保育制度改革

『保育制度改革と児童福祉法のゆくえ』(伊藤周平著、かもがわ出版)を読みました。

自公政権のもと、厚労省所管の社会保障審議会少子化対策特別部会が昨年2月、市町村が保育義務を負う現在の公的保育制度を解体し、介護保険をモデルにした直接契約方式をとる新保育制度案を提案しました。

この提案は、民主党政権になっても白紙撤回されないばかりか、やはり自公政権時代に設置、任命された特別部会の保育第一・第二専門委員会の委員のもとで、保育制度改革の議論が、厚労省主導で進められています。

ここで検討されている新保育制度が導入されれば、児童福祉法は、憲法25条を児童福祉の分野で実現する法から、契約制度と応益負担を基本原理とする、市場原理に立脚した法制度へと大きく変容することになります。

保育を商品化し、子どもたちを金もうけの対象にしようとする新保育制度の諸問題を明らかにしています。

ネイチャーは警告する

『ネイチャーは警告する?』(池内了講演録、ほっとブックス新栄)を読みました。

04年4月の「池内了、大いに語る」と題した「エネルギー・環境問題の現在」の講演と質疑、そして今年3月に愛知県保険医協会創立60周年記念市民公開講座「科学の楽しみと科学者の社会的責任」の講演と質疑応答を一冊にまとめたものです。

著者は宇宙物理が専門ですが、「どうもおちこぼれ…学問の進展が非常に早くて…私のようなアイデアだけで勝負するタイプはもうダメになっちゃった…科学と社会にかかわる問題を議論してみよう」と、研究方針を大きく変えたんだそうです。

「科学者であることによって物事をよく知っている。そしてそれが変化すればどうなるかを想像できます。その限界がどこにあるかがだいたい分かる。これは科学者でなければできません。それが分かれば、社会に対して警鐘を鳴らす、何らかの言葉をかけるという社会的責任がある」という著者による、自然界からの警鐘と人間の生き方を語ってくれる書です。

プルサーマル/「市は市民の立場で臨むべき」

以下は、「日々の新聞」8月31日号に、福島県知事によるプルサーマル受け入れ表明にかかわり、「いわき市原発の安全性を求める会代表」として掲載された一文です。

私たちは8月19日、市長に対し、「プルサーマルの受け入れを表明した福島県知事に対し、『十二分の説明』を求めるとともに、実施中止を求める」要請をしました。

これは、6月市議会の質疑で市長が県によるプルサーマル導入に関しての所見を求められ、“プルサーマルをオーケーと言った時点で県には十二分に説明責任がある。説明については県に求めたい”との趣旨の答弁を受けての要請です。

プルサーマルは、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムをウランと混合したMOX燃料を、ウラン燃料を使うことしか想定していなかった通常の原発で使います。

プルトニウムはウランよりもはるかに放射性毒性が強く、きびしい放射線安全管理が必要な物質です。炉内での燃料損傷、原子炉制御への影響、冷却水喪失事故・炉心暴走事故などに関する実証的検証がこれまで以上に必要なはずです。

チェルノブイリ原発事故では、高濃度汚染地域が半径270kmに達したと言われます。いわき市は、原発立地町の隣接自治体です。他人事ではすまないはずで、市民の安全と安心に責任をもつ自治体として、主体的にかかわるべきだと思います。

私は、全国で初めてプルサーマル導入を事前了解した(1998年)福島県が、「白紙撤回」した背景が重要だと思います。福島県エネルギー政策検討会の「中間とりまとめ」(02年9月)は、「国策として一旦決めた方針は、国民や立地地域住民の意向がどうあれ、国家的な見地から一切変えないとする一方で、自らの都合により、いとも簡単に計画を変更する…ブルドーザーが突進するような進め方は…地域の存在を左右する」と指摘しています。

