視察初日/白河の賑わい復活へ/下郷の滞在型農園

 

県議会企画環境常任委員会の今年度2回目の県内視察初日。

白河市の中心市街地活性化・まちづくりのとりくみの様子を視察しました。

まずは、JR白河駅近くに昨年7月、移転新築され、「まちづくりの拠点施設」とも位置付けられている白河市立図書館。

この建物は、産業支援センターや多目的ホール、会議室もあって、複合文化施設です。

その一室を借りて、説明を受けました。

中心市街地活性化のとりくみは、2000年に、市・商工会議所・JA・民間企業・信用金庫・銀行などが株主となって設立された㈱楽市白河がになっています。

「通行量」「商店数」「居住人口」を増やす、という目標は、なかなかきびしいと思いますが、「歴史と伝統と文化」を賑わいのためにどう評価して活かすか、大きな課題だと思います。

「歩いて暮らせるまちづくり」と「駐車場がないとお客さんが来ない」こととのギャップは悩ましいですが、公共交通機関の出番が来ていると思います。

次にたずねたのが、下郷町の滞在型市民農園「クラインガルテン下郷」。クラインガルテンとはドイツ語で「小さな庭」だそうですが、湯田雄二町長自らの発案。

1区画が300㎡で、農地がそのうち200㎡、年間利用料金は、水光熱費などを除いて年間4万円、1年更新で5年まで、30区画あります。

「二地域居住」を進めるねらいで首都圏・関東に住む人たちの利用が目立ちます。

この施策も、今後、どういった施策につなげるか、課題のように思えます。

特別委/要望まとめへ向け/市と県の除染実施

県議会の「子育て・健康・医療対策特別委員会」がありました。前回までは執行部のこれまでのとりくみについての質疑で、今回は今年度の新事業を中心に説明を受け、質疑しました。

原発事故が私たちに何をもたらしたのかを踏まえた子どもたちへの放射能教育、食品による放射線内部被曝と食育、医師・医療従事者の養成と育成の具体的施策、学校での「防災教育」のありかた、除染やその技術の推進・普及、などなど、各委員から積極的な意見が次つぎと出されました。

執行部が退席後、執行部への要望をまとめるために、委員間の意見交換。ここでも、子どもたちが原発事故以前に近い環境で思いっきり遊べる施策の抜本的拡充、子どもや親たちが安心できるきめ細かな放射線測定と除染などの意見。たいへんに有意義な会議となりました。

委員会前には、控え室に矢祭町の宅地崩落地の調査と復旧助成の相談を受けていたかたが見えて懇談したり、避難指示解除準備地域となった南相馬市小高区に家があり、ちょっと前にも話をうかがった県農民連会長の亀田さんからその後の実情や要望をうかがったり。

特別委員会でも聞いたのですが、先日、いわき市四倉地域の県営住宅内公園で、放射性物質が付着して局所的に線量が高い所があることが分かっている件で、県有施設の除染については、市の除染計画にあわせて、県が実施する、とのこと。除染の前提は細ごまとした放射線測定です。担当部署に体験をふまえて要望しました。

亡くなられた息子さん/特別委理事会

朝から県庁の党県議団控え室に「出勤」すると、浪江町議の馬場積さんから電話。昨年の震災後、町民から亡くなられた息子さんの相談を受けていた件でした。

災害救助法に基づく対応なのですが、原発震災を想定した法律ではないために、この1年間、まったくと言っていいほど対応できない事態が私たちの目の前で次々と起こっています。

杓子定規ではなく柔軟対応をとったとされても、遺族からすればとても納得のいかない事例です。県の担当部署の職員にも来てもらい、町議・ご遺族と話を聞かせてもらいました。

