知事申入れ/課題は複雑化している、と知事/東電による廃炉・汚染水概要説明/「専門医制度」

150528知事申入れ2

6月議会へ向けた知事申入れをしました。

海外で戦争する国づくりに異議を唱えること、福島切り捨てを許さず原発ゼロをめざして県民に寄り添った復興施策の推進、日本一子育てしやすい県・長生きの県を施策の隅ずみに活かす福祉型県づくり、観光を含めた地域経済の復興施策の展開、復興を推進する職員体制の強化の大きく六項目です。最後の職員体制にかかわっては、昨年度に相次ぐ自殺者を出した県警に対し、「民主的理念を基調とする警察の管理と運営」(警察法第1条)にふさわしい職場づくりを指摘しました。

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私は福祉型県づくりにかかわり、きのう、参院本会議医療保険制度改革関連法が強行採決されたことにより、国保広域化とあわせ、地域医療構想・医療費適正化計画化などで県が医療費削減の司令塔的役割を果たすしくみがつくられたもと、県内各地域の医療実態や関係者の声をしっかり聞いた地域医療構想の策定、介護保険にかかわって「新総合事業」への移行にあたり、生活支援コーディネーターのが公共性・公益性と地域の合意形成に役割を発揮すべきこと、市町村の地域包括支援センターがその役割・機能発揮のために必要不可欠な人的体制・行政責任明確化のためにしっかりと支援すべきことを口をすっぱくして強調しました。

知事が、原発震災5年目に入り、県民の分断や事故の風化を含め、課題がいっそう複雑化している認識を示し、私たちの申し入れを真正面から受け止めて対応する、と言った趣旨の話は重要です。

150528東電

控室にもどると、東京電力担当者が、毎月定例の「廃炉・汚染水対策の概要」について説明に来てくれました。

県議会担当者の説明だけではなかなかわかりづらいことが毎回多々あります。そのたびに聞いて後日に資料を求めることの繰り返しです。

150528民医連「専門医」

さらにその後、福島県民医連の事務局職員から「新専門医制度」について概要と民医連としての見解を聞きながら懇談しました。

この専門医制度と地域医療構想は密接不可分であることを今話を聞いて新たに認識しました。

内郷の高野・白水でつどい/深刻なイノシシ被害/「いい話を聞いた」「共産党にがんばってほしい」

150527高野つどい

内郷(うちごう)地域で、午前、午後と、高野(こうや)、白水(しらみず)の2か所の「つどい」があり、みぞぐち民子市議、吉田えいさくさんと参加しました。

それぞれ地元の後援会宅をお借りし、ご近所のみなさんに参加していただきました。こうした草の根の集まりをもてること、ほんとうに大事なことです。

私は、2月の予算県議会の報告とともに、今まさに、安倍暴走政権のもとで進められる「戦争立法」、福島県民切り捨てと一体の全国の原発再稼働などの原発推進政策、消費税増税と一体に進められる医療や介護の後退政策、生涯ハケン・残業代ゼロの労働法制に反対することを県民の意思として県議会から国に届けてほしいと寄せられた意見書に、政党としては共産党だけが賛成し、ほかの党はことごとく反対したこと、そしてそのそれぞれの具体的な危険な内容を資料を使って話しました。

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同時に、それぞれの地区がイノシシ被害が深刻で、その実情が口ぐちに語られ、私は、今月決められた県のイノシシ管理計画も紹介し、その実効ある計画実施へ向けた財源保証や施策展開を実態から粘り強く求める重要性に触れました。

みなさんからは、とくに県民の願いとして国に届けてほしいという意見書を否決する会派への批判はじめ、安倍政権暴走への批判、有権者へ広く働きかける重要性などが語られ、「きょうはいい話を聞かせてもらった」「共産党にはぜひともがんばってほしい」と言って帰るみなさんの姿が印象的でした。

復興政策の意見交換/自民党第5次提言案/「自立」の名目で分断

県党内で、「福島復興」政策にかかわる課題で意見交換する会議がありました。その前に県庁県議団控室に寄りましたが、議会棟入口(県庁の東玄関)は耐震化工事中です。

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自民党復興加速化本部が被災地の復旧・復興に関して、今月中にも政府に提出するとされる第5次提言案が明らかになったことや、福島県が来月(6月)7日に県原子力損害対策協議会(206団体・自治体)の全体会を開催することを加入団体に通知した直後でもあり、避難指示解除・賠償期限を実態を無視して押しつけんばかりの自民党・政府の態度への批判が続出です。

