県漁連で意見交換/国の責任ある対応

130527県漁連

福島県漁連の新妻専務と党県委員会として意見交換しました。

原発事故による汚染水処理や廃炉作業について、東電という一事業者まかせのようなやり方をあらため、国が前面に立って責任ある対応をするべきであることについては意見が一致です。

漁業者のなかでは、東電に対する不信感がかなり深いことがうかがわれますが、かといって、国が信頼されているかといえば、そうではないので、なかなか複雑です。

汚染水についても、毎日流入する400トンと言われる地下水への対応と、放射性物質を含む汚染水の処理後の水についての対応と、昨年6月ごろからの東電の説明もあり、きわめて複雑な様相です。

非常事態のもとで、科学的に見える「数値」、その数値を発表する東電への不信、第三者による数値の検証をすべきとする声、国の姿が後景に退いている現実。

現実問題として、原発推進勢力が政権を担い、歴史認識問題を含め、私からすればおよそ信じがたい政権ではあるのですが、これをくつがえす力を、夏の参院選へ向け、発揮するほかにありません。

医療と地域社会

130519医療と地域

『医療と地域社会のゆくえ』(角瀬保雄監修、非営利・協同総合研究所いのちとくらし編、新日本出版社)を読みました。「震災後の国で」と副題がついています。

宮城・坂総合病院名誉院長の村口至さんは、震災前からの社会制度や政策によって、立場の弱い人々の扱われ方が、被災によっても格差・差別の構造として現れたことをつぶさに検証しています。

また、復興においても、地域で生活するうえでの基本的課題を押しのけて、震災便乗型の企画が医療分野でも「成長戦略」の名のもと、「メディカル・メガバンク構想」として´ばく進´させられようとしています。

このメカバンク構想につては、龍谷大学名誉教授で医師の上林茂暢さんが、阪神・淡路大震災後に「創造的復興」計画として打ち出された「神戸医療産業都市」にさかのぼり、地域医療やその基盤となる適切な食、居住と切り離されたゲノム創薬、再生医療といった先端医療の危うさを指摘しています。

福島・医療生協わたり病院医師の斎藤紀(おさむ)さんは、原発事故から2年たった時点での構図を、「土壌汚染」「年間積算線量、集団積算線量」「自主避難」「甲状腺がん」「低線量率持続被曝」「低線量放射線被曝の社会病理学」として描いてくれています。

ほかに、社会保障改革推進法が進める社会保障「破壊」、TPPが国民皆保険制度を骨抜きにする危険、こうした全体状況の中で、地域の潜在的な医療ニーズを掘り起こし、患者と住民の参加を通じた事業の発展を、医療における非営利・協同組織のこれからの課題として提起しています。