いびつな収益構造/「初めて知った」と大臣/昨年公開済み

東京電力がもうけの9割を家庭向けなど規制部門から得る一方、企業向けの自由化部門からはわずか1割という収益構造について、枝野経産相は23日、「この利益割合の具体的な数字が、経産省も初めてわかった。いままでは出せといっても出してこなかった」と言った、とのこと(BSフジ「プライムニュース」)。

この資料は昨年、政府が設置した「東京電力に関する経営・財務調査委員会」が10月3日に発表した委員会報告に「東京電力の販売電力量・損益構造」としてそのグラフが公表されていました。

これをもとに「しんぶん赤旗」は10月13日付でそのグラフ入りで記事を掲載していました。11月5日付では、家庭向けと企業向けの料金についての図も掲載しています。

半年以上も前に公表されていて、この収益構造に国民の怒りが広がり始めたら「初めて知った」と担当大臣。お粗末もきわまれり。

自由化部門を優遇してきた「いびつな収益構造」にしっかりとメスを入れなければならないのは当然です。

申入れ準備/想定内の対策を避けた/知事の姿勢

来週の6月1日には、6月定例県議会へ向けた知事申入れをします。

先日の政調会を受け、党県議団として準備を始めています。

私個人としては、きのうの東電福島原子力被害者支援対策本部福島地域支援室長が「天災か人災かと二者択一を迫られたときに、天災と言ってきた」ということと、2月県議会で佐藤雄平知事が「人災」と言うことを意識的に避けた態度をとったことが重なってしまい、あらためて調べました。

昨年12月26日の政府による「東京電力原子力発電所における事故調査・検証委員会」の「中間報告」によれば、東電社内ですでに2008年、福島第一原発敷地南部で最大15.7mの津波の高さに至ることが報告されています(396~398ページ)。

今月15日に東電は、2006年に、福島第一原発が津波ですべての電源を失う可能性を承知していたことを認めました。

同じく17日には、同じ06年、原子力安全委員会が原発の耐震審査指針を改定する際、原子力安全・保安院が、旧指針のままでも原発災害を防止するうえで支障がないことを明示するよう、安全委に文書で要求していたことが明らかになりました。

要するに、想定された事態への対策を意識的に避けてきた東電・国の姿勢は明らかです。

福島地域支援室長が言った「事前の備えが至らなかった」のは、東電・国による意図だったのです。

意図によって引き起こされた事故は人災にほかなりません。

人災と認めると、原発を推進してきた知事自らの責任が問われるから触れない、と勘繰られてもいたしかたのない知事の姿勢は改めるべきです。

特別委/県が県民を守る役割/東電申入れ/「天災」

午前中、県議会の「子育て・健康・医療対策特別委員会」がありました。

健康診査、がん検診、ホールボディカウンター検査については、県外への避難者を含め、誰もが安心してかかれるよう、自己負担は無料もしくは低額でできるように求める意見が相次ぎました。私ももちろん最初に。

執行部は、健康診査は各健康保険が実施し、がん検診は市町村が実施主体で、それぞれが自己負担金額を決めており、県が手を出す領域ではないかのような従来の説明にとどまりました。

執行部退席後の委員による意見交換で私は、原発事故後のこうした事態のもと、保険者や市町村まかせでなく、広域自治体である県が県民の命と健康を守る姿勢が求められていることを強調しました。

午後は、県庁近くの東京電力に出向き、「原発問題福島県民連絡会」(早川篤雄代表)と、私が代表をつとめる「いわき市原発の安全性を求める会」の連名で申し入れ。

原発事故が人災であることを認めて事故収束に全力をあげること、福島原発全基を廃炉にすること、双葉断層の活動に万全の対策をすること、完全賠償をすること、コスト優先で事故処理作業の先送りをしないこと、原発労働者の労働条件の改善を求めました。

福島原子力被害者支援対策本部福島地域支援室長の林孝之氏が応対してくれましたが、「事故が人災か天災かと問われれば、個人的には天災と言ってきた」、「廃炉は未定」、「請負会社の雇用者についてものは言えない」といった言葉に東電の現在の対応の本質が浮き彫りだと思います。

事故前の姿勢と何も変わりがないのです。

林氏が言う「事前の備えに至らなかった点がある」ことこそ、人災の根拠なのに、それが東電の世界では天災になるのです。

政調会/県内地域医療と県の責任/活動者会議報告

6月19日開会予定の6月議会へ向け、県執行部が用意する議案などについて各部から聞く政調会がありました。

説明を受けたのは、保健福祉部、生活環境部、総務部、農林水産府、企画調整部、商工労働部、土木部、教育庁。

10月から18歳以下の県民の医療費無料化のための助成、警戒区域の一部見直しに伴って新たに実施可能となった災害復旧事業、当初予算時には見積もれなかった県立高校の施設などの復旧事業、災害救助費や避難者への情報提供経費、などなどで、総額は調整中ですが、750億円を超える補正規模になりそうです。