とりわけ自民党5次提言案は、避難を余儀なくされている自民党県議の意見を取り入れていることは間違いないと思われますが、全体として、「避難住民の自立」という名目で被害者と国民を分断するものと言わざるを得ません。

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だいたい、提言案冒頭は、「原子力発電所の事故を伴う、未曽有の地震・津波による大災害」という言い方で、原発震災の加害者としての認識はまったく欠如しています。その認識欠如のうえで、「被災者・避難者の方々の生活再建と被災地の再生復興を促進してきた」と自分たちを持ち上げるのです。

「廃炉・汚染水処理のたゆまぬ実施」と言いながら、それがなぜ必要かと言えば、事故は収束していないからです。なのに、「事故収束宣言を撤回して」たゆまぬ実施をせよ、とは言いません。「国が前面に立つ」という立場を求める姿勢もあるようには思えません。そもそもその文言もありません。

そのうえで、帰還しないことを選択した住民の生活再生には触れず、避難指示解除準備区域・居住制限区域の避難指示を再来年(2017年)3月までに解除せよ、と言うのです。

「被災者の自立」を、避難指示解除・賠償打ち切り押しつけの言葉のうえでの道具に使っているとしか言えないものです。

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自民党県連の役員から「こんな自民党の中でやってられない」と私の面前で率直に吐露してくれた場面に出くわしたことがありますが、そういう提言内容でしかないことは明らかだと思います。

「福島民友」は「社説」冒頭で「前提ありきの感が否めない」と書き、「避難区域の復興が国の前提通りに進んでいないのは明らか…自治体ごとの事情や、避難住民それぞれの実情を考慮していかなければ、国が一律にはめる前提に対し、地元の理解が進まない」(5月21日)、「福島民報」の「論説」でも、「損害の種類を問わず個別事情を考慮した柔軟な対応が必要だ。実情を無視すれば『切り捨て』とのそしりは免れない」(5月23日)ときびしく指摘しています。

草野・神谷地域で街宣8か所/「若い私も応援してますから」/中学生から「こんにちは!」

150524草野・マルト

午前中、草野地域の党支部・後援会の5人のみなさんと4か所で街宣です。

草野地域では、まわりに田んぼが広がる地域中心です。田んぼで作業中らしきご夫妻がそろって手を振ってくれる姿、農作業中、最後までずっと聞いてくれるおばさん、それに、宣伝中に通って行く車、流している宣伝カーに手を振ってくれる人たち。ほんとうにありがとうございます。

150524草野・絹谷

午後は神谷(かべや)の党支部・後援会の4人のみなさんと街宣です。

最初のスーパー前では、話し始めると宣伝カーの前で最後まで聞いて拍手してくれるお2人。1人はかつて双葉町で2代前の町長時代に役所に勤めていた、と言うかた。「今話していたことはすべて正しい。安倍首相の言動はまったく許せない」と、今の気持ちをはき出したい、という勢いでした。

もうお1人は若い女性。「共産主義はよくわかりませんが、若い私も応援してますから」と。こんな場面もかつてなかったことでした。

まぁ、ともかく、中学生たちからも「こんにちは!」と声をかけられたりして、こうして声をかけられる場面が「激増」していることに、私もちょっと驚いています。

知事申入れ文書準備

来週28日木曜日には、6月議会を前にした各会派による知事申入れがあります。

私とあべさんは今週の19日(火)~21日(木)と県外調査に出ていて、きのうが政調会、週が明けると残る3人は各常任委員会の県外調査が25日(月)~27日(水)と入るため、5人がそろっているきょうに申入れ文書を固めよう、ということにしました。

150523申入れ準備

きのうのうちに大項目だけは立てておき、分担を決め、けさから作業に入りました。

例によっておのおのが分担した大項目について要望項目を文章化し、それらをあわせて打ち出してみんなで検討し、また手を入れ…といった作業を繰り返しました。

午後6時過ぎにはほぼ、形になったと思います。

25日(月)には原発関係の党内の会議があるので、その会議での議論をふまえ、最終決着を図る予定です。

150523宮本誕生日

きょうは宮本さんの誕生日で、昼食後、ささやかに誕生パーティです。

6月議会へ向けた政調会/「自主避難者」への住宅提供継続の申入れ

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6月議会(6月16日~7月1日予定)へ向けた政調会がありました。

