ここまで進んだ! 格差と貧困

『ここまで進んだ! 格差と貧困』(唐鎌直義ほか9人著、新日本出版社)を読みました。格差と貧困

目次にあるように、若者の住宅問題、孤立の中で生かされる若者の貧困、増え続ける貧困高齢者、貧困の一側面としての子どもの貧困の深刻化、若い女性の不安定と貧困、生活保護の状況と、安倍政権が生み出し続ける日本の独特な貧困の実態が明らかにされます。格差と貧困カバー裏

まさに「驚愕の実態」です。

「今日の格差と貧困について、これほどまでに多角的に論じた本は他にない」(「まえがき」)のではないでしょうか。格差と貧困オビ裏

本書は、共産党発行の月刊雑誌『前衛』2015年7月号から16年2月号にかけて連載された「シリーズ 格差と貧困はどうすすんだか」の10人の著者による論稿をまとめたものです。

田植え/リンゴをついばむ/藤の花/タケノコ

160502田んぼ散歩していると、連休に入る前に田植えを終えた田んぼもあれば、田植え真っ最中の田んぼもあります。160502田植え1

田植えの最中に落としてしまったのか、それとも置いたか、リンゴをついばむ鳥。160502リンゴと鳥1160502リンゴと鳥2

まわりの山々では、藤の花が咲き始め、まもなくいわき中の山が紫色に染まるのではないでしょうか。160502フジ1いつもの散歩ルートですが、こんなところにタケノコが…。竹林を切り開いて作った道路でしょうか。160502筍1家にもどったら食器洗い。160502食器洗い

 

第87回メーデー/「格差をただし、経済に民主主義を」/税金の集め方、税金の使い方、働き方の改革

きょうは第87回メーデー。働く者の祭典です。

私は働いていないので(?)、じっとこらえて自宅を根城にまだ療養暮らし。

ネットで全国のメーデーの様子を見ていました。160501中央メーデー・志位

首相は参院選を6月22日公示、7月10日投開票に日程を決めた、という情報も。

ともかくきょうのメーデーでも、「格差をただし、経済に民主主義を」が働く人の切実な声として響き渡っているはずです。

共産党は、アベノミクスによって歴然とした貧富の格差がつくられた現実を見据え、税金の集め方・税金の使い方・働き方の3つの改革・チェンジ、そのためにもアベノミクスの中止を訴えています。

税金の集め方で言えば、「負担能力に応じて」の応能負担原則に基づき、「増税するならアベノミクスで大もうけした富裕層と大企業に」が当然のこと。160430赤旗・税金集め方消費税10%への増税はきっぱり中止です。

税金の使い方で言えば、海外で戦争するための大軍拡はもってのほか。「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(憲法25条)に基づき、年金削減の中止、医療費の負担軽減、介護保険の負担軽減、介護労働者の待遇改善など、社会保障充実最優先に使います。160430赤旗・税金使い方また、認可保育所の建設促進で待機児解消を図り、保育士の賃金を引き上げます。

さらには、大学学費は10年で国公立も私学も半減。給付型奨学金を国の責任で創設します。

働き方で言えば、非正規から正規への流れをつくることが喫緊の課題。派遣法の抜本改正、「同一労働同一賃金」を法制化します。

また、中小企業への支援を強め、最低賃金は今すぐどこでも時給1,000円に引き上げ、1,500円をめざします。

さらに、残業時間の上限「年360時間」を法制化し、翌日の勤務まで11時間以上の休息時間を保障します。

参院選では、こうした当たり前の願いを実現させる選挙にしたいと思います。

散歩/お鮨で昼食/夕べは山菜/ニコニコ超会議

娘がおととい未明の午前3時前いわき駅着高速バスであす夕刻まで帰省。160430の1午前中、例によってペロと散歩。1604301路地に向かって顔を見せる花々に魅せられました。1604304今年度はわが家が隣り組の会計係。退院後のごあいさつを兼ねて、妻とともに「集金」して回りました。

お昼には、妻の実家へ行き、義母の弟さんが営むお寿司屋さんの御鮨をとって5人でいっしょに昼食。160430門松5人退院後に顔を合わせるのは実はこちらも初めて。治療した病院へ転院前の病院にお見舞いに来てもらって以来でした。160429山菜セットそういえば夕べは、義理の兄が秋田から取り寄せた「たらの芽、イタドリの芽、ねまがりたけ、こしあぶら」山菜セットをいただき、天ぷら・すまし汁で食しました。

