議会最終日/集団的自衛権全面批判討論/議長と知事

140702討論

 

6月県議会最終日のきょうは、本会議での議案採択です。

議案について意見を表明し、態度を明らかにしたのは共産党を代表して討論した私だけでした。

とくに自民党から出された集団的自衛権行使容認前提の意見書については、きのうの閣議決定に満身の怒りをもった抗議と、撤回を強く求めたうえで、私なりに全面的に批判しました。

直近の世論調査や地方議会の動き、安倍首相の改憲日程に従属した機関に過ぎない安保法制懇、国連憲章の「紛争の平和的解決」の精神をもっとも体現した日本国憲法を保持し続ける日本国民がノーベル平和賞にノミネートされた国際的・歴史的意義、集団的自衛権は日本が他国の戦争に加わる攻撃参加権であること、「憲法9条のもとでは集団的自衛権行使は許されない」とする半世紀にわたる政府解釈、自民党の幹事長をかつて務めた加藤紘一氏、古賀誠氏などの警告、自衛隊を殺し殺される軍隊とすることが集団的自衛権の本質であることを述べました。

ほとんど野次のない静寂の中の討論は、私も少し意外でした。

今回は、39の意見書への態度が各会派によって様ざまだったために、14回にわたる採択でした。たとえば、すべてが全会一致で可決ならば、一括して1回の採択ですが、14種類の組み合わせがあったということです。

140702自民案

自民党提出の行使容認意見書では、未来ネット(5人)と公明(3人)が退席、民主・県民連合(14人)、共産(5人)、みどりの風(2人)が反対し、自民党だけ(議長除き27人)の賛成で可決されてしまいました。

140702共産案

共産党提出の行使容認反対意見書では、民主・県民連合も退席し、共産、みどりの風、および民主・県民連合所属で1人だけ議場に残った社民の賛成、自民だけの反対で否決されました。

福島県議会に汚点を残した場面と言わざるを得ません。

閉会後、議長から「名演説だった、感動した、歴史に残る」と持ち上げられたり、議会閉会のあいさつに控室にみえた知事が私に拍手をしてくれたことを、どう受け止めたらいいのやら。

採択委員会/県民の声を受け止める議会なのか/議会が集団的自衛権行使容認意見書可決か?

140630県警ヘリ捜索

6月議会に提出された議案のうち、それぞれの委員会が所管する議案を採択するための企画環境常任委員会が開かれました。

補正議案にかかわっては全会一致で可決ですが、問題は請願・意見書です。

すでに初日に各会派の意向を確認し、「方向づけ」がされてはいるのですが、「原発事故収束宣言」の撤回、原発維持の「エネルギー基本計画」の撤回、全県民に高速道路無料化の拡大、賠償にかかわる中間指針第四次追補の見直し・拡充、除染目標と空間線量目安の堅持をそれぞれ求める請願・意見書は、共産党が紹介議員・議案提出者になっていますが、ことごとく「継続」扱いで、本会議に出てきません。

原発被災地の県議会として、県民の声を受け止める議会といえるのでしょうか。

自衛隊を殺し殺される軍隊に変容させようとするなか、その艦船を含む「災害多目的船の導入を求める意見書」に反対したのは私だけでした。

県JAや漁協、医師会など県内15団体からの「TPP交渉における国会決議の実現を求める意見書」には、未来ネットだけが反対しました。

140701原安課

午後には、原子力安全対策課、放射線監視室からそれぞれ、原発事故収束にかかわる監視体制、県による環境放射線モニタリングの実施状況について説明を受けました。

あすは最終日になりますが、自民党は、「自国の防衛と同盟国等の防衛に対し協力し」、「我が国の安全保障をより一層強化する集団的自衛権の行使容認」を前提とした意見書をきょうの総務委員会で多数で可決し、あしたは本会議で可決させようとしています。

特別委/「生業を返せ、地域を返せ!」原告団

140630特別委

子どもの未来創造対策特別委員会がありました。

「たくましく生き抜く力を育む人づくり」にかかわり、今年度の新規事業を中心に、教育庁義務教育課・高校教育課・社会教育課、保健福祉部健康増進課、農林水産部環境保全農業課、商工労働部産業人材育成課からそれぞれの説明を受け質疑しました。

私は、小中における「学力向上推進支援事業」での学力調査分析支援事業において、分析支援ツール提供によって授業改善を図るとする内容、高校生進路実現サポート事業でのオールふくしまリーダー育成プロジェクトが、成績上位の1年生150人ほどを集めて「早期の意識改革」を図るとする意味と内容、栄養士未配置の保育所等での子どもの発育・発達段階に応じた食生活定着を図るとするその保育所等の数をそれぞれただしました。

