県議会企画環境常任委員会の県外調査初日は、静岡県浜松市天竜区熊(くんま)のNPO法人「夢未来くんま」をたずねました。
法人役員の金田三和子さん、大平展子さんからくんま「村おこし」のあゆみとして、その経緯と挑戦の意気込みを聞き、そして食事処「かあさんの店」、物産館「ぶらっと」、体験工房「水車の里」の施設を案内していただきました。
この熊地区は昔の宿場町としての面影が感じられますが、1955年には2,500人強の人口が1986年にはほぼ半減で1,200人ほど、今では700人強です。
ここで女性たちが中心となって「村おこし」が始まったのでした。
この地域での食文化を通して山村の生き方を問い直そうと、1985年に「明日の熊を語る会」開催から30年、翌86年には熊地区全戸が加入する「熊地区活性化推進協議会」が設立され、87年には31人で「くんま水車の里」グループが誕生、88年には「村おこしくんま水車の里」が竣工、「くんまかあさんの店」もオープンしました。「水車の里」が95年に「道の駅」に認定されてから20年です。
私はその話を聞きながら、以前に読んだ『食と農でつなぐ 福島から』(塩谷弘康・岩崎由美子著、岩波新書)で描かれた「かーちゃんたちの生きかた」を思い起こし、農村女性が中心となった村おこしの当初の苦労を聞いたのでした。
その本のことは触れずに聞いたのですが、著者である岩崎さんが最近もここをたずねてきていたそうです。
ともかく、人口減と高齢化による「危機」をあおるのでなく、こうした営みを支える行政施策の展開が必要です。