県議会の企画環境常任委員会の県内視察で、伊達市役所、南相馬市役所をたずねました。
それぞれで、除染に関するとりくみと課題、住民帰還に向けたとりくみと課題などの説明を受け、質疑しました。
伊達市は一部の地域で2011年6月に113世帯、11月に15世帯が追加で「特定避難勧奨地点」に指定され、昨年12月に解除されるなどの経過がありました。一度指定を受けた地点の住民など、900人ほどが避難中です。市の人口は約6万6,000人(約2万世帯)です。
除染でいうと、特定避難勧奨地点に指定された地域を中心に2,555世帯を対象としたAエリア、そこに隣接し、年間積算線量が5mSvを超える地域で対象世帯は3,496のBエリア、残る約70%(約1万6,000世帯)が対象となるCエリアとし、4か月に一度、全市の放射線量測定マップを作製・配布もしてとりくんでいる、とのこと。
Aエリアでは仮置場(50か所、約29ha)の確保など、住民の理解を得ながら進んでいる、との説明でした。
それでもまだ大半の「低線量」被ばく地域が残されており、また、市町村間の調整をすべき県の役割が不明確なことなど、課題はまだありそうです。
南相馬市では、桜井勝延市長も実情の説明をしてくれました。
人口は7万2,000人弱で、市外避難者は1万7,000人弱、転出者も6,400人ほど出ている、とのこと。
南相馬市は、南部が第一原発から20km圏内であり、昨年4月の「区域再編」でも、南部・西部を中心に、帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域があり、除染はこれらの区域が国直轄、残る区域が市の除染実施区域です。
南相馬市では、国による中間貯蔵施設の設置が決まらないことが、除染が進まない最大のネックという説明でした。
こうして、除染の課題だけでも、自治体により、しかも自治体内の地域により、個別のさまざまな課題をかかえ、国や東電の原因者の責任は不明確なままです。
伊達市から南相馬市へ移動するのに、いまだ大半の地域が居住制限区域の飯舘村を通過です。バスの中で簡易放射線測定器は、毎時1.3μSvを超えます。