委員会採択/決議したのに意見書反対/復興計画進捗

先週の常任委員会審議を受け、きょうは委員会に付託されている議案の採択でした。

採択態度の方向については、各委員とも先週のうちに示しているので、その最終確認です。

私だけが起立する場面が3回。継続となっていた2つのTPP参加反対の意見書、そしてその意見書提出を求める請願、会津若松市背炙り山風力発電建設を認めないよう求める請願です。

TPP(環太平洋パートナーシップ協定)については6月2日、県庁前で「TPPから日本の食と暮らし・いのちを守る県民集会」が県内37団体、約1000人の参加と、TPP関連では県内最大の集会が開かれたばかりです。ここには、副知事、県議会議長、県選出国会議員も来賓であいさつしています。県議も少なからず参加していました。県議会は昨年の9月議会で、全会一致で「決議」しているのです。

主催した地産地消運動促進ふくしま協同組合協議会会長の庄條徳一JA5連会長は「今やるべきはTPP交渉参加や消費税増税でなく被災地の復旧・復興だ」と強調していたのです。県議会はこの声を封じるのでしょうか。

風力発電建設に関しては、生息する多様な生物への影響懸念と、新たな基準に基づく調査を地元の人びとが求めたものです。

終えてからはあしたの討論の準備をしつつ、県復興計画の進捗状況について担当部署に来てもらい、説明を聞きました。

特別委/中間報告/「野馬土」/議案への態度

子育て・健康・医療対策特別委員会がありました。

昨年12月議会で設置が決まって以降、5回にわたって、関係部局のとりくみなどについて聴取し、調査してきました。今回は、これまでの調査から明らかになった課題について、今後施策に反映させるため、「中間報告書」をまとめ、議長に報告するとともに、知事に申し入れることとしました。

午後には、今年12月に相馬駅近くにオープン予定の野菜直売所とカフェ「野馬土(のまど)」のプレオープンが7月7日にあることのごあいさつに見えました。

おとずれたのは、店長の県農民連会長の亀田俊英さん、このとりくみをフランスから支援してくれているレンヌ大学の政治経済学教授のアンベール・マルクさんご夫妻。

「野馬土」というのは、野馬追の地、荒野を疾走する遊牧民である「Nomad」、野に明けた「野窓」を意味しているそうです。

7月7日は午前10時開会、午後3時閉会予定です。

その後は団会議で議案に対する態度の確認。今議会では、継続となって年度を越した請願や意見書を「決着」させなければなりません。

私たちが紹介議員であるものが多く、多数によって請願は「不採択」、意見書は「否決」とされる可能性があり、私が討論に立って、県民の目線で見れば、採択すべきものは採択し、可決すべきものは可決すべし、と訴えます。

生環部審査/質疑/意見書案

企画環境常任委員会で、きょうは生活環境部の審査でした。

災害救助法による救助に要する経費、原子力被害応急対策基金積み立て、避難者に対する情報提供や避難区域内へのウェブカメラ設置などの帰還支援事業、情報通信ネットワーク整備など、総額175億円弱の増額補正です。

きょうも議案以外の「一般的事項」では、除染、賠償、湖沼などの放射線モニタリング、国会事故調での知事対応などの質疑が続きました。

私は、県内自主避難者の市町村を通じた実態把握・具体的な支援を講じること、東電事故調最終報告の県としての受け止め、事故収束作業員が社会保険に加入するなど働くものとしてのあたりまえの労働条件を東電に求めること、処理水漏洩にかかわる具体的な安全対策を求めること、双葉断層や井戸沢・湯ノ岳断層など県内断層調査が必要なこと、住宅応急修理を市町村から求めがあればあらためて対応すること、などで質疑しました。

原発再稼働に対する県議会の意志を示す委員会としての意見書も全員一致で確認しました。

「……国の再稼働決定は、原発事故の被災県としては受け入れがたく、非常に残念である…大飯原発を含め、再稼働の判断に当たっては、福島の悲劇を二度と繰り返さないためにも、福島原発事故を十分に検証し、安全規制体制を確立した上で、住民の安全・安心の確保を最優先に対応するよう強く求める」というものです。

私たちの当初の提案は、「再稼働決定は到底容認できないので、撤回を求める」趣旨でしたが、最初の修正提案では「非常に残念である」になり、調整の過程で「容認できない」の表現に変えるよう意見が出され、けっきょく最終案のようになりました。

この委員会の委員長提案で最終日に採択予定です。

 