私が保健福祉部であえて聞いたのは、「浜通り地方医療復興計画」にからめて県の地域医療政策づくりへのかかわりかたです。

いわき市にも市内の地域医療対策のための協議会がありますが、県はそのメンバーではありません。その県が、いわき地域の医療計画を作成します。

計画作成の責任機関として協議会に参画することは当然だと思うので、主体的にかかわることを求めました。「市からの要請はないから」という話ではないと思いますが、ともかく、県として、要請があれば積極的に応えたい、とのことなので、そうしてほしいと思います。

政調会後、きょう行なわれた党の全国活動者会議の報告録画を視聴し、意見交換しました。

社会保障・税特別委/佐々木憲昭質問/消費税増税不要

「消費税増税の必要はない」と言って政権を「奪取」した民主党が、自民党から「消費税増税を決断せよ」と迫られて、いまや「政治生命」をかけて消費税増税を実施したい、という局面です。バカバカしいことこのうえない事態です。

自民・民主が圧倒的多数を占める国会審議は、「見ているだけで頭にくる」という声が私のところにさえ毎日寄せられます。

そんななか、きのうの衆院社会保障・税特別委員会での佐々木憲昭議員の質問は、消費税増税論がまったく成り立たないことを明快に示してくれました。

大企業の税負担は財界の要望のままに減り続け、庶民の負担は今後3年間で20兆円の増加。

大企業は中小企業よりも税負担が軽く、ため込み金(内部留保)はふくれるばかり。

まして消費税増税で13.5兆円増えるうち7兆円は財政赤字の穴埋めなどに「置き換わる」(岡田副総理)。

大企業の富を国民に還元させ、社会保障の再生・充実、財政危機打開へ向かわせる政治へ変えることの展望を示してくれました。

これからの負担増

大企業内部留保

減り続ける大企業負担

中小より大企業が軽い負担

共立病院/地域医療対策/実態に基づく政策

約束していたいわき市立総合磐城(いわき)共立病院、いわき市保健福祉部地域医療対策室をたずね、レクチャーを受けました。

共立病院では、大震災後の病院としての対応について病院事務局総務課長から、今年2月7日に「いわき市新病院建設に係る基本構想づくり懇談会」からの提言に基づく新病院基本構想について病院建設室長から、それぞれお話をうかがいました。

現在の許可病床数が828、運用は744、入院患者数のピークは630~640、新病院病床数予定は660程度とのこと。

病床数減は私の根本的疑問ですが、ともかく、「患者を中心とした良質な医療の提供」「地域の医療水準向上への貢献」「地域での対応が困難な医療の提供」という新病院の「果たすべき役割の柱」を、現実のものとする市立病院とするための私たち市民の役割が重要だと思います。

その後、樋渡(ひわたし)信夫院長ともお会いし、懇談しました。

地域医療対策室は、前市長時代に新設された部署です。

実は当時、いわきの深刻な医療実態を把握して政策提言を考えるために、あちこち聞いて歩いたのですが、いわき地方の「医療計画」をつくるのは福島県、医療現場からのさまざまな生データを県や国へ届けるために「通過」するのが保健所で、市役所の中にいわき市医療の実態や医療需要を把握し、この地域の医療をどうするかの政策作成主体がないことを感じていました。

そのしくみは今も変わってはいませんが、地域医療を住民の立場に立って充実するための県の役割やリーダーシップの発揮は、それぞれから強く求められました。

本質的に公的な医療提供を、行政が手放す政策を国策として進められてきたなか、職員のみなさんの悩みはいかばかりかと思います。

地域の医療・介護・福祉提供を一人ひとりの住民のために調整するコーディネートの公務労働すら縮小され、手が出せないのです。

誰がこんな世の中にすることを主導し、手助けをしたのですか? 私はそうならないことを主張し、提案もしてきましたが、これが受け入れられないできたからくりなど、誰か知っていたら教えてください。

朝の街宣/金環日食/のり面の崩落/電信柱

けさは、県議選前には木曜日にしていた「定時定点」で朝の街宣。

ちょうど「金環日食」の時間でした。いわきでは、伊藤博文が初代内閣総理大臣になる2年前以来129年ぶり。東京23区では173年ぶりというし、大阪は282年ぶりというし、名古屋では932年ぶりとのこと。「日本では25年ぶり」というのは、沖縄地方に限ったことのようです。きょうまで知る機会を作りませんでした。

