早朝採尿・採血/透析室で末梢血幹細胞採取/4時間半/帰りは車イス/あすから2泊3日の自宅外泊

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末梢血幹細胞採取を前に、早朝には採尿と採血。

きょうの採取はうまくいきそうな血液検査結果だ、とは採取前の主治医の話。

午前9時には採取が始められるように、透析室へ。

1回目の採取の時と同様、針を刺した左腕から血液を抜き、その血液を装置を通して幹細胞を含んでいる部分だけを集め、その他の不必要な成分は、針を刺した右腕から体に戻す作業です。

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そもそも本来、末梢血の中には造血幹細胞はほとんどないそうです。

が、化学療法後の白血球が回復する時期や、私も化学療法後、皮下注射で投与している、白血球を減らさないための薬を投与(皮下注射)したときには、末梢血の中にも造血幹細胞が現れるんだそうです。これを「ねらって」採取するのが末梢血幹細胞採取です。

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【2016.01.08 朝食】

その「ねらい」がはずれると、採取できないこともあるそうで、私の1回目のねらいでも、10分の1程度だったそうです。

ネットで「解説」などを見ると、採取は「通常、1~3日で終了」とありますから、1回で終わる場合もあれば、2回で終わり、というわけでもなさそうです。

ちなみに、化学療法後に白血球を減らさないために注射で投与している薬は、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF、granulocyte-colony stimulating factor)というそうです。

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作業が終了したのは午後1時半、4時間半の長丁場でした。さすがに帰りは車イスを用意してもらい、病室へもどります。

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【2016.01.08 昼食】

きょう、どれほどの幹細胞が採取できているかがわかるのは週明けの12日予定。したがって、3度目の採取が必要なのか、6度目の治療日程をどうするか、は12日に決めることになります。

ということもあり、あす9日の午後から11日の夕刻まで、2泊3日の自宅外泊の許可を医師から受けました。

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【2016.01.08 夕食】

おとなしく/36度台維持/参院・井上代表質問/異論排除・開き直りの原稿読むだけ首相答弁/こんな政権を続けさせてはならない

幹細胞採取をあしたにひかえ、きょうも基本的にはおとなしく過ごす日とします。

体温は、最初に目覚めた午前1時には36.4度。以後、午前4時半、午前6時とも36.8度。6時まではなかなか眠れないなか、時どき本を読んだりしながら、大半の時間は暗い中、横になって寝る努力。

入院生活も楽ではありません。

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【2016.01.07 朝食】

けっきょく夜まで36度台を維持、なぜか午後8時には37.0度…  10分後は37.2度、40分後は36.7度。

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午後1時からは、参議院本会議で井上哲士(さとし)議員の代表質問を視聴。

ともかく安倍首相は、‘指摘は当たらない’とか‘うがった見方’だとか、まっとうな指摘あるいは異論に耳を傾けようともせず、要するに排除し、早口で答弁原稿を読むだけの開き直り答弁を繰り返しました。

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ほんとうにこんな政権を続けさせてはとんでもないことになります。

きのうは、立憲主義を破壊しながら「憲法改正」を口にするなど許せない、と衆院本会議で強調した穀田恵二議員に対し、改憲の狙いをあからさまにしました。

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【2016.01.07 昼食】

たまたまきょうは、加藤周一さんの言葉、「九条が終わるとき、それは『戦後』の終わりで、『戦前』の開始かもしれない」(『ひとりでいいんです』、233㌻)が目に入りました。

それはともかくこの本、加藤さんとの「対話と雑談を中心に編んだもの」で、テーマも私がまったく初めて聞くことを含め、すらすらと読み通せないところもしばしば。

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古関彰一さんの『平和憲法の深層』(ちくま新書)と切り替えながら読みます。

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【2016.01.07 夕食】

幹細胞採取/理解不能の体温推移/年賀状の言葉に励まされ/市民連合初街宣

あさってには末梢血幹細胞採取の予定です。

先月4日に実施したものの、十分な採取ができず、昨年末に一度は予定したものの、化学療法後の幹細胞増殖のタイミングが合わず、年を越すことになり、2度目の実施予定です。きのうは早朝に採血があり、予定通り採取実施できる血液検査結果でした。