ほかの委員からは、食育や放射能教育、部局横断のとりくみの実質、防災教育、子どもたちの自然体験・交流活動支援、読書活動推進事業などについての質疑がありました。

140630生業原告団・県

これに先立ち、「生業を返せ、地域を返せ!』福島原発訴訟原告団と弁護団のみなさんが、知事および県議会へ要請にみえ、議会では議長はじめ、各会派をまわりました。

140630生業原告団・団

要請の内容は、①東電が裁判で、年間20ミリシーベルト以下の被ばくは権利侵害に当たらない、原状回復には費用がかかりすぎて手をおえない、といった主張の撤回を求めること、②事故前に東電が試算していた津波被害に関するいっさいのデータを福島地裁の決定に従って開示するよう求めること、③達成すべき空間放射線量の目標値引き下げには断固反対すること、④原発事故の国の法的責任を前提に国が被害者救済に積極的・主体的に関与するよう求めること。

私たちは5人全員で激励しました。

BS・GS会計監査/生環部審査/中間貯蔵施設・地下水汚染・トレンチ高濃度汚染水/東電まかせ

140627生還

けさは7時から朝食を兼ねた「ボーイスカウト・ガールスカウト振興県会議員懇談会」総会がありました。BS・GSそれぞれの現況報告があり、知事・教育長のあいさつもあります。私は監事で、会計監査報告をしました。

きょうは企画環境常任委員会の2日目は生活環境部審査でした。

私は、中間貯蔵施設に関して、国が、最終処分の方針を示すことなく、中間貯蔵先にありきの進め方が、住民の不安・不信を招いていることを指摘しました。そのうえで、県として、国に対し、「最終処分場の確保やその安全性の確保については、国が責任を持って行う」とする放射性物質汚染処理特措法に基づく基本方針にのっとり、最終処分場方針、中間貯蔵施設、住民の生活再建・地域振興の施策を順序立てて示させることを求めました。

「国が最終処分方針を示そうとしないなかでは、30年以内県外最終処分の法制化を求めざるを得ない」といったような答弁に終始した印象です。

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ほかにも、福島第一原発敷地地下の下部透水層の放射能汚染と海域への影響、地下水バイパス揚水井戸の一つが汚染されていることと海水への放水のこと、トレンチの高濃度放射能汚染水問題など、いまだに解明されていなかったり、対応が後手後手だったり、風評被害の拡大で漁業者の生業に多大な影響を与えかねない問題で、県の姿勢をただしました。

ともかく、私には、国の前面に立つ姿勢はまったく見えず、東電まかせの国の無責任姿勢が浮き彫りに見えるばかりです。

常任委審議/企画調整部

140626企画

きょう、あすと企画環境常任委員会の審議です。

きょうは委員会に付託されている企画調整部の補正予算、請願・意見書、一般的事項について審議しました。

補正予算では、長期避難者生活拠点形成基金積立のもととなるお金の福島再生加速化交付金について、一般的事項では、今年4月に設置された「復興対策推進プロジェクトチーム」で検討が進められる「健康と安全・安心を守る」「子どもを育む」の2テーマについての施策・政策づくりの方向、再生可能エネルギーの飛躍的普及にあたり、「県民参加型ファンドの普及」の位置づけととりくみの現状、「福島・国際研究産業都市構想」における県内中小業者参入のしくみや支援などについて質疑。

ほかの委員からも、再生可能エネルギー普及の具体策や予算の拡充、復興公営住宅、集中復興期間(2011~15年)の延長と財源の長期的確保を国に求めるべきこと、などの質疑がありました。

140626再生加速化交付金

委員会の前後でも、控室で再生加速化交付金のこと、働きやすい職場づくりにかかわる県のとりくみの説明を受けました。

一般質問2日目/国際研究産業都市構想/労働相談

一般質問2日目は、自民、民主・県民連合、自民、民主・県民連合、公明の順で5人が登壇。

きょうは再質問をする議員はいませんでした。

質問終了後、知事提出議案ならびに議員提出議案(意見書)、請願が各常任委員会に付託され、あしたからは委員会での審議になります。

140625企画調整課

本会議を前後し、企画調整部企画調整課には「福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想」についての説明を求め、商工労働部雇用労政課には県の労働相談について資料を求めました。

イノベーション・コースト構想というのは、赤羽経済産業副大臣が主催する研究会の構想で、県の副知事、いわき・南相馬両市長、双葉地方町村会・相馬地方町村会・県原子力発電所所在町協議会のそれぞれの会長もメンバーとして入り、廃炉に関する研究開発、災害対応ロボットの研究開発、国際産学連携、再生可能エネルギーの飛躍的導入促進への寄与などの拠点の整備、農林水産業分野の新産業創出が中心の構想です。

140625雇用労政課

県内中小業者参入や育成などを通し、浜通り地域の再生へ向け、各市町村の期待も大きいとのことです。

労働相談窓口についてはこの間、私たちとしても、とくにブラック企業対策として充実・拡充を強く求めているところです。

宮本県議の一般質問/自民党提出意見書案に「安全保障をより一層強化する集団的自衛権」

 