月曜日以来、自宅の玄関を開けると、ペロがむかえてくれます。

企画調整部審査/委員会提案を重視

きょう、あすと企画環境常任委員会です。

きょうは企画調整部の審査でした。復興交付金の基金積み立て、太陽光発電の導入促進のための調査拡充経費、情報通信ネットワークシステムの通信確保経費、被災した競技施設復旧経費など総額34億円余りの増額補正がおもな議案です。

質疑が活発だったのが議案以外の「一般的事項」です。

福島復興再生特措法に基づく政府による基本方針作成への県の働きかけ、再生可能エネルギー普及のための具体的しくみづくり、先月28日に設置されたばかりの「宿舎等確保対策プロジェクトチーム」の業務などには、ほかの委員を含め質疑も集中。

私はほかに、「県内原発全基廃炉」の県の立場を東電と国に直接訴え続けること、避難市町村の「新たな生活拠点」をめぐる国・県・市町村協議とそのなかでの県の主体性の発揮、アクアマリンの「水生生物保全センター」の復旧へ向けた状況などを聞きました。

請願・意見書についても審議し、大飯原発再稼働決定に対する県議会としての意志は、全会派が一致できる中味で提出することを確認。共産党と未来ネット共同で提案した「再稼働決定撤回」からの後退は否めませんが、全会派一致による委員会提案を重視します。

一般質問2日目/「原発ゼロ」と自民/意見書調整

一般質問の2日目でした。

きょうは、自民、民主・県民連合、自民、民主・県民連合、公明の順に5人。

自民の最初は常任委員会もいっしょで、委員会ではけっこう鋭く話をされる若手。期待しましたが、ちょっと精神主義的・観念的な話が多い質問でした。

「今は責任の所在や追及をするときでなく、いちがんとなるべきとき」というのは、聞こえはいいかもしれませんが、私には受け入れがたいことです。

もうおひとりの自民の質問は、「原子力に依存しない社会」の実現を掲げる県として、原発ゼロのエネルギー政策を国がとるべきことを、この福島から発信すべき、と再質問で主張しました。そのとおりです。

担当部長は、県が施策面での姿勢を示すことが大事、との答弁にとどまりました。

あすからは常任委員会の審議に入ります。議案として提案された意見書案のうち、大飯原発再稼働に対する福島県議会としての意志を示すものについて、共産党と未来ネット共同提案に修正を求める民主、そし委員会委員長・副委員長をまじえ、調整を続けました。

一般質問初日/反省を表明しない知事/健診を無料で

きょう、あすと一般質問です。

きょうは自民、民主・県民連合、ふくしま未来ネットワーク、日本共産党、自民党の順に5人。

共産党は神山悦子団長。原発との共生をうたい推進してきた知事には、原発事故への真摯な反省の表明を求めましたが、言うべきことは言い、事故は重く受け止めるという答弁にとどまりました。

また副知事には、2010年のプルサーマル導入当時の国との調整の事実関係を明らかにするよう求めました。

ほかに心のケア、子ども病院設置への検討、子どもたちが学ぶ学校教室などへのエアコン設置、障がい者支援、国民健康保険、生活保護、再生可能エネルギーなどを取り上げました。

先日の宮本さんの代表質問とあわせ、県議団ホームページに掲載されますので、ぜひご覧ください。

本会議後は「子育て・健康・医療対策特別委員会」理事会があり、委員会にはかる「中間報告」案を検討。当初の案に、「がん検診などを含めた健康診断について、無料化するなどしっかりとした検査体制の構築」といった表現を私の提案で追加し、確認しました。

医療機関は莫大な消費「損税」

県の病院局に2010年度、県立病院(矢吹病院、喜多方病院、会津総合病院、宮下病院、南会津病院、大野病院の6病院)が納付した消費税を聞きました。約760万円でした。

一方、控除対象外消費税(損税)について、先月25日に全国自治体病院協議会が公表した「消費税に関する緊急調査」に基づくと、2010年度の福島県立病院全体の損税は約1億7,000万円です。

税率が上がれば当然この損税もふくらみます。どうしてこんな莫大な損税が発生するのでしょうか。

簡単に言うと、医療機関の収入の大半は保険診療によるもので、患者さんの消費税負担はゼロです。その保険診療を提供するために、医療機関が購入する薬剤・医療材料・委託・水道光熱費・各種サービスなどについては医療機関が消費税を支払います。これを患者さんに転嫁できないしくみです。したがって、医療機関での損税の発生は必然的です。

損税が発生しているのに、医療機関がなぜ消費税を納付するのでしょうか。それは、医療機関の収入は、保険診療だけでなく、健診や文書や自由診療による収入があり、こちらは利用者から消費税を負担してもらうことになっているからです。