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【2016.01.06 朝食】

ということもあり、体温計の値が勝手に高い以外、体調に何ら変調がないとはいえ、37~38度の熱を出しながら採取しているのも嫌なので、基本的にはおとなしく寝ておき、体温を平熱に戻しておきたい、というのがきのう、きょうです。

きょうの体温の様子は、おおざっぱに言うと、未明から午前6時前までは37度台を推移、6時に36度台になり、午前中36度台と37度台を行ったり来たり、午後は寝ている時間が長かったものの、37度台、夕刻以降、午後8時前ぐらいまでに3度、38.0度。8時を過ぎるとまた37度台。

体温のこの推移の理由は私にはさっぱり理解できません。

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こうして気になることがあるとはいえ、自宅に届けられて持ってきてもらった年賀状も気になります。

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【2016.01.06 昼食】

「復活」「復帰」「元気に」「回復」「全快」「再出発」といろんな言葉で励まされています。なかに「自分も病気に負けずにがんばっている」、「選挙の時に名前がないと寂しい」といった同期の友人の言葉。

パソコンを前にしているのは、住所などの点検です。

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これから読むのは『ひとりでいいんです 加藤周一の遺した言葉』(凡人会・加藤周一、講談社)。2011年12月、加藤さん三周忌に発行されています。

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さてきのうは、昨年12月に結成された「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」が東京・新宿駅西口で初めての街頭宣伝を実施しました。

この行動にも心から連帯です。

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【2016.01.06 夕食】

10~11日目の発熱/日課の読書/きょうは寝る/アベ政治を終わらせる年のたたかいにも連帯

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5度目の化学療法が昨年末の12月25日で、それから10日目、11日目がきのう、きょうでした。

きのう午後あたりから、体温が37度を超え、37度後半まで上がってきました。

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きょうも未明に目が覚め、37度台前半が続きました。未明には日課の読書。07年に発刊され、当時に読み切らないまま今に至ってしまった『南京事件論争史』(笠原十九司著、平凡社新書)を読み始めています。

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【2016.01.05 朝食】

そういえばきのうあたりは鼻水が出て、もしかして、化学療法薬剤の副作用というよりも、風邪かも、と思ったりしましたが、ともかく、そういうことを患者が勝手に判断はできません。

日が昇ってきて、体温が下がる気配はないので、きょうはずっと寝ることにしました。

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そう思うことにすると、熱があること以外は体調がおかしいとかの感触はありませんが、食後でもなんだかだらっ、とする感じ。

ただ、食事の完食は病院給食を食べ始めてからずっと続いています。

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【2016.01.05 昼食】

160105ハタ・4日の国会開会日行動

そしてまた、国会前ではきょうも「安倍退陣」「安保法制廃止」コールが響き渡ったようですが、きのうも「アベ政治を終わらせる年のたたかいの出発だ」と、国会開会日総がかり行動がありました。

心から連帯します。

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【2016.01.05 夕食】

午前1時半から/ブログ・日記・読書/「すごい家電」/「3の日行動」/作家・文芸評論家の「赤旗」紙上新春対談

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さすがにきのうは一日、‘寝過ぎ’でした。きょうは午前1時半にはパッチリと目が覚めてしまいました。

おかげでその時間から、きのうの分のブログ更新、日記書き、読書。『すごい家電』(西田宗千佳著、講談社ブルーバックス)は午前中に読み終えました。

160104朝_R【2016.01.04 朝食】

去年の年末に発行された本で、すでに入院中だったので、広告だけを見て娘に購入をお願いしていました。「IT機器を除く家電全17製品をジャンル分けし、それぞれが稼働する原理やしくみ、発展の歴史を解説」していますが、私としては、中高生ぐらいを対象に、もう少し簡潔明瞭で解説も短いものを期待していました。

