資本論の発掘・追跡・探求/税金を払わない巨大企業

150802資本論・巨大企業

『マルクス「資本論」 発掘・追跡・探求』(不破哲三著、新日本出版社)、それに『税金を払わない巨大企業』(富岡幸雄著、文春新書)を読みました。

「資本論」は、不破さんが昨年(2014年)、いろいろな場で話したことがもとになっています。

未来社会論と過渡期論、恐慌論、社会的変革の主体的条件形成過程について、いずれもこれまでの「資本論」の読み方として、埋もれていたテーマだそうです。

不破さんは、というか日本共産党は、「マルクスをマルクス自身の歴史のなかで読む」ことをモットーにするわけですが、そうすると、大枠はともかく、エンゲルスやレーニンの誤解や誤りも浮き彫りにされます。

民青同盟主催の今年5月の「マルクスと友達になろう」セミナーはこの本を凝縮したエッセンス。

141215商工新聞・富岡幸雄

「巨大企業」は、昨年12月15日の「全国商工新聞」の1面に著者のインタビュー記事があって、それを見て購入して読み始めたものの、議会都合や個人的都合で中断してしまい、きのうの四倉でのつどいで大企業が実は税金をろくに払っていないことが話題になって、また思い出して読み切りました。

オビには「ソフトバンク0.006% 純利益788億8500万円→納税額500万円」、「ユニクロ6.92% 純利益756億5300万円→納税額52億3300億円」とあります。

これは、2013年3月期に、税引前純利益が一期で600億円以上ある大企業の実際の納税額の負担割合である実効税負担率を著者が調べたものです。

商工新聞には2014年3月期の表が掲載されていました。

大企業が実際に納税している実効税負担率は、法定正味税率をはるかに下回り、諸外国の法人税よりも低いことが一目瞭然です。

日本の税制の欠陥は、特定の大企業や高所得の資産家に対する優遇税制や欠陥税制の存在です。これをなくせば、消費税増税どころか、消費税などいらない、というのか、「税の表も裏も知りつくした」著者の「遺言」です。

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