このしくみについて、2009年12月3日の厚生労働省社会保障審議会医療部会に日本医師会の竹嶋康弘委員が資料を提出していました。

ここでは、売上10億円でそのうち1割の1億円が自由診療分で、受け取る消費税額は500万円。

仕入は4億円で医療機関が支払う消費税額は2,000万円。

医療機関が控除できる「仕入税額控除」は、支払った2,000万円のうち、売上の1割の自由診療分に対応する1割の200万円。

したがって、医療機関としては、受け取っている消費税額500万円から、200万円を差し引いて300万円を納付させられるわけです。

しかし、仕入にかかる消費税は2,000万円ですから、けっきょく、控除対象外消費税(損税)は1,800万円です。

ちなみに、全国自治体病院協議会の発表によれば、2010年度の1病院あたりの平均でみると、実際の納付消費税額は641万7,000円、損税は1億2,414万円。消費税率が10%になると、損税は2億4,827万9,000円にふくらむと試算しています。

その発表資料では、診療報酬を課税対象としてゼロ税率など税率を軽減すること、医療機関が購入する薬品・診療材料は非課税にすること、仕入れにかかる消費税は全額控除対象にすること、など、病院からの意見が付されています。

代表質問2日目/宮本しづえさん/反省が感じられない知事

代表質問2日目は、日本共産党の宮本しづえさんと、自民党の質問。

宮本さんは、被災者を生活困難に追い込む「社会保障と税の一体改革」など国政上の知事の認識、原発事故が人災であることの認識などからはいり、県民の健康、被災者支援、とりわけ「放置」されてしまっている県内自主避難者への支援、災害救助法に基づく住宅支援、除染、賠償など、喫緊の県政課題全般ををただしました。

国との調整が必要なことがあることは誰もが承知していますが、県として、被災県民を主体的に支援するための確固とした姿勢が浮き出ないのは、知事の姿勢によるように思えてなりません。

原発事故が東電・国による地震・津波対策を意図的に怠った人災であることは明らかなのに、「国が調べてくれること」程度の話です。

みずからの原発推進姿勢への反省のかけらも感じられないのです。宮本さんは、再質問、再々質問と詰めましたが、私が質問した2月議会のときとまったく変わりません。ちょっと驚きです。

再稼働撤回意思表明の雲行き

私たち県議団は、議会開会日の前日、18日に議長に対し、議会冒頭で福井・大飯原発再稼働の政府決定を撤回させる県議会としての意志を表明するために、議長のイニシアで意見書を採択すべし、と提起しました。

議会の手続き上、議長はきょうのあしたではできないので、21日に代表者会議を開催して協議したい、と、日程を追加してくれました。

意見書案や請願などの提出は19日なので、私たちもその日に意見書案は議会事務局に提出しました。

21日の代表者会議では、共産党も手続きにのっとり意見書案を提出したので、通常の手続きで処理したい、と議長。

わけがわかりません。手続き的には案をルールにのっとり提出しますが、これを議会冒頭で議会の意志として示そうと提起したのですが。

ともかく、意見書案提出は私たちとふくしま未来ネットワークでしたので、私から意見書案の一本化を未来ネットに提案。

できれば他会派と共同提案としたいので、未来ネットの議員と他会派を回りましたが、結果としては、2会派の共同提案にすることになりました。

そしたら民主・県民連合は、「再稼働撤回」ではなく、再稼働を受け入れた地元自治体の意向をくみいれる意見書を準備する、とのこと。

「脱原発」を県議会の意志として全国・世界に示しながら、そしてたいへんな目にあわされている県民を代表する福島県議会として、「再稼働やむなしですね」みたいな意志を示すのでしょうか。

なんのために「脱原発」の意志を昨年10月に県議会は示したのでしょうか。県議選直前だからだっただけなのか、福島県民のきびしい監視の目がそそがれています。

代表質問初日/他会派と相談/打ち合わせ

「交渉会派」による代表質問初日。

民主・県民連合とふくしま未来ネットワークの質問でした。

県内自主避難者の県としての支援がまったくないことについて、全会派がその支援の具体化を求めていますが、県は国との協議・調整中というのみで、これが被災県の姿勢なのか、議場はブーイングでした。

この本会議を前後して、提案議案の説明を執行部から受けたり、国への大飯原発再稼働撤回を求める意見書提出について他会派と相談して、ほかの会派を回ったり。

海外行政調査の第3回打ち合わせもありました。