160104ニュース_R仕事始めの日のきょうが国会開会日でもあります。そんなことも意識したのか、共産党提唱の国民連合政府にかかわるようなニュースも。

160104体重56届かず_R体重の56kg超えを期待して体重計に乗りましたが、まだです。先週あたり、食後に乗ると56kg超えもあったのですが…

160104入浴2_Rきょうの午前中は入浴日でもありました。

160104ハタ・3日アベ政治を許さない_R「しんぶん赤旗」日刊紙1面では、きのう3日、「アベ政治を許さない」ポスターを掲げる国会前行動の様子の写真が掲載されています。毎月3日午後1時にとりくもうと、作家の澤地久枝さんが提案した行動です(「3の日行動」)。

160104昼_R【2016.01.04 昼食】

4面には全国各地の行動が紹介されています。

160104ハタ・新春対談_Rまた、きょうの「赤旗」の「新春対談」には、作家の高橋源一郎さんと文芸評論家の斎藤美奈子さん。

国民無視のアベ政治に対する国民の世論・運動の昨年来の広がりに当事者として触れながら、民主主義をキーワードに語り合っています。

160104夕_R【2016.01.04 夕食】

正月番組/うつらうつらと/14時間/年賀状

2016年正月3が日最後のきょう、朝から夜中まで、テレビの正月番組を見ているような気がしながら、うつらうつらとしてしまいました。

160103朝_R【2016.01.03 朝食】

今夕には都内へ帰る娘が午前中に雑煮やきょうの新聞、お願いしていた自宅にある書籍などを持ってきてくれ、夕刻には、きょう一日、訪問看護の待機当番をしつつ、娘を送った妻が病室に来てくれました。

160102波立日の出_R(これはきのう[2日]の波立[はったち]海岸の日の出時間)

160103新舞子日の出 (2)_R(けさの妻実家近くの海岸のわが家にとっての「初日の出」)

午前中は、今年の初日の出の様子を娘が3日目のきょうになってやっと撮れたこと、ペロの入浴後の様子のこと、それに買い物をお願いしたりなど、娘との今年正月最後の日を少し楽しんではいました。

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そして記憶にあるのは…

「2時間でまわる法隆寺」(NHK)、箱根駅伝(日テレ系)、「初笑い東西寄席」(NHK)、「ラーメン食べまくり旅」(TBS系)、NHK杯羽生結弦、笑点、正月時代劇(NHK)、「サンデースポーツ」(NHK)…

160103昼_R【2016.01.03 昼食】

新聞の番組欄を見ると、14時間はテレビを見ていたような…

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まっ、こういう日もあった、ということにして…

160104夕_R【2016.01.03 夕食】

気づいたのは、看護師さんのきょう最後の夜中の巡回時の各病室の様子見の時でした。「部屋の電気を消しますよ」と。

「はい、おやすみなさい」…

あっ、それから、年賀状をお送りいただいたみなさん、ありがとうございます。昨年までは、10数年にわたって、県議・候補者として、前年の「議会報告」「活動報告」を送っていましたが、今年はその準備ができませんでした。なんとかしようと思っています。

 

きょうの計画/テレビ/志位対談/読み切る本…

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きょうすべきことを、きのう「計画」してみました。

見るテレビ番組は4つ。午前7時20分からのNHK「ブラタモリ新春アンコールSP」のうち、「長崎」「金沢」「函館」「出雲」。

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【2016.01.02 朝食】

午後3時からNHKEテレの「サイエンスZERO選 祝 ノーベル賞特集」。医学生理学賞の大村智さん「微生物から薬を生み出せ!」、物理学賞の梶田隆晃さん「ニュートリノ振動に迫る」。

夜も7時半以降はNHKのタモリ&鶴瓶&堺雅人、および新春SPドラマ。

160101早野透・桜美林大教授・元朝日編集委員_R

もう一つの計画は「しんぶん赤旗」日曜版新年合併号、ならびに日刊紙元日号の志位和夫党委員長の対談をもう一度読むこと。日曜版では早野透・桜美林大教授・元朝日新聞編集委員と、日刊紙では中野晃一・上智大教授・「立憲デモクラシーの会」呼びかけ人との対談です。

