アホノミクスの向こう側/人間のための経済活動の復権/日本国憲法

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『みんなで行こう アホノミクスの向こう側』(浜矩子[はま・のりこ]著、かもがわ出版)を読みました。

安倍首相は昨年(2015年)9月24日、「アベノミクスは第2ステージに移る」と宣言しました。本書はちょうどそのタイミングで書かれ、先月(2016年2月)発行されました。ベースとなっているのは、著者が2014年10月から2015年6月まで、このテーマで話した6回の講演です。

著者がまず注意を喚起していることは、安保法制から国民の目をそらすために第2ステージによって「経済最優先」の姿勢を示そうとしているかのような解釈は「的外れ」ということ。

安倍首相は2015年9月29日(現地時間)、アメリカ議会・上下両院合同委員会で講演した同日、笹川平和財団アメリカでの講演後の質疑応答で次のように語っていました。

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「デフレから脱却をして、経済を成長させ、そしてGDPを増やしていく…当然、防衛費をしっかりと増やしていくこともできます…つまり、強い経済はしっかりとした安全保障、安全保障政策の立て直しに不可欠である…」。

著者から見れば、「生んで増やして、総員活躍。生涯活躍。こうしてGDPを増やしていくこと。それが、国防費を増やすことができる外交安全保障政策の実現につながる…その意図するところがあまりにも解りやすい」。

かくして、「平和でまともな世界と我々の間に立ちはだかろうとする壁」の「構築作業にストップをかけ」、「そのために、今、発見しておくべきことは何なのか。どのような認識を持っておくべきなのか。それを見極めるため」の「新たな旅」が本書です。

その行き着く向こう側が「多様性と包摂性」「正義と平和」「狼と子羊」の3つの出会いであり、この「三位一体の出会いが実現している場所に、日本国憲法がある」。

「人間のための経済活動の復権」という視点からの、実に楽しく、刺激的な旅です。

160305佐麻久嶺2_R【この階段を登り切った向こう側は神社】

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