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きょう、あすと一般質問です。

きょうは自民、民主・県民連合、ふくしま未来ネットワーク、共産党、自民の順に5人が登壇。一般質問は20分間です。

共産党は宮本しづえ県議が質問に立ちました。賠償、除染、避難者支援、医療・介護総合法、高齢者対策、がん対策、国民健康保険の7つの大項目で20の質問でした。

知事には高齢者対策での医療・介護にかかわるとりくみで再質問、また、賠償、除染、がん対策にかかわる国保の医療費一部負担金減免などについても再質問・再々質問をしました。

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なお、きょうの議運では、委員会に付託されることになる議員提出議案=意見書案が示されました。そのなかには、自民党から「我が国の安全保障をより一層強化する集団的自衛権の行使容認について、国民の理解が得られるための十分な説明」を求めるとんでもない意見書案があります。

自民党を含め、各会派にこの意見書が採択されないよう働きかけに回りました。

私たちは請願に基づいて「集団的自衛権の行使容認に反対する意見書」案の提出議員になっています。

宮川代表質問/58項目

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きょうの代表質問は共産党、自民党の2人。

議会ごとに、5人以上の交渉会派が順番になるので、今回は共産党がトップバッターです。宮川県議が登壇し、30分間の時間をフルに使い、再質問・再々質問と続けました。

安倍政権が進める「集団的自衛権容認」「教育改革」、国の「エネルギー基本計画」、汚染水、原発労働者、除染促進、完全賠償、被災者支援、県・市町村職員確保、福祉型県政、教育行政、雇用対策、国の農政転換、農林水産業再生、中小企業支援、再生可能エネルギー、県道いわき石川線、小名浜港の特定埠頭運営事業、小名浜港東港の18の大項目で58の質問でした。

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集団的自衛権については前議会で私も知事自身の憲法認識と自治体首長の立場からの答弁を求めたのですが、「国会の場で十分に議論されるべき」と、今回も変わらない答弁で、再質問でもまた繰り返しました。

質問・答弁全文は、党県議団ホームページ、および福島県議会ホームページにも掲載されますので、ぜひご覧ください。

140619傍聴

質問前に、傍聴に見えたみなさんに県議団としてあいさつしました。

保健福祉部/病院・福祉施設避難計画/学校給食検査

 

きのう開会した6月県議会は、きょうは議案調査のための休会日。

午前中には、私たちの委員がいない福祉公安委員会での審議になる保健福祉部の補正予算・議案について、概略の説明を受けました。

140618原安・保福

また午後は、原子力災害時の病院・福祉施設の避難計画について、原子力災害広域避難計画を所管する原子力安全対策課ならびに保健福祉部に現況について聞きました。これについてはスタートしたばかりであり、市町村・国・他県・関係機関との調整によって今年度中に策定したい、との説明です。

教育庁健康教育課には、県内各市町村教育委員会による学校給食の放射線検査について、県としてのとりくみを確認。「学校給食に使用する食材の放射性物質の有無や量を把握するための検査機器を整備する市町村に対して、予算の範囲内で補助金を交付する」ことが県の仕事で、具体的には検査機器購入経費・その維持費・検査要員経費・試料代が対象です。

140618保福総務

県として、検査に関する統一的な基準を示してはおらず、各市町村が保護者などの要望や地域の実情などをふまえて実施しています。

140618学校給食

学校給食が小・中学校を設置する市町村の責任のもとにあることは承知しますが、ことは原発事故による対応そのものということです。食材の調理前の検査について食材の品目数・測定時間・放射線上限値・結果公表や、調理後の給食1食まるごとの検査は希望する市町村に対して行っている市町村ごとの実情について、まとまった資料はないということなので、まとめるようお願いしました。

その合間に記者会見をしました。

議長による石原環境相への抗議/6月議会開会

140617開会

6月県議会の開会日です。

これに先立ち、中間貯蔵施設建設をめぐって、石原伸晃環境相がきのう「最後は金目でしょ」発言について、県議会での一致した抗議の意思を示すため、代表者会議が断続的に開かれました。

「断続的」というのは、本会議での全会一致による決議にするか、議長によって全会派の意思を反映させた抗議にするか、はたまた別の意思表示とするか、その方法で割れたためです。

けっきょく、議長による「抗議」を表明することで決着しました。

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そんなこともあり、本会議は、1時間45分遅れて午後2時45分開会。新年度最初の議会でもあり、恒例ではありますが、執行部新任者61人のあいさつがありました。

開会日のメインは知事の所信と議案説明です。

これを受け、あすの議案調査日をはさみ、あさってから質問が始まります。そのトップが今回は宮川えみ子県議です。