『アホノミクス完全崩壊に備えよ』(浜矩子[はま・のりこ]著、角川新書)を読みました。
「強さと力」をやたらと取り戻したがる「アホノミクス」。ほんとうに取り戻さなければならないのは「連帯と美」。日本国憲法に生きている「国は国に向かって剣を上げず、もはや戦うことを学ばない」(旧約聖書)という言葉のイメージを大切にしながら、アホノミクス完全崩壊終幕を観ます。そうすると、ブラックならぬホワイトで健全な地下経済に行きつく物語です。「アホノミクス」の命名については他著でされているのでしょうが、2年前に「商工新聞」でのインタビューでも答えていました。
それはそれとして、著者は「アホノミクスの動機づけ、突き動かし」ている根拠として、2015年4月の訪米時に「私は外交・安全保障政策は、アベノミクスと表裏一体であります」と笹川平和財団米国で安倍首相が講演した点を指摘し続けていることは重要だと思っています。
端的に言えば、「アホノミクスをもって富国の土台を強化する。憲法改正をもって強兵の体制を整える。この二つの踏み台からジャンプして、大日本帝国に着地する。これが、アホノミクス的下心の基本構図」です。