この検討会は01年5月21日に設置が決められ、5月31日には「県民の意見を聴く会」が開かれ、6月12日に第1回の会合後、02年1月7日の第11回の会合では、「中間とりまとめ」の土台となるエネルギー政策検討にかかるおもな論点が整理されていました。

その後、02年8月5日の原子力委員会との意見交換会や、8月29日に公表された「原子力発電所における自主点検作業に係る不正問題」を受け、9月19日に「中間とりまとめ」がまとめられました。

不正問題については、「これまでのエネルギー政策検討会で指摘してきたことがまさに現実の問題として顕在化したもの」としています。

そして「検討会で指摘してきたこと」には、プルサーマルを含めた核燃料サイクルに対する根本的疑問があるのです。その疑問がいっこうに解消されないままのプルサーマル導入受け入れに対し、市は市民の立場で臨むべきです。 

暗い4時半/「草花スケッチの会」/権力闘争

日刊の「しんぶん赤旗」を配達する日は朝4時半起きですが、ずいぶんと暗くなってきました。

木曜日朝の定時定点は、三叉路で六方向に出勤するみなさん。なかには利用者を迎えに行く介護事業所の車もあれば、お子さんを学校に送る車もあります。立っているとよくわかるようになります。

「草花スケッチの会」のみなさんの展示会がありました。あさって4日まで、いわき市文化センター4階です。作品を出品しているおひとりが、毎週月曜日朝の定時定点に出てきているかた。

会場に行くと、さすがに絵に「精通」されているかたも来ていて、作品を見ながら、「花の茎の描き方を工夫するともっと広い感じの花畑を描ける」「前の花の色と後ろの花の色を少し変えると風が吹く感じが出る」などとアドバイスする人もいたりして、なるほど、と思いながら有意義な鑑賞でした。

それにしても民主党の代表選。小沢一郎さんが出てくること自体、民主党の自浄能力のなさをさらけ出しているのですが、私たち庶民の暮らしの苦難をどう打開するか、まったく見えません。

自民党時代の権力闘争とどう違うのかを説明してほしいです。

朝から汗/担任の先生や後輩/炭住のお宮様

けさの定時定点の街宣は福島高専近くの街道沿いでしたが、朝から日照りが強く、話していながら汗が背中を伝わるのがよくわかりました。

そんななか、通勤されるみなさんからの声援が身にしみます。

きょうは私が生まれ育った内郷(うちごう)地域で街頭からの訴えと訪問。

小学校の担任の先生とも40年ぶりぐらいに再会したり、あるお宅では、この地域ではいつも街頭から話しているので、「わかるような話になっていますか?」と聞くと、「長谷部さんが中三のときの一年生で、後輩なんです。活躍してほしいと思っていました」と。びっくりです。

そしたらその近所では、「生協病院の医者と私は親戚なんです。事務長をされていたんでしょう?」と。これまたびっくり。

かつての炭鉱住宅地域でもあり、その名残りらしきお宮様もありました。

小名浜での定時定点と訪問/激励に感謝

小名浜での定時定点の街宣後、きょうは一日、小名浜地域を中心に、医療生協でお世話になっているみなさんなどをたずねました。

6月下旬の医療生協総代会以来のかたも多く、「こんなに暑いのに」「あら、久しぶりね」の対話から始まるのですが、「今度こそは」「私も広げるからね」と、励まされます。

なかには、参院選時に初めてお会いしたかたもあれば、成り行き上、選挙のたびにたずねていたお宅もあり、さまざまなのですが、激励されるお言葉に、ほんとうに感謝です。

海岸沿いなので、鰹節屋さんもたずねました。

定時定点/清掃デー/訪問/胎動

月曜日朝はわが家にいちばん近い場所での定時定点の街宣。きょうも近所の後援会員がいっしょに宣伝に立ってくれました。

きょうは私のもともとの職場である小名浜生協病院職員の清掃デー。病院敷地内の花壇などの草むしりがおもな作業。その様子を見て、受診に来た患者さんが草刈りの効率的しかたを教えてくれたりします。

