

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12月前半に入院ベッド、もしくは病室で読んだ本の記録をさせてください。こうして、読もうと思って「積ん読」状態になってしまった本も引っ張り出して意識的にベッド上で「ベッ読」していると、基本的には、新刊本をしっかりと、その時に「ものにする」構えで読みたいものだ、と思ったりしています。

『いわき学講座(Ⅰ)』(夏井芳徳著、歴史春秋社)。著者は高校同級でもあり、大学もいっしょです。中学3年次は陸上競技場で200m走を競った仲です。と言っても彼が当時の県記録保持者で私がかなうところではありませんでした。それはともかく、鳥小屋、水祝儀、墨祝儀、獅子舞、火打(ぶ)ち合い、御行(おんぎょう)、磐城七祭りに関する著者の調査と考察の成果です。(Ⅰ)なのでまだ続きそうです。

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『国会の警告無視で福島原発事故』(吉井英勝著、東洋書店)。本書の神髄は、国際金融資本がエネルギーを含めて投機の対象となる金融商品として牛耳っている認識のもと、原発利益共同体や投機マネーにあやつられない、新しいエネルギーや地域経済のしくみづくりの展望を示してくれているところ。

『福島第一原発事故7つの謎』(NHKスペシャル「メルトダウン」取材班、講談社現代新書)。吉井さんも同様の疑問と問題意識があったとしてこの番組と本書について触れ、参考文献としてもあげています。これらの謎が解明されたわけではありません。「死を眼前にした状況」である当時の現場とともに、「新規制基準」に何が反映されているのか、徹底検証が必要です。

『原発事故を子どもたちにどう伝えるか』(阿部治編、合同出版)。「ESDを通じた学び」とあります。2005~14年は「国連ESDの10年」だったとは知りませんでしたが、ESDは Education for Sustainable Development のことですが、原発事故とESDとの関係というより、人類的に「どう伝えるか」に真摯にとりくむ姿勢に学ばされます。

『旧暦はくらしの羅針盤』(小林弦彦著、NHK出版)。読んで字の如しではあります。新暦は私にとっては生まれてこのかたこの暦ですが、日本で使われ始めて140年。旧暦は604年~1872年の1269年間使われて、どんだけ日本文化に染みついているか、見つめる必要があります。

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『福島を切り捨てるのですか “20ミリシーベルト受忍論”批判』(白井聡/「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟原告団・弁護団著、かもがわブックレット)。原発再稼働・原発輸出と福島切り捨ては表裏一体。「福島」をなかったことにするこの「20ミリ」。

『雇用身分社会』(森岡孝二著、岩波新書)。著者はこれまで、企業中心社会、働きすぎ社会、格差社会、貧困社会などの言葉で日本の労働社会の変化を語ってきましたが、その行き着いた姿がこの「雇用身分社会」だ、と。もちろん、「乗り越える」対象です。

『過労自殺 第二版』(川人博著、岩波新書)、『中高年ブラック派遣』(中沢省吾著、講談社現代新書)、『ルポ 過労社会』(中澤誠著、ちくま新書)は、「雇用身分社会」で森岡さんが参考文献としてあげていた書籍。つくづく、「雇用」と「社会保障」の日本国憲法に基づくしくみづくりの重要性が身にしみます。

『イスラム世界を行く』(緒方靖夫著、新日本出版社)。今からすればイラク戦争直前の時期、2002年に緒方さんたちが中東・湾岸6か国(ヨルダン、イラク、エジプト、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦)を訪問した「ルポ」です。

『見上げれば、必ずどこかに青空が』(樋野興夫[ひの・おきお]著、ビジネス社)。著者は2008年に「がん哲学外来」を創始しました。患者12人、その家族5人、友人・知人3人、年代別では20代2人、30代・40代3人ずつ、50代7人、60代4人、70代1人の計20人の「外来患者」への「言葉の処方せん」です。いわきでも、こうした「がん外来サロン」に努力する医師が新聞で紹介されていたと思います。

『科学的社会主義の理論の発展』(不破哲三著、学習の友社)。「資本論」に関する不破さんの「発掘・追跡・探究」のエッセンスだし、民青中央での講義の「労働者向け」版と言ったらいいのでしょうか。

『大事なことは憲法が教えてくれる』(森英樹著、新日本出版社)。アベは人類の歴史に対し不誠実で、日本国憲法など歯牙にもかけないわけですが、立憲主義・民主主義・平和主義を取り戻すうえで、憲法を身近に引き寄せるクセを身に着ける必要を感じます。

11月後半のベッ読

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すでに師走ですが、先月(11月)後半に、入院ベッド上で読んだ本の記録です。私のただの記録ですので勘弁してください。お勧めするわけではありません。

『自然の謎と科学のロマン㊤ 宇宙と物質・編』(新日本出版社)は、雑誌『前衛』02年7月号~03年10月号連載をもとに10年前に発刊された本です。この中にノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章さんの「ニュートリノの謎にいどむ」が掲載されていて、「しんぶん赤旗」の連日の広告に触発され、家の戸棚から取り出してもらいました。

『世界史再入門』(浜林正夫著、講談社学術文庫)。原本は91年発行で、08年の文庫化で「第8章 二一世紀はどういう世紀か」が加筆されています。民族の自立や生産力の発展を民主主義とのかかわりでとらえなおすことと、日本に民主主義を根づかせることを世界史との関連で位置づけることとは不可分、と著者は言います。

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『社会保障改革のゆくえを読む』(伊藤周平著、自治体研究社)。「社会保障・税一体改革」の本質から説き起こし、安倍政権の社会保障改革の考え方、個別分野の問題に切り込み、望ましい改革方向を提示します。

