12月前半のベッ読

151222十二月前半

12月前半に入院ベッド、もしくは病室で読んだ本の記録をさせてください。こうして、読もうと思って「積ん読」状態になってしまった本も引っ張り出して意識的にベッド上で「ベッ読」していると、基本的には、新刊本をしっかりと、その時に「ものにする」構えで読みたいものだ、と思ったりしています。

『いわき学講座(Ⅰ)』(夏井芳徳著、歴史春秋社)。著者は高校同級でもあり、大学もいっしょです。中学3年次は陸上競技場で200m走を競った仲です。と言っても彼が当時の県記録保持者で私がかなうところではありませんでした。それはともかく、鳥小屋、水祝儀、墨祝儀、獅子舞、火打(ぶ)ち合い、御行(おんぎょう)、磐城七祭りに関する著者の調査と考察の成果です。(Ⅰ)なのでまだ続きそうです。

151219コンサート会場

『国会の警告無視で福島原発事故』(吉井英勝著、東洋書店)。本書の神髄は、国際金融資本がエネルギーを含めて投機の対象となる金融商品として牛耳っている認識のもと、原発利益共同体や投機マネーにあやつられない、新しいエネルギーや地域経済のしくみづくりの展望を示してくれているところ。

『福島第一原発事故7つの謎』(NHKスペシャル「メルトダウン」取材班、講談社現代新書)。吉井さんも同様の疑問と問題意識があったとしてこの番組と本書について触れ、参考文献としてもあげています。これらの謎が解明されたわけではありません。「死を眼前にした状況」である当時の現場とともに、「新規制基準」に何が反映されているのか、徹底検証が必要です。

『原発事故を子どもたちにどう伝えるか』(阿部治編、合同出版)。「ESDを通じた学び」とあります。2005~14年は「国連ESDの10年」だったとは知りませんでしたが、ESDは Education for Sustainable Development のことですが、原発事故とESDとの関係というより、人類的に「どう伝えるか」に真摯にとりくむ姿勢に学ばされます。

『旧暦はくらしの羅針盤』(小林弦彦著、NHK出版)。読んで字の如しではあります。新暦は私にとっては生まれてこのかたこの暦ですが、日本で使われ始めて140年。旧暦は604年~1872年の1269年間使われて、どんだけ日本文化に染みついているか、見つめる必要があります。

151221ダンベル体操

『福島を切り捨てるのですか “20ミリシーベルト受忍論”批判』(白井聡/「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟原告団・弁護団著、かもがわブックレット)。原発再稼働・原発輸出と福島切り捨ては表裏一体。「福島」をなかったことにするこの「20ミリ」。

『雇用身分社会』(森岡孝二著、岩波新書)。著者はこれまで、企業中心社会、働きすぎ社会、格差社会、貧困社会などの言葉で日本の労働社会の変化を語ってきましたが、その行き着いた姿がこの「雇用身分社会」だ、と。もちろん、「乗り越える」対象です。

『過労自殺 第二版』(川人博著、岩波新書)、『中高年ブラック派遣』(中沢省吾著、講談社現代新書)、『ルポ 過労社会』(中澤誠著、ちくま新書)は、「雇用身分社会」で森岡さんが参考文献としてあげていた書籍。つくづく、「雇用」と「社会保障」の日本国憲法に基づくしくみづくりの重要性が身にしみます。

『イスラム世界を行く』(緒方靖夫著、新日本出版社)。今からすればイラク戦争直前の時期、2002年に緒方さんたちが中東・湾岸6か国(ヨルダン、イラク、エジプト、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦)を訪問した「ルポ」です。

『見上げれば、必ずどこかに青空が』(樋野興夫[ひの・おきお]著、ビジネス社)。著者は2008年に「がん哲学外来」を創始しました。患者12人、その家族5人、友人・知人3人、年代別では20代2人、30代・40代3人ずつ、50代7人、60代4人、70代1人の計20人の「外来患者」への「言葉の処方せん」です。いわきでも、こうした「がん外来サロン」に努力する医師が新聞で紹介されていたと思います。

『科学的社会主義の理論の発展』(不破哲三著、学習の友社)。「資本論」に関する不破さんの「発掘・追跡・探究」のエッセンスだし、民青中央での講義の「労働者向け」版と言ったらいいのでしょうか。

『大事なことは憲法が教えてくれる』(森英樹著、新日本出版社)。アベは人類の歴史に対し不誠実で、日本国憲法など歯牙にもかけないわけですが、立憲主義・民主主義・平和主義を取り戻すうえで、憲法を身近に引き寄せるクセを身に着ける必要を感じます。

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