160101中野晃一・上智大教授・立憲デモクラシーの会呼びかけ人_R

どちらの対談でも、国家の暴走で個人の尊厳を踏みつぶす安倍政治のもとでの立憲主義回復や憲法13条の重みの話に触れているからです。

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【2016.01.02 昼食】

さらにもうひとつは、おとといまでに読みたかった『日本近現代史を読む』を読み切ること。天皇誕生日の記者会見での「先の戦争のことを十分に知り、考えを深めていくことが日本の将来にとって極めて大切」に触発されたといえばそれまでなのですが…

この本は東日本大震災の1年前の2010年に発刊され、読むのは今回で2度目ですが、私自身が日本近現代史に疎いこともあり、何度でも読むことが「考えを深めていく」ことになると思います。

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ほかはルーティーンの実行です。朝のテレビ体操、朝・昼・晩のスクワットとダンベル、きょうは午後の入浴、「近現代史」を読み切れば次の本(講談社ブルーバックスの『すごい家電』に手を付け始めました)へ。

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正月休み中ですので、朝と夕方には妻と娘が部屋に来てくれました。

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【2016.01.02 夕食】

今年もよろしくお願いいたします/「ゆく年くる年」から/おせち/散歩と階段

2016年、明けましておめでとうございます。

今年は、どの時期に、どういう形で、どんなことができるかはなんともわかりませんが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年がスタートした時間には、きわめて珍しく、テレビで「ゆく年くる年」の鐘の音を聞いていました。

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なのにけさ起きたのはけっきょく3時でした。たぶん、きのうの大みそかの昼間、ずいぶんとうつらうつらとしていたからだと思います。

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早朝のスクワット、ダンベル、テレビ体操をいつも通り。

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【2016.01.01 朝食】

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けさは義兄夫妻からわが家に届けられたおせちを娘が持ってきてくれました。少しだけ私もいただきます。

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これまたいつものように白血球を減らさないための注射。きょうで6日目。

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【2016.01.01 昼食】

その後、病院内外を散歩。

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階段の上りは実はきつく感じていて、病室がある6階に上りきるといつもこんな感じ。

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ともかく、以前の心身の状態を取り戻せるよう、今年も闘病のスタートです。

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【2016.01.01 夕食】

 

激動と波乱も入院暮らしに変化なし/コーヒー/日の出は?/白血球/駐車場/よいお年を!

激動と波乱に満ちた今年も終わりますが、入院暮らしにそう大きな変化はありません。

昼間は心身に多大なエネルギーを費やすわけではないので、午後9時前の就寝時間だと、どうしても、午前3~4時には起床。

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けさもドリップコーヒー。

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あしたの初日の出を拝める場所がないかとさがしましたが、ベランダから見ると北西方向に日があたる山の姿は見えますが、東方面に太陽の姿が見えません。

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【2015.12.31 朝食】

午前中のバイタルチェック時には白血球を減らさないための注射。今回の治療後は5回目。この薬は、骨髄中で、白血球の主要成分の好中球の前駆細胞の分化・増殖を促し、骨髄からの好中球の放出を増やし、その機能を亢進させる機能を持っているんだそうです。

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午後は入浴し、きょうは初めてすぐ近所のコンビニ店に行ってみました。ここの駐車場に患者さんの家族が車を止めて見舞いに来ることも少なからず、けっこう頻回に、駐車しないよう注意喚起する院内放送が流されます。

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【2015.12.31 昼食】

151230駐車場_R(左上に見えるのが臨時駐車場)

敷地内での新病院建設事業のため、駐車場を別な場所に確保しているものの、つい近くの場所を、というのは人情です。

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【2015.12.31 夕食】

締めくくりに、このブログで読書記録も更新です。

みなさん、よいお年を!