家に戻ってからはパソコンで「ニコニコ超会議2016」。きのう、きょうと千葉県の幕張メッセで開かれていて、党中央ホームページにアップされている録画を視聴。160430ニコニコ・山下共産党ブースで行なわれた企画で、録画で見ることができるのが、山下芳生副委員長と政治ジャーナリスト・角谷浩一氏との「スペシャル対談」。160430ニコニコ・山下2それに「しんぶん赤旗」編集局の若手記者が紙面の魅力をアピールする「俺らの赤旗」企画。これらがきのうの企画。

きょうの企画では、穀田恵二国会対策委員長(衆院議員)と角谷浩一さんとの「『超』対談」。160430ニコニコ・穀田94年という、日本では間違いなくいちばんの「老舗」政党ですが、その歴史の中でも初めてのことがいま目の前で展開されている話など、共産党のそのままの姿を知ることができます。

 

国が地域医療を滅ぼす日/「デュオ・ピークス」/地域包括ケアシステム成功のキーワード

『国が地域医療を滅ぼす日』(大野健次著、ワニブックス)を読みました。副題が「迫りくるデュオ・ピークスの脅威」。160429デュオピークス

「デュオ(ラテン語で「2」)・ピークス」とは、団塊の世代が75歳以上となって高齢者のピークを迎える2025年、その15年後に死亡者数がピークに達する2040年の2つのピーク。9年後と24年後の話です。

著者が院長を務める金沢の城北病院は、「無差別平等の医療」を掲げ、差額ベッド代をとらず、もっとも弱い人の立場に立った医療を実践する、民医連(全日本民主医療機関連合会)加盟で、314ベッドの中規模病院です。160429デュオピークスオビ城北病院で思い出すのは、09年に同じワニブックスから出版された『笑って死ねる病院』。テレビ金沢制作で、日本テレビ「NNNドキュメント’08」で08年6月に全国放映された番組の書籍化でした。

それはともかく、本書でいう「デュオ・ピークスの脅威」とは、現象そのものではなく、政府の政策こそが脅威を招くとする現実を解き明かします。160429デュオピークス病床たとえば病床(ベッド)数削減政策。診療報酬改定によってベッド数は減ってきているにもかかわらず、政府は、地域包括ケアシステムとセットさせ、医療費削減の目的でベッド数をさらに削減しようとしています。

しかし、「この地域包括ケアシステムを成功させるためのキーワードは中小病院の機能をしっかり残し日本の伝統ともいえる地域医療を崩壊させないこと」と強調します。

だれが医療を殺すのか/「医療の真実」/災害医療・危機管理

『だれが医療を殺すのか』(石井正三[まさみ]著、ビジネス社)を読みました。医療を殺す著者は2代前のいわき市医師会会長で、現在は日本医師会常任理事。09年からは世界医師会副議長を務め、昨年(2015年)からは世界医師会財務担当役員として世界各国をまわる機会も多いようです。

本書の冒頭で、06年2月に産科医が逮捕、起訴された「福島県立大野病院事件」を取り上げ、この事件への抗議が「私の原点」としています。実は私もこの事件については、「安心してかかれる医療の実現」という立場から、06年6月県議会の一般質問で県の姿勢をただしていました。医療を殺すカバーソデ日本の「医療の真実」に迫る著者の考えを中見出しから拾ってみると、「医療制度を壊す新自由主義」、「政治によって分断された医療界」、「医療費抑制策の過ち」、「驚くべき官僚と政治の劣化」、「社会保障費はコストでなく共有財」、「企業の内部留保を財源に活用」、「医療従事者の待遇改善と医療費の適正な支払いを求める」、「女性が働きやすい医療環境を整備せよ」… 議論や異論があるテーマや叙述もあるでしょうが、うなずけることもたくさんあります。医療を殺す目次本書後半では日本医師会・世界医師会としての災害医療・危機管理の考え・動きが具体的です。

巻末には資料として、今後の大震災時医療の参考にと、2011年3月11日~20日の著者自身の体験が記録されています。5年前の3月11日は著者が立ち上げた病院の開院26周年の日だったそうです。

警察捜査の正体

『警察捜査の正体』(原田宏二著、講談社現代新書)を読みました。警察捜査著者は、1957年に北海道警察に採用され、1995年に釧路方面本部長を最後に退官しました。ノンキャリアとして、階級的には最高のポストまで就きました。2004年2月には、道警の裏金問題について「告白」会見したその人です。

05年には『警察内部告発者』(講談社)を出版、私はその本を読み、福島県警から資料も取り寄せ、北海道警警務部長を経験した当時の県警本部長に、県警での裏金づくり疑惑を追及していました(2005年9月議会一般質問)。

