12月後半のベッド読書

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今年もきょうでおしまいです。12月後半に入院中に読んだ本の記録です。

『Q&A知っておきたい天皇のいま・むかし』(歴史教育者協議会編、学習の友社)。07年発行で、読む間もなく時が過ぎました。清盛、頼朝、尊氏、義満、信長、秀吉、家康や江戸幕府と天皇との関係なども歴史事実としてあれこれ書かれていて、「へ~!?」と驚きつつ、もう少し押さえておきたい気持ち。

『栄養データはこう読む!』(佐々木敏著、女子栄養大学出版部)。栄養疫学研究をベースにした人間栄養学を身近なものとして知ってもらおうとする著者の意図が感じられます。娘の上司からのお薦めでした。

『山野河海の列島史』(森浩一著、朝日新聞社)。「日本列島をたんねんに歩いて、山野河海に息づく人びとの声に耳を澄ませば、地域に根ざした歴史が浮かび上がってきた」との本書内容紹介にひかれました。

『領土問題をどう解決するか 尖閣、竹島、千島』(志位和夫、新日本出版社)。2010年11月に日ロ領土交渉方針の根本的再検討を求める提言、12年9月に「尖閣」問題での提言をそれぞれ民主党政府相手に発表し、千島、尖閣に限らず、竹島を含め、領土問題への見解をまとめて同年12月発行。政策の明快さを知ってください。

『日本の医療格差は9倍 医師不足の真実』(上昌広著、光文社新書)。医学部の西高東低偏在が医師の西高東低偏在の要因で、その原因は幕末・維新時代にさかのぼる話は初めて聞きました。ともかく、著者による医師不足解消へ向けた提言を正面から受け止めるべきです。

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『Q&A火山噴火127の疑問』(日本火山学会編、講談社ブルーバックス)。日本を取り巻く自然の巨大なエネルギーについて、私たちはもっと謙虚に知り、共存を図るために知恵を発揮すべきだとつくづく思います。

『3・11と憲法』(森英樹・白藤博行・愛敬浩二編著、日本評論社)。2012年3月11日発行で、まさに「3・11」を憲法にかかわる人びとがどう受け止め、解決方向を探ったかを知る改めての機会となりました。

『ドイツは脱原発を選んだ』(ミランダ・A・シュラーズ著、岩波ブックレット)。著者は、2011年3月からドイツ政府原発問題倫理委員会委員を務め、この委員会が11年5月30日、10年以内に全原発を停止という提案答申をメルケル首相に提出しました。本書は11年6月3日、日本での緊急講演会「ドイツは脱原発に舵を切ったーFukushima のインパクト」の講演がもとになっています。

『地域再生の戦略-「交通まちづくり」というアプローチ』(宇都宮浄人著、ちくま新書)。「足」の問題が単に「移動」にとどまらず、歩いて出られなかった人が出歩いて買い物したりすることで、街の売り上げ、つまり自治体の税収が増えたり、健康な人が増えて医療給付・介護給付が減ったり、その他もろもろの効果で住みやすいまちづくりが進められたり、「交通」と「まちづくり」の切っても切れない関係を万人の認識に高めないとならないと思います。

『血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫』(飛内賢正監修、講談社)。「イラスト版」だけにイラストや表の多用で見やすくわかりやすいので、なんとなく全体像が把握できたような気になりました。

『基準値のからくり』(村上道夫・永井孝志・小野恭子・岸本充生著、講談社ブルーバックス)。「基準値は私たちが安全に暮らしていくための重要な基盤であるにもかかわらず、基準値をどのように設定すべきかについての科学は確立しているとは言いがたい」。科学で得られる知見と、政治・行政による規制・調整・政策判断などとの間を埋める「レギュラトリーサイエンス」確立の提唱ともいえます。

『日本酒の科学』(和田美代子著・高橋俊成監修、講談社ブルーバックス)。酒の原材料、麹(こうじ)と酵母(こうぼ)、伝統技など、酒造りにかかわることはもちろん、日本酒と健康との関係の疫学的研究成果も含め、科学面からも日本酒に興味を持てます。

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