『ネイチャーは警告する?』(池内了講演録、ほっとブックス新栄)を読みました。
04年4月の「池内了、大いに語る」と題した「エネルギー・環境問題の現在」の講演と質疑、そして今年3月に愛知県保険医協会創立60周年記念市民公開講座「科学の楽しみと科学者の社会的責任」の講演と質疑応答を一冊にまとめたものです。
著者は宇宙物理が専門ですが、「どうもおちこぼれ…学問の進展が非常に早くて…私のようなアイデアだけで勝負するタイプはもうダメになっちゃった…科学と社会にかかわる問題を議論してみよう」と、研究方針を大きく変えたんだそうです。
「科学者であることによって物事をよく知っている。そしてそれが変化すればどうなるかを想像できます。その限界がどこにあるかがだいたい分かる。これは科学者でなければできません。それが分かれば、社会に対して警鐘を鳴らす、何らかの言葉をかけるという社会的責任がある」という著者による、自然界からの警鐘と人間の生き方を語ってくれる書です。