県党内で、「福島復興」政策にかかわる課題で意見交換する会議がありました。その前に県庁県議団控室に寄りましたが、議会棟入口(県庁の東玄関)は耐震化工事中です。
自民党復興加速化本部が被災地の復旧・復興に関して、今月中にも政府に提出するとされる第5次提言案が明らかになったことや、福島県が来月(6月)7日に県原子力損害対策協議会(206団体・自治体)の全体会を開催することを加入団体に通知した直後でもあり、避難指示解除・賠償期限を実態を無視して押しつけんばかりの自民党・政府の態度への批判が続出です。
とりわけ自民党5次提言案は、避難を余儀なくされている自民党県議の意見を取り入れていることは間違いないと思われますが、全体として、「避難住民の自立」という名目で被害者と国民を分断するものと言わざるを得ません。
だいたい、提言案冒頭は、「原子力発電所の事故を伴う、未曽有の地震・津波による大災害」という言い方で、原発震災の加害者としての認識はまったく欠如しています。その認識欠如のうえで、「被災者・避難者の方々の生活再建と被災地の再生復興を促進してきた」と自分たちを持ち上げるのです。
「廃炉・汚染水処理のたゆまぬ実施」と言いながら、それがなぜ必要かと言えば、事故は収束していないからです。なのに、「事故収束宣言を撤回して」たゆまぬ実施をせよ、とは言いません。「国が前面に立つ」という立場を求める姿勢もあるようには思えません。そもそもその文言もありません。
そのうえで、帰還しないことを選択した住民の生活再生には触れず、避難指示解除準備区域・居住制限区域の避難指示を再来年(2017年)3月までに解除せよ、と言うのです。
「被災者の自立」を、避難指示解除・賠償打ち切り押しつけの言葉のうえでの道具に使っているとしか言えないものです。
自民党県連の役員から「こんな自民党の中でやってられない」と私の面前で率直に吐露してくれた場面に出くわしたことがありますが、そういう提言内容でしかないことは明らかだと思います。
「福島民友」は「社説」冒頭で「前提ありきの感が否めない」と書き、「避難区域の復興が国の前提通りに進んでいないのは明らか…自治体ごとの事情や、避難住民それぞれの実情を考慮していかなければ、国が一律にはめる前提に対し、地元の理解が進まない」(5月21日)、「福島民報」の「論説」でも、「損害の種類を問わず個別事情を考慮した柔軟な対応が必要だ。実情を無視すれば『切り捨て』とのそしりは免れない」(5月23日)ときびしく指摘しています。