午後は県議会の「子育て・健康・医療対策特別委員会」の理事会でした。

これまでの執行部聴取調査を受け、当初の予定を変更して中間報告を委員会としてまとめて執行部に要望する日程を加える提案を委員会にしよう、ということにしました。

県内外調査についても、委員会テーマに基づくものについては、積極的に調査すべきと思います。理事会は6人なので、かなり率直に意見を出し合えます。

3日目/防災ヘリ/風力発電

調査3日目はまず、福島県消防防災航空センターへ行き、防災ヘリの活動状況などを調査しました。

昨年3月は、災害応急対策で13件、約13時間の運航、救急・救助を加えると40件、約32時間の運航だったとのこと。年間ではここ数年、300~350時間の運航だそうです。

機体や機器類の定期点検もおこたるわけにはいきません。

質疑後、2班に分かれて防災ヘリに試乗。震災でのがけ崩れ現場と堤防決壊現場を地上約300mの高さから見て回りました。

午後はまたバス移動。田村市滝根町といわき市川前町小白井(おじろい)にまたがる風力発電所「滝根小白井ウインドファーム」。事業会社は㈱ユーラスエナジー滝根小白井。

23基の発電機で、4万6000キロワット(一般標準家庭約3万世帯相当分)の発電能力があります。到着したときは、風速5.5m/s、発電量3000kw、標準世帯7000軒分、と表示されていました。

電気は東京電力に売電しています。

ともかく、多種多様な再生可能エネルギー活用の技術開発と爆発的普及はこれからです。

委員会調査2日目/復興庁・環境再生事務所/除染現場

きのうのうちに福島市にもどり、午前中は福島市内の復興庁福島復興局、環境省福島環境再生事務所をおとずれ、国のそれぞれのとりくみを聞きました。

復興庁は、「被災地のあらゆる要望・相談を一元的に受け付け、対応する窓口」とうたっています。

が、対応してくれた局次長がおっしゃるように「スピード感がないといわれる」「職員自身が現地を見て、“やはり現地はこうだった”と気づくことも多い」とのこと。

私からも新潟に「自主避難」されているかたがたの声も紹介しながら、警戒区域などからの避難指示者と変わらない対応の迅速な解決を要望しました。

環境再生事務所では、国直轄の除染工程などの説明を受けました。各委員から、除染そのものが線量にかかわらず国の責任であること、安心して住める状態にもどすことが求められていて、「強制的にもどされる」と住民が疑念をいだくことのない対応を求めるなど次つぎ。

午後はまたバスで移動し、計画的避難区域内に入り、葛尾村(かつらおむら)の「みどりの里 せせらぎ荘」での国直轄除染作業の現場を視察しました。

委員会県内調査/新地町・相馬市

県議会企画環境委員会で3日間の県内調査です。

初日は、役場の駐車場まで津波が浸水し、すぐ東側にあるJR新地駅が津波の直撃を受け、町全体では5分の1(約904ha)の面積が浸水した新地町。亡くなられたかたは115人にのぼり、500戸を超える住宅が全半壊しましたました。

町の復興計画に基づき、宅地など買い取り、集団移転など、住民合意を前提に進めようとしている現状です。

全壊した新地駅については、この区間を含めたルートをやや内陸側に変更して復旧予定です。土地買収なども含め、具体的にはこれからです。

次におとずれたのは相馬市。ここでも津波の被害は大きく、亡くなられたかたが457人、全半壊住宅が2900戸を超えています。

こちらでは大震災で発生したがれきの処理について、市内に設置された仮置場とそこでのがれきの破砕・選別処理作業を調査しました。

県庁を出発し、長時間に及ぶバス車中移動でした。

議会最終日/静まる議場

31日間にわたった2月定例県議会も最終日。

党県議団の代表としての宮本さんの討論原稿を5人で最終検討しました。

あわせて、党が全国でいまとりくんでいる「緊急支部会議開催の『特別期間』」について、県議団として討議しました。

午後1時からの本会議では、6つの常任委員会委員長報告後に討論。私たちは、知事提出の65議案のうち、来年度一般会計予算など5つの議案に反対。市町村や県民に負担を増やしたり、人工島造りなどのムダ使いにかかわるものです。