今年度から、それまで生活環境部内だった消防保安、災害対策、原子力安全対策に関する実務と、知事直轄であった総合安全管理課を統合して危機管理部ができ、こども未来局(保健福祉部)の新設など組織改編後では初めてです。

当局側は、各会派をまわることになり、私たちは午前中、生活環境部、総務部、午後から警察本部、保健福祉部・こども未来局、危機管理部、企画調整部・原子力損害対策担当・避難地域復興局・文化スポーツ局、商工労働部・観光交流局、農林水産部、土木部、教育庁の順に説明を受け、質疑しました。

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全体では60億円を超えるぐらいの補正予算になりそうです。

私は、「マイナンバー」導入に伴う個人情報保護条例の改定での個人情報の取り扱い規定の中身、知事が県の実情や復興の正確な情報発信のためにスイス・イギリスを訪問するにあたっての具体的目的、イノシシの捕獲計画の実効ある手だて、介護従事者確保策、地域医療構想策定スケジュールと諸計画との整合、子どもの貧困対策計画、「自主避難者」を避難を余儀なくされた県民として支援を継続すること、3・11後の月命日での行方不明者捜索状況、昨年の警官自殺原因究明と職場環境改善対応などについてただしました。

また、今年度を「復興の序章から新たなステージへと進めていく年」という言い方は、家族生活再生そのものがこれからの避難者をはじめとした県民、序章がこれからの避難自治体があるなかで、「序章は今年度まで」と受け取られかねないと注文をつけました。

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終えてから、知事あてに、「自主避難者への住宅提供を終了せず、継続する被害に見合った対応をするよう求める緊急申し入れ」をしました。

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県として来年度で終了する方針を固め、市町村と調整に入った、との報道があり、県議団として政調会でただしたところ、そうした事実はないとのことですが、文字に残す申入れは必要と考えました。

名古屋観光コンベンションビューロー/福島から世界人類の未来への発信の重要性

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県議会企画環境常任委員会の県外視察3日目の最終日は、名古屋市の指定管理者として名古屋国際会議場を運営する名古屋観光コンベンションビューローをたずねました

原発震災から5年目に入っている福島県議会としても、原発事故による際限のない被害の広がり、その現実から引き出す教訓、原発の存在の是非を含めた検討の必要性を世界に伝えるための国際的な話し合いの場の設定は大きな課題として認識しています。

そうした問題意識から、視察地域の関係もあり、名古屋での国際会議誘致などについてのとりくみについての調査です。

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福島県とはその条件も大違いですが、誘致にあたっての事前の情報収集、誘致地域としてのプレゼンテーションは並みの努力ではなさそうです。

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これまた福島とは違いますが、名古屋として、東京、大阪、京都といった世界的に知名度の高い都市ではないことから、そもそも名古屋はどういう都市か、を知ってもらうのがプレゼンテーション以前の苦労だそうです。

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ともかく、フクシマは原発事故により世界に知られました。原発の是非や防災に関する世界的教訓を発信する重要な県になってしまったことは間違いありませんから、世界人類の未来のために、確かな道を発信する重要性と必要性があります。

豊田PCB処理事業所・とよたエコフルタウン/操業停止8か月の対策/高齢社会の「移動の足」

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県外調査2日目は愛知県豊田市に移動です。

「中間貯蔵・環境安全事業(株)」の「豊田PCB処理事業所」、そして市内の「とよたエコフルタウン」をたずねました。

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PCB処理事業所はもともと環境省所管の特殊会社として2004年に設立された「日本環境事業(株)」の全国5か所の事業所のひとつですが、昨年(2014年)の法改定によって上記社名に変更されました。

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PCB廃棄物処理の安全確保対策と情報公開の説明を受け、私としては、「こうして安全は確保されている、と説明されると強い疑問が生じる」と断って、この事業所操業後の今後に生かすべきトラブルなどについて聞きました。

操業直後に8か月間の操業停止に至るPCB漏えいを受けた対応、この事業所に限らない全国事業所の情報公開の対応をしている、とのことです。

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エコフルタウンについては、豊田市役所職員、エコフルタウン職員から説明を受けました。