夕刻にはある団地の「しんぶん赤旗」読者や支持者宅をたずねました。

ちょうどテレピで民主党代表選報道を見ていたかたは、「民主党のあのざまにはほんとうにあきれるほかにない。自民党と何も変わらない。政治を変えるのに頼れるのは共産党しかないじゃないか」と。

また別のかたからは、「参院選では共産党の政策的提案が伝わらなかった。反対ばかりの印象を払拭してほしい。応援したい」と。

政治を変えたい、という胎動を感じる日々です。

母親大会2日目/原発、プルサーマル分科会/「原発文化」

第56回母親大会の2日目。

きのうは妻といわきから2人で福島市へ向かいましたが、きょうは妻の知り合いも参加する、ということで、きのうに続き、私の運転で会場の福島大学へ。

昼休みに、ばったりと会った会津からの参加者は、「この大学内での分科会はどこもいっぱい」とのこと。35の教室で分科会が行なわれているのですが、確かに、休憩中に各教室をのぞくと、どの席にも参加者の荷物が置かれている様子。私は「原発、プルサーマル」分科会に参加していたのですが、主催者側の意に反して、教室はいっぱい。

当初は限られた人数の参加者全員に発言してもらって原発立地地域の交流を深めようとの思惑だったらしいのですが、そうはいかなくなったようでした。

私はこうした全国から集まるみなさんが原発、プルサーマルに関してどんな思い、意見をお持ちなのかに興味があったわけですが、ずいぶんと刺激を受けました。

ともかく、日本に原発があることで、「情報の秘匿」、「世論操作」、「金権体質」という原子力発電にまつわる3つの特質(清水修二福大教授の指摘)が、プルサーマルによってますます強まるであろうし、こうした「原発文化」と言っていい事態に、国民の暮らしの視点からエネルギー文化を醸成することの大切さと困難さを感じたしだいです。

母親大会/フラダンス/黒字の国家財政

第56回日本母親大会が福島県内のあづま総合体育館でありました。

文化行事で「フラ・タヒティアンダンス」が行なわれるにいたるには、私も少しだけかかわっていたので、行かないわけにはいきませんでした。

子どもたちのダンスも含め、期待どおりのすばらしいフラダンスでした。

参加したもうひとつの目的は、日野秀逸さんの記念講演「平和と健康は幸福の必要条件―憲法的人間像を求めて」。

会場がどよめいたのが、日本は借金大国であることは間違いないが、それ以上の資産があり、常識的にはこういう場合、日本の国家財政は黒字、という話。

この図は、日野さんの著書『社会保障拡充の方向と消費税』(本の泉社マイブックレットNo12)から。

帰る途中のサービスエリアで、さっきフラダンスを披露していただいたみなさんとばったり。教室主宰のリノラニあゆみさんとも。舞台を降りてからも参加者のみなさんからねぎらいの拍手と歓声があり、踊ったみんなが感激していた、とのこと。なんだか私もホッとしました。

短時間の場面/介護をめぐる懇談/街宣

けさの定時定点の街宣時、高校同級生が2人、新盆でたずねたお宅のだんなさんから声援をいただきました。短時間にこういう場面はそうありません。

きょうは午前と夕刻に街宣、午後の時間帯は訪問。

訪問先では夜間専門のヘルパーさんに招かれ、しばしの懇談となりました。ヘルパーが本来したい仕事と現実との乖離、介護保険制度のもとでのヘルパーと事業所との矛盾、行政がそこに目が向かない現実、まして福島県が小名浜の東の沖合いに人工島を造るのに税金を使っているとは知らなかったし、ご自身も通ってみた車が通らないあぶくま高原道路は何のため?  と大いなる疑問をぶつけられました。

街宣場所には近所からバイクで駆けつけてくれたり、小・中学校の同級生が出てきてくれたり。子どもたちが「何かお手伝いしましょうか」と言ってくれる場面もありました。