こういう歴史的な日に、歴史的な目で日本政治を見直し、原発・消費税問題を考えたい、と話しました。

家を出る前に太陽を見ると、「上弦の太陽」でしたが、街宣後に見るとすでに「下弦の太陽」でした。

お孫さんが観測用の「めがね」があるので、学校から渡された「シート」をもらったという、街宣場所のまん前の事業所社長さんからそのシートをお借りしました。

県有地と私有地にまたがってのり面が崩れた場所があり、現地を見てほしいという要望があって行きました。

県のいわき建設事務所にも行って、その対応を確認。

のり面が崩れたことに伴い、NTTの電信柱が県道側に傾いており、県としてはその電信柱の補修を受けてきょうから土留め作業に入る予定をしていたところ、NTTから、電信柱は地中深く埋めていて、このぐらいの傾きでは対処しない、とのことで、県はこれを前提にまた土留め作業を今月中に実施する、とのこと。

電信柱は傾いたまま、県は土のうで土留めする、とのことですが、崩れた私有地には手をつけられず、所有者の責任で対応してほしい、と。

果たしてこれで、安心して住める環境を整える行政の責任は果たされるのでしょうか?

交流会/フラワーセンター/花見山/楽しい出会い

私が住む住宅街の党支部交流会が「いわき市フラワーセンター」であり、夫婦で参加しました。

一日快晴で暖かく、風もなく、青空のもと、野外でみんなで食べたお弁当の昼食はサイコーでした。

このセンターで草花園芸のアドバイザーをしている医療生協の理事さんと出会ったり、小さい3人の子を連れた若いお母さんから「お久しぶりです」と声をかけられたり、意外な出会いもありました。

その後、交流会でも話題になった内郷高野(こうや)にある高野花見山へも2人で出かけました。

たまたま、ここを始めた「会長さん」と出会い、いわきの政治の話から国政の話から、いわきの政治家の話を含め、なにやら話にも「花」が咲きました。

そしたら、「はせべくんじゃないの」と小中学生時代の同級生。やはりご夫妻で、ペット連れで来ていました。

楽しい出会いの一日でした。

丸山重威さん/ジャーナリズムの仕事/斎藤茂男さん

憲法記念日にいわきでご講演いただいた丸山重威(しげたけ)さんから2冊の冊子(著作)をいただきました。

今年定年退職された関東学院大学での最終講義「マスコミュニケーションとジャーナリズム」(関東学院法学第21巻第4号、抜刷)と、日本ジャーナリスト会議の機関紙「ジャーナリスト」のコラム「視角」に2001年から2010年までの掲載分をまとめたもの。

最終講義で、南三陸町の有線放送アナウンスを担当し、津波にのまれた遠藤未希さんの「逃げてください」と叫んだ仕事について、「いまの危機を伝え、人々の行動の指針とするために働いたという意味で立派なジャーナリズムの仕事だった」との言葉が重いです。

また、「憲法を考えるのではなく、憲法で考える」ことの大切さを言い続けた姿勢を自らのものにしたいと思います。

5月3日の講演後にお話をしたときに、丸山さんが共同通信社出身ということで、私が「斎藤茂男さんといっしょだったこともあるんですか?」と聞いたことが、どうも印象に残ったようなのです。「私の師匠みたいな人です」とおっしゃっていましたが、そんなご縁で冊子を送っていただきました。

斎藤茂男さんのルポルタージュは大好きだったので、わが家の本棚の一角は「斎藤茂男ミニ文庫」です。

原発事故の被害と補償

『原発事故の被害と補償』(大島堅一・除本理史著、大月書店)を読みました。

「社会的費用」論、「環境コスト」論を理論的バックグラウンドにしつつ、大学院時代に同じゼミに所属していた2人による、昨年11月半ばまでの情報にもとづく、原発事故補償をめぐる「中間報告」です。

政府による「事故収束」宣言や、避難対象区域再編などの動きの前までですが、本書ではそれを前提に、被害の全体像(第1章)、従来の公害問題との共通性と異質性に着目した社会経済的側面の被害構造(第2章)、経済的被害を諸類型を整理したうえでの被害額の大きさ(第3章)、被害を引き起こした関係主体の責任に基づく補償財源(第4章)を論じます。

ともかく、福島原発事故による全面補償、エネルギー政策の転換を願い、「人間の復興」をめざす被害補償のあり方を示してくれています。