『今あるガンが消えていく食事』(済陽高穂著、マキノ出版)。がん闘病の先輩が勧めてくれました。「ガンと食事」の関連について、消化器外科が専門の著者による研究成果や治療体験が語られます。

『人間らしく働き生きる 労働者・労働組合の権利』(萬井隆令[よろい・たかよし]著、学習の友社)。「法律論争をする疑似体験をしてもらう工夫」もしている権利のためにたたかう本です。

『教育委員会改革の展望』(藤森毅著、新日本出版社)。“残った”教育委員会、そして教育委員会発足時から今回の改定によっても変わらない「3つの根本方針」、新たに設けられた新「教育長」、「大綱」、「総合教育会議」。どうとらえ、どう展望するか。私は昨年の12月県議会でそのさわりに触れました。

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『福祉国家型地方自治と公務労働』(二宮厚美・田中章史著、大月書店)。以前にも紹介したのですが、若い公務員の2人が一緒になるというのでつい。「階級制」「公共性」「専門性」を地域の現場で発揮し、新しい公務員の姿を明らかにしよう、という呼びかけの書でもあります。

網野善彦さんの『海と列島の中世』(講談社学術文庫)、『海民と日本社会』(新人物往来社)。前者が1986~90年、後者が94~97年の講演記録。海の交通路を通して開かれた列島の姿を浮き彫りにする網野史学の世界です。

『地域づくりの経済学入門』(岡田知弘著、自治体研究社)。「地域内再投資力論」を副題に05年に発行された本です。地域の持続的発展と住民自治の結合の大事さが、各地の実践から裏付けられます。そしてこれからの地方自治の姿が示されます。

『ルポ 母子家庭』(小林未希著、ちくま新書)。ルポの中にさまざまな統計資料の数値を織り交ぜて現実を補強しつつ、母子問題は、男の問題であり、育てられる子どもの問題であり、人権問題であることを訴えます。

『これならわかる パレスチナとイスラエルの歴史Q&A』(野口宏著、大月書店)。10年前の本。宗教や聖書の記述に紛争の原因を求めるのではなく、人と人との争いの原因は事実そのものの中にある、という立場で書かれます。その事実そのものが複雑に絡みあっているようで、私にはなかなか解きほぐせずにいるのです。

11月前半のベッ読

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11月前半にベッド上で読んだ本の記録で、「積ん読」ならぬ「ベッ読」です。私の記録なので勘弁してください。積ん読になりかけていた本も含みます。お勧め本を掲載するわけではありません。

『異常気象と地球温暖化』(鬼頭昭雄著、岩波書店)。カバー裏の「IPCC報告書の執筆者が、異常気象と温暖化の関係を解きほぐし、変動する気候の過去・現在・未来を語る」の文言にひかれて購入した記憶があります。読み切るまで中断がありました。

『明治維新と現代』(遠山茂樹著、岩波新書)。私にとって「積ん読」本の典型。10年ほど前に、幕末・維新史に触れたいと思って購入したはずの本。先月の『海舟語録』に刺激されたこともありますが、通史的知識を前提に、問題別に叙述されています。

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『検証 御嶽山噴火』(信濃毎日新聞社)。信濃毎日新聞の今年1月~6月に計68回掲載した連載企画記事、および3回の特集記事をまとめたものです。昨年(2014年)9月27日の正午直前の噴火により、犠牲者58人、行方不明者5人、けが人69人という戦後最大の火山災害となりました。「防げなかったのか」とはだれでも思うと思います。県内の吾妻山、安達太良山、磐梯山、という火山でこれを繰り返さない態勢・しくみをつくることが求められます。

『リンパの科学』(加藤征治著、講談社ブルーバックス)。2年ほど前、リンパや骨や肝臓など、具体的な名前ごとの一般向け書籍が目立った記憶がありますが、半分ほど読んでから「積ん読」状態。リンパにかかわる治療が始まって読み切りました。

『ニセ科学を見抜くセンス』(佐巻健男著、新日本出版社)。理科教育の専門家としての著者として、「ニセ科学」が学校にまで影響を及ぼしていることに危機感をもって書いています。EM、マイナスイオン、サプリメント、ホメオパシー、血液サラサラ…「効果」「安全」…、ついひかれそうです。

『科学者は戦争で何をしたか』(益川敏英著、集英社新書)。ノーベル賞を受賞する研究をしながら労働者・市民とともにデモや集会に参加していた著者。恩師・坂田昌一氏の「科学者である前に人間であれ」の言葉をそのまま生きざまにしている益川さんです。

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『マイナンバー制度』(白石孝・清水雅彦著、自治体研究社)。「分かりにくく複雑な制度」なので「制度を知り、その危険性を理解し、意見と行動につなげ」ることを訴えています。官民分野で広範囲に利用する共通番号制度にさせてはならないことが強調されます。

『学力幻想』(小玉重夫著、ちくま新書)。学力に関して、「学力ってなんだ」という単純な関心から県教育庁と議論したいものです。それとかみ合うかはともかく、著者は「学力問題を私的・個人的な問題としてではなく、かつての明治維新や戦後改革期のように統治機構の改革と結びついた政治的な問題としてとらえる」重要性と、「教育政治学の創成」を言っていて、共感します。

『日本共産党と中韓』(筆坂秀世著、ワニブックス)。書店で「科学者は戦争で…」と並んでいたので。ちょっと何が言いたいのか、要はご自分のこの10年の立場をご自分に納得させようとしているのか…