本書では、警察官として半生を過ごし、警察の現場で犯罪捜査を体験した著者が、犯罪捜査の実態を明らかにします。警察捜査オビ裏最近の犯罪捜査は、とくに監視カメラ映像や、DNA鑑定の利用など、デジタル化が顕著ですが、実は、そうした犯罪捜査の法的な整備は怠ったまま定着させ、広げようとし、令状主義を逸脱した事実上の強制捜査といった「グレーゾーン捜査」も当然のように行われている、と指摘します。

その背景には、一部のキャリアが支配する現状、根拠の薄いノルマによる業務管理、経験不足の警察官の増加、幹部枠拡大による幹部の資質の低下といった組織的問題もあります。警察捜査著者

こうしたなか、警察国家への道を加速させる特定秘密保護法制定、さらには安全保障関連法、共謀罪制定や憲法改定の動きに警鐘を鳴らします。

受診/飲み薬が減って3種類/家の花々

今月8日に20日間の放射線治療を終え、その2日前の受診から3週間ぶりの医師の診察でした。

やや頻尿なのと残尿感があることで尿検査をしてもらいましたが、尿の各種値はまったくの正常。器官に心配があれば別に受診を、と。160427診察予約

また、やや軟便気味が続いていますが、こちらは前回受診時、医師から「放射線治療終了後、腸の働きにひと月はその影響が残るかもしれない」と言われていたことの反映。160427の3これら以外はとくに異常なく、退院時に入院中から飲み続けていた5種類の飲み薬から、消化管運動改善剤と抗菌剤がはずれ、胃粘膜保護・修復剤、整腸剤、胃酸分泌抑制剤の3種類に減りました。160427の1次回は血液検査を含め、5週間後。160427の2

わが家の庭や鉢植えの花々。160427サクランボ

チェルノブイリ30年/各紙が記事掲載

チェルノブイリ原発事故から30年目のきょう、わが家で購読している3紙(「福島民友」、「朝日新聞」、「しんぶん赤旗」)がそれぞれ記事を掲載しています。160426民友

「民友」は、ベラルーシのノーベル賞作家、スベトラーナ・アレクシエービッチさんの共同通信インタビュー配信記事。「二つの事故(チェルノブイリと日本)で分かったのは、科学技術が進んでいても、真摯な態度で管理していても原発事故は起こり得るということ。むしろ技術が進むほど、大きな事故につながるのではないか。人間が自然に勝つことはできないのだから」。「30年たっても、私たちが原発事故について理解しているのは、薬や治療が必要だということだけ。原発事故を哲学的に、人類学的に考え、理解することこそ必要。フクシマで何が起きているのか、日本の人々がどう考えているのかを聞きたい」と。160426朝日160426朝日・仏原発

「朝日」は、フランスとの国境近くの原発について、ルクセンブルク・ベッテル首相、スイス・ジュネーブ市、ドイツ環境省報道官がそれぞれ閉鎖を要求したことを報じています。160426赤旗

「赤旗」でも、24日、スイス北西部バーゼルなどで、ドイツ、フランス、スイスの3か国市民がフランス最古のフェッセンハイム原発の閉鎖を求めるデモを報じました。各国間を流れるライン川上の七つの橋の上で、それぞれ数百~千人が参加したとのこと。

「原発」は文字通り、地球規模の人類的課題です。

チェルノブイリ原発事故からあす30年

チェルノブイリ原発事故からあした(4月26日)で30年です。160425赤旗・時事「しんぶん赤旗」では、「時事」配信記事として、2015年ノーベル文学賞を受賞したベラルーシの女性作家・ジャーナリストのスベトラーナ・アレクシエービッチさんがイギリスBBC放送でのインタビューで語ったこと、ならびにウクライナ北部の今は廃墟となった原発城下町・プリピャチの様子を伝えています。

プリピャチには私も4年前に福島県議会の視察団の一員として行っていて、その時の写真もついでに載せます。120710プリピャチ村内

アレクシエービッチさんは1997年に『チェルノブイリの祈り 未来の物語』(邦題)を出版し、原発のある文明社会に警鐘を鳴らしましたが、彼女の語ったところを記録しておこうと思います。120710プリピャチ村中心

福島原発事故前、北海道を訪れた際、「日本では同様の事故がないよう対策が講じられている」と言われた、とのこと。120710プリピャチ村中心2

今年3月のベルギー連続テロに絡み、「テロ容疑者は、原発を巨大な爆弾に転用しようとするだろう。これは危険そのものだ」と訴え。

ベラルーシ国内では新たな原発建設が進められていることに、「チェルノブイリで最大の被害を受けた国なのに原発建設の賛否の議論がない。独裁下では1人が全てを決めている」と、ルカシェンコ大統領を批判しました。120710プリピャチ村・動かなかった観覧車彼女は「チェルノブイリや福島のようなことはまた起こり得る」と主張しています。