『日本近現代史を読む』(宮地正人監修、新日本出版社)を読みました。
1853年のペリー艦隊来航に先立つ幕末の様子を序章に、昨2009年8月の総選挙で自公政権が崩壊するまでの通史です。
アジアにたいする膨張主義と植民地支配にたいする歴史認識を国民的レベルで確立すること、戦後日本の対米従属から抜け出し、日本の自主性を回復すること、経済力の成果が公平に社会に還元されるまともな経済社会に転換することを、21世紀を展望した現代日本の課題として提起しています。
歴史を大局的に見ることの大切さと、歴史は「男女人民と多くの民衆のたたかいと努力、そして失敗と挫折の積み重ね」であることをつくづくと感じます。
1901年、8時間労働制、普通選挙制、貴族院廃止、治安警察法の廃止、言論抑圧の新聞条例の廃止などを実行綱領として掲げて日本で最初の社会主義政党(社会民主党)が結成されたとき、ただちに治安警察法によって結社が禁止されました。
109年後の今、「この実行綱領の多くが日本人の常識とするものとなり、廃止されたのは逆に治安警察法であり、亡んだのはこの法律をみずからの法的支柱とした天皇制国家でした」(「刊行にあたって」)。
当時、その実現を信じる人びとはどれほどいたのでしょうか?
そして今、「抑止力」といって世界へ殴りこむ戦力を日本におくアメリカと、軍事同盟関係はやめて、対等な関係を築く日米友好条約締結の実現性を信じる人びとを多数にする時代だと思います。