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私の問題意識としては、「環境・超高齢化対応等に向けた、人間中心の新たな価値を創造する」としている高齢社会における「移動の足」にあって、質問もしましたが、中心的課題とは位置づけられていないようでした。

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天竜区のNPO法人「夢未来くんま」/女性が中心の村おこし

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県議会企画環境常任委員会の県外調査初日は、静岡県浜松市天竜区熊(くんま)のNPO法人「夢未来くんま」をたずねました。

法人役員の金田三和子さん、大平展子さんからくんま「村おこし」のあゆみとして、その経緯と挑戦の意気込みを聞き、そして食事処「かあさんの店」、物産館「ぶらっと」、体験工房「水車の里」の施設を案内していただきました。

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この熊地区は昔の宿場町としての面影が感じられますが、1955年には2,500人強の人口が1986年にはほぼ半減で1,200人ほど、今では700人強です。

ここで女性たちが中心となって「村おこし」が始まったのでした。

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この地域での食文化を通して山村の生き方を問い直そうと、1985年に「明日の熊を語る会」開催から30年、翌86年には熊地区全戸が加入する「熊地区活性化推進協議会」が設立され、87年には31人で「くんま水車の里」グループが誕生、88年には「村おこしくんま水車の里」が竣工、「くんまかあさんの店」もオープンしました。「水車の里」が95年に「道の駅」に認定されてから20年です。

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私はその話を聞きながら、以前に読んだ『食と農でつなぐ 福島から』(塩谷弘康・岩崎由美子著、岩波新書)で描かれた「かーちゃんたちの生きかた」を思い起こし、農村女性が中心となった村おこしの当初の苦労を聞いたのでした。

その本のことは触れずに聞いたのですが、著者である岩崎さんが最近もここをたずねてきていたそうです。

ともかく、人口減と高齢化による「危機」をあおるのでなく、こうした営みを支える行政施策の展開が必要です。

定時定点2か所/福島第一原発視察/国の姿はまったく見えず/福島の未来にかかわる作業

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けさは定例の「定時定点」を地元の党支部・後援会の5人のみなさんと2か所で。

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出勤されるみなさんからクラクション、手を振ってくれての声援、「ご苦労さま」と会釈していってくれるかたがた(主観で判断)、いつもほんとうにありがとうございます。

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きょうは福島第一原発の視察です。

県議団としてとりくみ、真島省三・島津幸広両衆院議員、渡辺ひろゆき・いわき市議、随行の斎藤紀(おさむ)医師含め、24人の視察団でした。

視察ルートは、こちらの要望も伝えつつ、JヴィレッジでのWBC(ホールボディカンウター)受検後に福島第一原発へ入り、防護品装備を着用し、専用の移動用バスに乗り込んでの視察です。Jヴィレッジでは東京電力福島復興本社の石崎芳行代表から視察団としてあいさつを受けました。

重要免振棟では前回同様、中学時代の同期生と言葉を交わしました。

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免振棟を出てからは、高性能多核種除去設備内に入って説明を受け、増設多核種除去、乾式キャスク仮保管設備、サブドレン浄化設備を車内で案内を受けながら通り、H2・H4タンク群前で降車し現場視察後、敷地内のちょっとした高台から1~4号機外観、4号機建屋前・凍土遮水壁工事現場・4号機前の共用プールを車内から見て、あの3・11時に機能した5・6号機脇の非常用ディーゼル発電機建屋をまわって海側施設、そして外部電源が断たれた夜ノ森線鉄塔倒壊現場を見てまわりました。

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Jヴィレッジにもどってからは、救急医療グループの事務幹部(ジェネラルマネージャー)と懇談し、質疑応答。救急医療に限らず、労働者の低線量被曝にかかわる健康管理や疫学的統計管理などについても話は及びましたが、そこまでの目配りはできていない印象です。

それに、「東電視察」とはいえ、現場のどこでも国の姿はまったく見えず、「国が前面に立つ」というのが口先にすぎないことがよくわかります。

ともかく、ここでの廃炉作業・汚染水対策作業がこれからの福島の未来にかかわることは間違いありません。そうした目で、引き続き監視し、提言し続けないとなりません。

あしたから3日間、県議会常任委員会での県外調査で静岡県・愛知県へ出かけてきます。