宮本さんの15~16分の討論中、野次のひとつもなく、静まりかえった議場の様子は、ちょっと私も驚きでした、

終了後、恒例ではありますが、議長・副議長、知事・副知事など執行部幹部、教育庁幹部、県警幹部が各会派控室をまわります。

今月で任期満了の松本友作副知事は、高校の大先輩でもあります。

「歩く県議会」ともっぱらの評判の中村勉議事課長も正職員としては今月限りです。

審査会2日目/採択委員会/意見書「継続」の疑問

総括審査会の2日目でした。

自民、民主・県民連合、ふくしま未来ネットワーク、日本共産党、公明党の5会派5人が質問に立ちました。

共産党は神山悦子団長。子育て支援、避難者支援、地震・水害・原発災害の教訓を柱に質疑。

終了後は、審議を終えた議案を採択するための常任委員会。私が所属する企画環境委員会では、知事提出議案は予算を含めて全議案を全員一致で採択。

意見書議案の一つ、「福島復興再生特措法」の拡充と早期成立を求める意見書は、提案者の公明党の委員と私が採択を求めましたが、「参院での成立のめどが立っている」との理由で、多数で「継続」とされました。

今議会の冒頭から審議の対象として本会議でも各委員会でも、被災者に寄り添い、被災者一人ひとりの生活となりわいの再生こそ、福島復興の土台、と議論されてきたはずでした。

公明党と共産党の2人だけが可決を強く主張する場面はそうないと思いますが、特措法の当事者となる県議会の多数が、「成立するから」と、自らの意志を国会へ届けようとしない姿勢には疑問です。写真に委員長が写っていませんが、委員長に強く迫っている場面です。

総括審査会

きょう、あすと総括審査会です。

福島県議会独自の会議らしいですが、本会議では審議がつくせなかったことや、2つ以上の常任委員会にまたがるような問題について、一問一答方式で質疑します。

1977年から定例会ごとに開催していましたが、97年からは2月定例会の予算議会のみとなっています。会派間では、年にもう一回の総括審査会の開催をしようと調整中です。

質疑時間は会派の議席数などに応じて配分です。

きょうは自民党から2人、民主・県民連合から2人、ふくしま未来ネットワークから1人が登壇しました。

自民党のお一人は、原発事故による避難者であり、事故直後からの県の対応、避難者支援などをきびしく問いました。

各議員から、原発事故賠償問題、再生可能エネルギーの飛躍的導入、風評被害と情報発信のあり方、地域の企業育成、雇用対策など、さまざまな角度から質疑がありました。

昼休みには、「福島県議会スポーツ振興議員連盟」、「福島県消防協力議員連盟」、「福島県ボーイスカウト・ガールスカウト振興県会議員連盟」、「北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決を図る福島県議会議員連盟」の総会が開催されました。

特別委員会/安心してかかれる健診

「子育て・健康・医療対策特別委員会」がありました。

前回の「子育て支援・教育・人づくり」に続き、きょうは「県民の健康・医療・福祉対策」についてのこれまでのとりくみと現状を中心に説明を受け、質疑をしました。

私は、在宅精神障害者の医療スタッフによる訪問支援、がん検診と健康診査の受診率、県民健康管理事業での基本調査の状況、災害で働く場を失うなどの被災失業医療従事者を対象にした緊急医療体制強化事業、医療施設災害復旧事業の申請状況について確認の質疑。

受診率は、2010年の数字で、双葉地域を除き、胃がん検診22.6%、肺がん検診32.5%、大腸がん検診24.5%、子宮がん検診29.1%、乳がん検診27.4%であり、国民健康保険の特定健診が36.8%、被用者保険は2009年度で45.0%。

低線量被ばくが現実に進んでいるもとで、誰もが費用の心配なく、安心して書かれるがん検診・健診とすることが不可欠です。

ほかの委員からも、仮設住宅などでの被災高齢者の緊急通報システムの整備状況、被災による子どもや家庭の専門的相談の内容、ホールボディカウンター導入と検査状況、食品などの放射能検査施設整備などについて質疑がありました。