国会事故調/「明らかに人災」/再稼働根拠なし

東京電力福島第一原発事故を検証する国会事故調査委員会がきのう、最終報告書をまとめました。

東電や規制当局が地震や津波対策を先送りしたことが「事故の根源的原因」として、「自然災害ではなく、明らかに人災」と断言しました、

東電は、事故原因をもっぱら津波に限定し、しかもその規模が「想定外」として責任回避する姿勢です。その論理は成り立たない、と断じたわけです。

もともと、「原子力損害の賠償に関する法律」は、事故による「損害が異常に巨大な天災地変」による場合は事業者は免責され、しかも法律の目的の柱が「原子力事業の健全な発達に資すること」ですから、東電がこの法的論理に頼ることは当然です。

そんな論理は通用しない、と国会事故調がはっきりさせたのです。

なおかつ報告は、「規制当局は電力事業者の『虜(とりこ)』」となり、「規制する側と規制される側の力関係が逆転していた」とし、安全監視機能の崩壊を指摘しました。

さらに、事故の「直接的原因」をめぐり、「安全上重要な機器の地震による損傷はないと確定的には言えない」と指摘しました。

政府が、福井県の大飯原発再稼働を強行決定する根拠は、「地震による損傷はなかった」という立場にあります。これも崩れました。

発電し始めた大飯原発の稼動をまた止め、この報告を受けて国会で審議し、あらためて原発再稼働の是非を論議し直すべきです。

道ひとすじ/革命的楽天的熱愛的人生

『道ひとすじ』(上田七加子著、中央公論新社)を読みました。

同社発行の『婦人公論』2011年1月から3回にわたり、「夫・不破哲三との革命的熱愛人生」に連載後、新たな取材・加筆・再構成して本になったものです。

七加子さんは83歳、不破さん(本名・上田建二郎)は82歳。七加子さんは19歳で日本共産党に入党し、20歳で不破さんと婚約。それから60余年。

夫が国会議員、党の書記局長、委員長、議長と公的な立場に立たされた長い年月も、その年代ごとに、ご自分ができることを精一杯にがんばれたことなど、いつも目の前にあることのほうが、大切で、おもしろく、性に合っていた、とのこと。

この世に人間として生まれた以上、もっとも人間らしく生きられるように、よりよい社会をめざして働き、この道をただひとすじに生命ある限りこれからも歩きたい、と、はなはだ「革命的楽天的熱愛的」な人生を見せてもらった思いです。