12月後半のベッド読書

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今年もきょうでおしまいです。12月後半に入院中に読んだ本の記録です。

『Q&A知っておきたい天皇のいま・むかし』(歴史教育者協議会編、学習の友社)。07年発行で、読む間もなく時が過ぎました。清盛、頼朝、尊氏、義満、信長、秀吉、家康や江戸幕府と天皇との関係なども歴史事実としてあれこれ書かれていて、「へ~!?」と驚きつつ、もう少し押さえておきたい気持ち。

『栄養データはこう読む!』(佐々木敏著、女子栄養大学出版部)。栄養疫学研究をベースにした人間栄養学を身近なものとして知ってもらおうとする著者の意図が感じられます。娘の上司からのお薦めでした。

『山野河海の列島史』(森浩一著、朝日新聞社)。「日本列島をたんねんに歩いて、山野河海に息づく人びとの声に耳を澄ませば、地域に根ざした歴史が浮かび上がってきた」との本書内容紹介にひかれました。

『領土問題をどう解決するか 尖閣、竹島、千島』(志位和夫、新日本出版社)。2010年11月に日ロ領土交渉方針の根本的再検討を求める提言、12年9月に「尖閣」問題での提言をそれぞれ民主党政府相手に発表し、千島、尖閣に限らず、竹島を含め、領土問題への見解をまとめて同年12月発行。政策の明快さを知ってください。

『日本の医療格差は9倍 医師不足の真実』(上昌広著、光文社新書)。医学部の西高東低偏在が医師の西高東低偏在の要因で、その原因は幕末・維新時代にさかのぼる話は初めて聞きました。ともかく、著者による医師不足解消へ向けた提言を正面から受け止めるべきです。

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『Q&A火山噴火127の疑問』(日本火山学会編、講談社ブルーバックス)。日本を取り巻く自然の巨大なエネルギーについて、私たちはもっと謙虚に知り、共存を図るために知恵を発揮すべきだとつくづく思います。

『3・11と憲法』(森英樹・白藤博行・愛敬浩二編著、日本評論社)。2012年3月11日発行で、まさに「3・11」を憲法にかかわる人びとがどう受け止め、解決方向を探ったかを知る改めての機会となりました。

『ドイツは脱原発を選んだ』(ミランダ・A・シュラーズ著、岩波ブックレット)。著者は、2011年3月からドイツ政府原発問題倫理委員会委員を務め、この委員会が11年5月30日、10年以内に全原発を停止という提案答申をメルケル首相に提出しました。本書は11年6月3日、日本での緊急講演会「ドイツは脱原発に舵を切ったーFukushima のインパクト」の講演がもとになっています。

『地域再生の戦略-「交通まちづくり」というアプローチ』(宇都宮浄人著、ちくま新書)。「足」の問題が単に「移動」にとどまらず、歩いて出られなかった人が出歩いて買い物したりすることで、街の売り上げ、つまり自治体の税収が増えたり、健康な人が増えて医療給付・介護給付が減ったり、その他もろもろの効果で住みやすいまちづくりが進められたり、「交通」と「まちづくり」の切っても切れない関係を万人の認識に高めないとならないと思います。

『血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫』(飛内賢正監修、講談社)。「イラスト版」だけにイラストや表の多用で見やすくわかりやすいので、なんとなく全体像が把握できたような気になりました。

『基準値のからくり』(村上道夫・永井孝志・小野恭子・岸本充生著、講談社ブルーバックス)。「基準値は私たちが安全に暮らしていくための重要な基盤であるにもかかわらず、基準値をどのように設定すべきかについての科学は確立しているとは言いがたい」。科学で得られる知見と、政治・行政による規制・調整・政策判断などとの間を埋める「レギュラトリーサイエンス」確立の提唱ともいえます。

『日本酒の科学』(和田美代子著・高橋俊成監修、講談社ブルーバックス)。酒の原材料、麹(こうじ)と酵母(こうぼ)、伝統技など、酒造りにかかわることはもちろん、日本酒と健康との関係の疫学的研究成果も含め、科学面からも日本酒に興味を持てます。

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